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4月 はじめまして、大嫌い。 (6)
2009.03.18 Wed
「…亮たちと同じ高校てことは、翔真とも一緒なんでしょ、高校」
「え?」
「いや、あの真大くんて子。何かあったの?」
授業前、たまたま祐介と2人きりになったら、そんなことを聞かれた。
祐介は、何かを勘ぐっているふうもなくて、翔真は空惚けようともしたけれど、ごまかすのをやめて、溜め息とともに吐き出した。
「よく分かんないんだよね。同じ高校っつっても学年違うし、部活も違ったから。昨日、引っ越しの手伝いにアイツも来たんだけど、正直俺、それが初めて会ったんだと思ってたし」
「そうなんだ。そのわりには何か、妙に翔真のこと敵視してたよね」
「…」
久々の再会を喜んでいた亮や和衣は(もちろん睦月も)、先ほどの真大の態度には気付いていないようだったが、どうやら何も言わなかっただけで、祐介は感付いていたらしい。
「それもよく分かんないんだよね。俺、何もした覚えがないのですが」
「勝手に何か恨まれてるってこと? 怖いね」
「…だよね」
自覚なしに、彼の気に障ることをしてしまったのだとしたら、根は深いかもしれない。
「覚えてなかったこと、怒ってるだけならいいんだけど」
「学年違って、他に繋がりもなければ、そんなに覚えてないよ、普通」
「じゃあやっぱ、違う恨み? もしかして高校のころから恨まれてた? その恨みを晴らすためにアイツ、俺と同じ大学に…!?」
「いや、それ、サスペンスの見すぎだよ、翔真」
翔真の想像力に、祐介は思わず吹き出した。
「じゃあ、何? ……はぁ…、昨日まではあんなに平穏だったのに、蒼が来た途端…」
「蒼…? あぁ、藤野くん? すごい仲よさそうだったね。むしろアイツと昔から知り合いだったのかと思うくらい」
「アイツこそ、間違いなく初対面だよ!」
それなのに、会った瞬間から『ショウちゃん』て、すごい気軽に声掛けられたけど。
「何か一気に賑やかになったね」
「ホントだよ…」
翔真が苦笑いを浮かべたところで、ココアの缶を振り振りしながら和衣がやって来た。
「ショウちゃん、どうしたの? 難しい顔して」
「俺だって難しいこと考えるときだって、あるの」
そう言われても和衣はまだピンと来ていない様子で、祐介の隣に座って小首を傾げている。
「和衣、野球部だったんでしょ? 高校のころ」
「そうだよー」
「なのに、あの真大くんのこと、よく知ってるみたいだったね」
「祐介、気になる~?」
「いや、そうじゃなくて…」
ココアの缶に口を付けながら、和衣がニヤニヤしながら祐介の顔を覗き込む。
別にいいけど、こんなところでイチャつかないでほしいと、翔真は密かに思う。
「だってグラウンド、隣だったし。それに真大、サッカー超うまかったんだよ」
「へぇ。後は?」
「え? んー…あ、先生来た」
「あ、ちょ…」
老婆心ながら、真大のことを聞こうとした祐介だったが、講師の先生が入って来てしまい、結局話はそこで中断してしまった。
「え?」
「いや、あの真大くんて子。何かあったの?」
授業前、たまたま祐介と2人きりになったら、そんなことを聞かれた。
祐介は、何かを勘ぐっているふうもなくて、翔真は空惚けようともしたけれど、ごまかすのをやめて、溜め息とともに吐き出した。
「よく分かんないんだよね。同じ高校っつっても学年違うし、部活も違ったから。昨日、引っ越しの手伝いにアイツも来たんだけど、正直俺、それが初めて会ったんだと思ってたし」
「そうなんだ。そのわりには何か、妙に翔真のこと敵視してたよね」
「…」
久々の再会を喜んでいた亮や和衣は(もちろん睦月も)、先ほどの真大の態度には気付いていないようだったが、どうやら何も言わなかっただけで、祐介は感付いていたらしい。
「それもよく分かんないんだよね。俺、何もした覚えがないのですが」
「勝手に何か恨まれてるってこと? 怖いね」
「…だよね」
自覚なしに、彼の気に障ることをしてしまったのだとしたら、根は深いかもしれない。
「覚えてなかったこと、怒ってるだけならいいんだけど」
「学年違って、他に繋がりもなければ、そんなに覚えてないよ、普通」
「じゃあやっぱ、違う恨み? もしかして高校のころから恨まれてた? その恨みを晴らすためにアイツ、俺と同じ大学に…!?」
「いや、それ、サスペンスの見すぎだよ、翔真」
翔真の想像力に、祐介は思わず吹き出した。
「じゃあ、何? ……はぁ…、昨日まではあんなに平穏だったのに、蒼が来た途端…」
「蒼…? あぁ、藤野くん? すごい仲よさそうだったね。むしろアイツと昔から知り合いだったのかと思うくらい」
「アイツこそ、間違いなく初対面だよ!」
それなのに、会った瞬間から『ショウちゃん』て、すごい気軽に声掛けられたけど。
「何か一気に賑やかになったね」
「ホントだよ…」
翔真が苦笑いを浮かべたところで、ココアの缶を振り振りしながら和衣がやって来た。
「ショウちゃん、どうしたの? 難しい顔して」
「俺だって難しいこと考えるときだって、あるの」
そう言われても和衣はまだピンと来ていない様子で、祐介の隣に座って小首を傾げている。
「和衣、野球部だったんでしょ? 高校のころ」
「そうだよー」
「なのに、あの真大くんのこと、よく知ってるみたいだったね」
「祐介、気になる~?」
「いや、そうじゃなくて…」
ココアの缶に口を付けながら、和衣がニヤニヤしながら祐介の顔を覗き込む。
別にいいけど、こんなところでイチャつかないでほしいと、翔真は密かに思う。
「だってグラウンド、隣だったし。それに真大、サッカー超うまかったんだよ」
「へぇ。後は?」
「え? んー…あ、先生来た」
「あ、ちょ…」
老婆心ながら、真大のことを聞こうとした祐介だったが、講師の先生が入って来てしまい、結局話はそこで中断してしまった。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ ゆっち~~♪
きゃ~~~ん、ゆっち~~~♪♪
やばい、ゆっちが登場しただけで気分浮上なんですが!!!
好きっすゆっち(●´д`●´д`●´д`●)ポポポッ
さすがゆっちは鋭い(他が鈍いだけ?w)ですね。
ちゃんと周りを見てるんだろうなぁ。
本当に、原因分からないだけにどうしたら良いものか…って感じですよね。
翔ちゃんガンバレーー!!
蒼ちゃんは何か知ってそうですけど…んーー。
やばい、ゆっちが登場しただけで気分浮上なんですが!!!
好きっすゆっち(●´д`●´д`●´д`●)ポポポッ
さすがゆっちは鋭い(他が鈍いだけ?w)ですね。
ちゃんと周りを見てるんだろうなぁ。
本当に、原因分からないだけにどうしたら良いものか…って感じですよね。
翔ちゃんガンバレーー!!
蒼ちゃんは何か知ってそうですけど…んーー。
伽羅 ⇒ き・に・な・る・ぅ~~!!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
ゆっちさん人気、相変わらず高いですね(笑)
見てないようで、いろいろ見てるゆっちさん。
亮タンやカズちゃんは、高校のころの思い出があるんで、なかなか真大タンの態度に気付けないようですが、むっちゃんは本気で気付いてないようで(^_^;)
> 翔ちゃんガンバレーー!!
翔ちゃんへの応援、ありがとうございます!
真大タンの態度にもめげず、がんばっております!
コメントありがとうございました!
見てないようで、いろいろ見てるゆっちさん。
亮タンやカズちゃんは、高校のころの思い出があるんで、なかなか真大タンの態度に気付けないようですが、むっちゃんは本気で気付いてないようで(^_^;)
> 翔ちゃんガンバレーー!!
翔ちゃんへの応援、ありがとうございます!
真大タンの態度にもめげず、がんばっております!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >伽羅さん
毎回毎回、とんでもないところでぶった切ってますよね、私(爆)
真大タンには、彼なりの理由があるわけですが……これだけ読んでると、相当ひどい子ですよねぇ(^_^;)
理由が判明するまで、みなさんをモヤモヤさせっぱなしかもです~!
コメントありがとうございました!
真大タンには、彼なりの理由があるわけですが……これだけ読んでると、相当ひどい子ですよねぇ(^_^;)
理由が判明するまで、みなさんをモヤモヤさせっぱなしかもです~!
コメントありがとうございました!