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5月 名前を呼ぶと目で威嚇する。 (3)
2009.03.21 Sat
結局、蒼一郎は金曜と土曜の夜をどこかで過ごしてきたらしく、帰って来たのは日曜日の夜だった。
翔真が彼女とのデートから帰って来ると、ちょうど部屋の前で鍵を開けている蒼一郎と出くわした。
「あ、お帰りショウちゃん」
「…て、お前も今帰って来たとこじゃねぇの?」
「そう。ただいまー!」
部屋のもう1人の住人が一緒にドアの前にいるのだから、当然室内には誰もいないというのに、蒼一郎は元気に挨拶をして中に入った。
「ショウちゃん、彼女とデートだったの?」
「はぇ!?」
ベッドの上でカバンを開けて、2泊分の荷物を片付けていた蒼一郎が、上着を片付けて戻って来た翔真に、不意にそんなことを尋ねた。
彼女の存在も、確かに今日デートだったことも、別に隠すつもりはないからいいんだけれど、今までデート帰りでも蒼一郎にそんなことを聞かれたことがなかったから、ビックリして変な声を上げてしまった。
「あー…いや、別に追及するつもりはないんだけど、あの…ここ」
「え?」
何となく気まずそうに蒼一郎が、自分の首元を指差す。
それでもまだよく分からなくて、翔真が首を傾げていれば、蒼一郎は一瞬、視線を彷徨わせた後、口を開いた。
「いや、随分積極的な彼女だなぁ、て…」
「えっ!?」
ようやく蒼一郎の言いたいことが分かって、翔真が慌てて鏡を覗き込めば、確かに蒼一郎が指し示した個所には、クッキリとまではいかないが、明らかにそれと分かる痕……キスマークが付けられていた。
「チッ…」
自己主張のつもりか、独占欲の表れか、けれど翔真はキスマークを付けられるのがそんなに好きではなくて、思わず舌を鳴らしてしまっていた。
しかも上着を脱げば、すぐに分かってしまう場所……すごく面倒くさい。
「すごい嫌そうな顔するねぇ、ショウちゃん」
「だってヤなんだもん」
「かわいくない?」
「ない!」
むぅ、と言い返せば、子どもみたいな翔真の態度がおもしろかったのか、蒼一郎は声を上げて笑い出した。
蒼一郎はのん気に笑っているが、よく考えたら、昼間からいたしちゃっているのがバレバレで、翔真にしたらそれも恥ずかしい。
彼女は翔真と同い年だけれど、学生ではなくて働いているから、明日は月曜日で仕事だし、いつもより早く家を出なければならないと言って、今日はその日のうちにバイバイしたのだ。
「んはは、ショウちゃんのそんな顔、初めて見たー」
「なっ…何それ」
「だってあんま焦ったり慌てたりとか、顔に出さないじゃん」
「ッッ…」
他意なく言う蒼一郎の言葉にも反応してしまって、翔真は次の言葉が出て来ない。
確かに蒼一郎の言うとおりの部分はあるが、わざとそうしているわけではなくて、単に顔に出ないだけのこと。翔真だって人間だから、慌てることも、焦ることも、今みたく言葉を詰まらせてしまうことだって、いくらでもあるのだ。
蒼一郎とは、どうも自分とのタイミングというかテンポが違うせいか、思わずそういったことが表に出てしまうのかもしれない。
だからといって蒼一郎のことが嫌いだとか、感情が顔に出るのが嫌だとか、そういったことはないのだけれど、それをいちいち指摘されるのは、何だか恥ずかしい。
「でも、ショウちゃんのそういう顔もいいよね。あ、明日から涼しい日が続くといいけどねー」
「え? あ、う……そだね…」
天気が悪くて涼しければ、首元を隠すような服装を着ていっても、不審には思われないから。
おそらくそんなつもりで言ったのだろう、蒼一郎の言葉に、翔真は顔を赤くしながら何とか返事をした。
蒼一郎の前では、どうしてか、らしくない自分しか出せない。
翔真が彼女とのデートから帰って来ると、ちょうど部屋の前で鍵を開けている蒼一郎と出くわした。
「あ、お帰りショウちゃん」
「…て、お前も今帰って来たとこじゃねぇの?」
「そう。ただいまー!」
部屋のもう1人の住人が一緒にドアの前にいるのだから、当然室内には誰もいないというのに、蒼一郎は元気に挨拶をして中に入った。
「ショウちゃん、彼女とデートだったの?」
「はぇ!?」
ベッドの上でカバンを開けて、2泊分の荷物を片付けていた蒼一郎が、上着を片付けて戻って来た翔真に、不意にそんなことを尋ねた。
彼女の存在も、確かに今日デートだったことも、別に隠すつもりはないからいいんだけれど、今までデート帰りでも蒼一郎にそんなことを聞かれたことがなかったから、ビックリして変な声を上げてしまった。
「あー…いや、別に追及するつもりはないんだけど、あの…ここ」
「え?」
何となく気まずそうに蒼一郎が、自分の首元を指差す。
それでもまだよく分からなくて、翔真が首を傾げていれば、蒼一郎は一瞬、視線を彷徨わせた後、口を開いた。
「いや、随分積極的な彼女だなぁ、て…」
「えっ!?」
ようやく蒼一郎の言いたいことが分かって、翔真が慌てて鏡を覗き込めば、確かに蒼一郎が指し示した個所には、クッキリとまではいかないが、明らかにそれと分かる痕……キスマークが付けられていた。
「チッ…」
自己主張のつもりか、独占欲の表れか、けれど翔真はキスマークを付けられるのがそんなに好きではなくて、思わず舌を鳴らしてしまっていた。
しかも上着を脱げば、すぐに分かってしまう場所……すごく面倒くさい。
「すごい嫌そうな顔するねぇ、ショウちゃん」
「だってヤなんだもん」
「かわいくない?」
「ない!」
むぅ、と言い返せば、子どもみたいな翔真の態度がおもしろかったのか、蒼一郎は声を上げて笑い出した。
蒼一郎はのん気に笑っているが、よく考えたら、昼間からいたしちゃっているのがバレバレで、翔真にしたらそれも恥ずかしい。
彼女は翔真と同い年だけれど、学生ではなくて働いているから、明日は月曜日で仕事だし、いつもより早く家を出なければならないと言って、今日はその日のうちにバイバイしたのだ。
「んはは、ショウちゃんのそんな顔、初めて見たー」
「なっ…何それ」
「だってあんま焦ったり慌てたりとか、顔に出さないじゃん」
「ッッ…」
他意なく言う蒼一郎の言葉にも反応してしまって、翔真は次の言葉が出て来ない。
確かに蒼一郎の言うとおりの部分はあるが、わざとそうしているわけではなくて、単に顔に出ないだけのこと。翔真だって人間だから、慌てることも、焦ることも、今みたく言葉を詰まらせてしまうことだって、いくらでもあるのだ。
蒼一郎とは、どうも自分とのタイミングというかテンポが違うせいか、思わずそういったことが表に出てしまうのかもしれない。
だからといって蒼一郎のことが嫌いだとか、感情が顔に出るのが嫌だとか、そういったことはないのだけれど、それをいちいち指摘されるのは、何だか恥ずかしい。
「でも、ショウちゃんのそういう顔もいいよね。あ、明日から涼しい日が続くといいけどねー」
「え? あ、う……そだね…」
天気が悪くて涼しければ、首元を隠すような服装を着ていっても、不審には思われないから。
おそらくそんなつもりで言ったのだろう、蒼一郎の言葉に、翔真は顔を赤くしながら何とか返事をした。
蒼一郎の前では、どうしてか、らしくない自分しか出せない。
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柚子季杏 ⇒ いや、ほんとう
翔ちゃんのお相手が誰になるのかさっぱり見えない!
う~~ん気になるーー!!
蒼くん相手も良さそうだし、マヒロたん相手も楽しそう…意表ついて郁ちゃんも捨て難いなぁ~。
如月さんちの男の子って、どの子も魅力的だから迷うわ~( ´艸`)ムププ♪
にしても、今回の翔ちゃんはカワイイ!!
きゅん♪
う~~ん気になるーー!!
蒼くん相手も良さそうだし、マヒロたん相手も楽しそう…意表ついて郁ちゃんも捨て難いなぁ~。
如月さんちの男の子って、どの子も魅力的だから迷うわ~( ´艸`)ムププ♪
にしても、今回の翔ちゃんはカワイイ!!
きゅん♪
りり ⇒ 柚子季さまに同感です!
組み合わせ誰?誰なの?!と作者さまに詰め寄りたくなります。
そう言えば前シーズンでも最初は組み合わせが読めなかったです。
翔くんは前シーズンでも脱ノンケ!とみんなに思われていた期待の星(笑
きっと素敵なお相手を選んでいただけてるはず!
蒼くんのへらっとフレンドリーなとこもツボですし。
真大くんの一途っぽさもツンデレ素質ありありな感じだし。
そう、郁ちゃんでも…。
しばらくいろいろ妄想させていただきます!
そう言えば前シーズンでも最初は組み合わせが読めなかったです。
翔くんは前シーズンでも脱ノンケ!とみんなに思われていた期待の星(笑
きっと素敵なお相手を選んでいただけてるはず!
蒼くんのへらっとフレンドリーなとこもツボですし。
真大くんの一途っぽさもツンデレ素質ありありな感じだし。
そう、郁ちゃんでも…。
しばらくいろいろ妄想させていただきます!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 翔ちゃんのお相手が誰になるのかさっぱり見えない!
> う~~ん気になるーー!!
ファーストシーズンもそうでしたけど、毎回毎回、焦らしプレイですみません!!
どの子がくっ付いても、翔ちゃんなら行けそうな感じですが……でもまだ彼女のいる身なんでね、そこはちゃんとしてもらわないと(爆)
> にしても、今回の翔ちゃんはカワイイ!!
ありがとうございます~!
翔ちゃんの新しい一面が、出せた……かな!?
コメントありがとうございました!
> う~~ん気になるーー!!
ファーストシーズンもそうでしたけど、毎回毎回、焦らしプレイですみません!!
どの子がくっ付いても、翔ちゃんなら行けそうな感じですが……でもまだ彼女のいる身なんでね、そこはちゃんとしてもらわないと(爆)
> にしても、今回の翔ちゃんはカワイイ!!
ありがとうございます~!
翔ちゃんの新しい一面が、出せた……かな!?
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
如月・焦らしプレイ・久美子です、こんにちは。
いい加減にしてよぉ~、と大半の読者のかたが思われていることかと…(笑)
> 翔くんは前シーズンでも脱ノンケ!とみんなに思われていた期待の星(笑
確かに!
でも、人類総ホ●化までは、そう遠くはないはずですよ!
少なくとも私のお話の中では(爆)
コメントありがとうございました!
いい加減にしてよぉ~、と大半の読者のかたが思われていることかと…(笑)
> 翔くんは前シーズンでも脱ノンケ!とみんなに思われていた期待の星(笑
確かに!
でも、人類総ホ●化までは、そう遠くはないはずですよ!
少なくとも私のお話の中では(爆)
コメントありがとうございました!