スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
4月 はじめまして、大嫌い。 (5)
2009.03.17 Tue
「ショウちゃん、同じ部屋になった人、来た?」
週が明けて月曜日、いつものカフェテリアで、和衣は眠そうな顔をしている智久に尋ねた。
「来たよ、昨日。何かいろいろあって、引っ越しすんの遅れたみたい」
「へぇ。何、引っ越しのお手伝いして、今日は疲れてんの?」
「いや…」
結局、部屋までの荷物運びも何となく手伝いづらいし、実際運ばれてきた荷物もそれほど多くなかったので、大した手伝いもしていない。
しいて疲れたと言えば、あの真大のあからさまな態度くらいなものだ。
わけも分からず人に嫌悪されるというのは、結構キツイ。身に覚えがないだけで何かしてしまったのだろうか、けれど接点すらも思い出せないし。
「あ、ショウちゃん!」
翔真が人知れず溜め息をつこうとしたとき、前方からやって来たその姿に、慌てて席を立った。
今どき、茶髪や金髪なんて別に目立つような存在ではないけれど、元気に手を振って近づいてくる蒼一郎は、明らかに目立ちすぎる。
蒼一郎の元気な声と、翔真の慌てっぷりに、同じ席にいた4人だけでなく、周りもみなこちらに注目している。
けれど当の本人はそれに気付いていないらしく、隣を歩いていた郁雅がギョッとした顔で蒼一郎を抑えている。
そしてその隣には――――真大。翔真の姿を見つけ、あからさまに顔を顰めた。
「あー…えっと、コイツ…。同じ部屋になったの…」
ポカンとした顔をしている4人に、翔真は戸惑いながら紹介した。
蒼一郎は相変わらず、みんなにもとても気軽に挨拶をしている。
「あ、れ…? マヒロ?」
まるで昔から友人だったかのようにフレンドリーな蒼一郎に驚いていたら、亮がその後ろで険しい表情をしている真大に気が付いた。
知り合いなの? と、翔真が目で亮に尋ねる。
「真大だよな?」
「え、亮くん? 亮くんもこの大学なの?」
どうやら真大のほうも亮のことを知っているらしく、驚きを隠し切れない様子だ。
「え、亮の知り合い?」
「高校のころの後輩。同じサッカー部だった」
「え、」
その発言に驚いたのは、翔真だ。
亮と同じ高校だということは、つまり翔真とも同じだったということだ。
「ビックリしたー、こんなとこで会えるなんて思わなかった!」
そう言う真大は、昨日、翔真と初めて会ったときとはまるで違って、本当に嬉しそうな表情だ。
何となく納得がいかない。
同じ高校とはいっても、亮と違って、翔真はサッカー部ではなかったから、特に真大とも接点はなかったとはいえ、だとしたらなおさら、なぜあんなに嫌悪感を丸出しにされなければならないのだろうか。
「真大ってさぁ、サッカー超うまかったよね」
「え、カズくん!?」
亮の向かいにいた和衣が、思い出すようにそう言えば、その存在に気が付いた真大が、さらに驚いた顔をする。
まさか揃ってここで再会するとは、ゆめゆめ思っていなかったらしい。
「カズちゃんもサッカー部だったの?」
3人のやり取りを見ていた睦月が尋ねた。
そういえばみんなの高校のころの話って、あまり聞いたことがなかった。
「うぅん、俺、野球。でもグラウンド、隣でやってたから」
「え、カズちゃん、野球部!? 似合わない……ねぇ、坊主だったの?」
「似合わなくない! それに坊主でもない! むっちゃん、何笑ってんの!?」
坊主ではないと言っているのに、勝手に和衣の坊主姿を想像したのか、睦月は思わず吹き出してしまった。
「でもすごいビックリした…。亮くんとかとまた会えるなんて、思わなかったー」
「俺も思わなかった。え、真大がショウと同じ部屋なの?」
「…、違います。俺も寮に住んでるけど、階も違うし」
翔真の名前が出て、スッと真大の声が硬くなった。
亮はそれに気付かなかったようだけれど、翔真はしっかりとそれを感じ取っていた。
(俺、コイツに何かしたっけ…?)
同じ高校だったのに気付かなかったことは、悪かったと思う。
素直に非は認める。
でも真大には、それだけでない何かを感じざるを得ない。
「同じ部屋なのは俺! よろしくね」
今年も1年生だけど……と、蒼一郎は、何も自分からバラさなくてもいいようなことを付け加えて笑った。
週が明けて月曜日、いつものカフェテリアで、和衣は眠そうな顔をしている智久に尋ねた。
「来たよ、昨日。何かいろいろあって、引っ越しすんの遅れたみたい」
「へぇ。何、引っ越しのお手伝いして、今日は疲れてんの?」
「いや…」
結局、部屋までの荷物運びも何となく手伝いづらいし、実際運ばれてきた荷物もそれほど多くなかったので、大した手伝いもしていない。
しいて疲れたと言えば、あの真大のあからさまな態度くらいなものだ。
わけも分からず人に嫌悪されるというのは、結構キツイ。身に覚えがないだけで何かしてしまったのだろうか、けれど接点すらも思い出せないし。
「あ、ショウちゃん!」
翔真が人知れず溜め息をつこうとしたとき、前方からやって来たその姿に、慌てて席を立った。
今どき、茶髪や金髪なんて別に目立つような存在ではないけれど、元気に手を振って近づいてくる蒼一郎は、明らかに目立ちすぎる。
蒼一郎の元気な声と、翔真の慌てっぷりに、同じ席にいた4人だけでなく、周りもみなこちらに注目している。
けれど当の本人はそれに気付いていないらしく、隣を歩いていた郁雅がギョッとした顔で蒼一郎を抑えている。
そしてその隣には――――真大。翔真の姿を見つけ、あからさまに顔を顰めた。
「あー…えっと、コイツ…。同じ部屋になったの…」
ポカンとした顔をしている4人に、翔真は戸惑いながら紹介した。
蒼一郎は相変わらず、みんなにもとても気軽に挨拶をしている。
「あ、れ…? マヒロ?」
まるで昔から友人だったかのようにフレンドリーな蒼一郎に驚いていたら、亮がその後ろで険しい表情をしている真大に気が付いた。
知り合いなの? と、翔真が目で亮に尋ねる。
「真大だよな?」
「え、亮くん? 亮くんもこの大学なの?」
どうやら真大のほうも亮のことを知っているらしく、驚きを隠し切れない様子だ。
「え、亮の知り合い?」
「高校のころの後輩。同じサッカー部だった」
「え、」
その発言に驚いたのは、翔真だ。
亮と同じ高校だということは、つまり翔真とも同じだったということだ。
「ビックリしたー、こんなとこで会えるなんて思わなかった!」
そう言う真大は、昨日、翔真と初めて会ったときとはまるで違って、本当に嬉しそうな表情だ。
何となく納得がいかない。
同じ高校とはいっても、亮と違って、翔真はサッカー部ではなかったから、特に真大とも接点はなかったとはいえ、だとしたらなおさら、なぜあんなに嫌悪感を丸出しにされなければならないのだろうか。
「真大ってさぁ、サッカー超うまかったよね」
「え、カズくん!?」
亮の向かいにいた和衣が、思い出すようにそう言えば、その存在に気が付いた真大が、さらに驚いた顔をする。
まさか揃ってここで再会するとは、ゆめゆめ思っていなかったらしい。
「カズちゃんもサッカー部だったの?」
3人のやり取りを見ていた睦月が尋ねた。
そういえばみんなの高校のころの話って、あまり聞いたことがなかった。
「うぅん、俺、野球。でもグラウンド、隣でやってたから」
「え、カズちゃん、野球部!? 似合わない……ねぇ、坊主だったの?」
「似合わなくない! それに坊主でもない! むっちゃん、何笑ってんの!?」
坊主ではないと言っているのに、勝手に和衣の坊主姿を想像したのか、睦月は思わず吹き出してしまった。
「でもすごいビックリした…。亮くんとかとまた会えるなんて、思わなかったー」
「俺も思わなかった。え、真大がショウと同じ部屋なの?」
「…、違います。俺も寮に住んでるけど、階も違うし」
翔真の名前が出て、スッと真大の声が硬くなった。
亮はそれに気付かなかったようだけれど、翔真はしっかりとそれを感じ取っていた。
(俺、コイツに何かしたっけ…?)
同じ高校だったのに気付かなかったことは、悪かったと思う。
素直に非は認める。
でも真大には、それだけでない何かを感じざるを得ない。
「同じ部屋なのは俺! よろしくね」
今年も1年生だけど……と、蒼一郎は、何も自分からバラさなくてもいいようなことを付け加えて笑った。
- 関連記事
-
- 4月 はじめまして、大嫌い。 (6) (2009/03/18)
- 4月 はじめまして、大嫌い。 (5) (2009/03/17)
- 4月 はじめまして、大嫌い。 (4) (2009/03/16)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:恋するカレンダー12題
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 一体
マヒロくん、翔ちゃんと何があったんだ?
一方的っぽいですもんね~。
自分の気付かない部分で嫌悪されて、それをあからさまに態度に出されて…それって結構キッツイよなぁ(;´Д`)
翔ちゃん、可哀想に…。
せめて理由が分かれば対処のしようもあるんでしょうにねぇ。
にしても意外な展開!同じ高校だったのかぁ~~。
そしてカズちゃんが野球で亮たんサッカー…。
イメージ的にカズちゃんの野球部って…そんな男臭い部活してたんだ(´∀`;)
むっちゃんが笑っちゃうの分かる気がする~(失礼ww)
一方的っぽいですもんね~。
自分の気付かない部分で嫌悪されて、それをあからさまに態度に出されて…それって結構キッツイよなぁ(;´Д`)
翔ちゃん、可哀想に…。
せめて理由が分かれば対処のしようもあるんでしょうにねぇ。
にしても意外な展開!同じ高校だったのかぁ~~。
そしてカズちゃんが野球で亮たんサッカー…。
イメージ的にカズちゃんの野球部って…そんな男臭い部活してたんだ(´∀`;)
むっちゃんが笑っちゃうの分かる気がする~(失礼ww)
大野こうこ ⇒
乙女な和チャンが野球部・・・。今まだ良く狙われてこなかったねえ。
マヒーもきになるけれど、蒼一郎のキャラクターが好きだなあ。
翔ちゃん、蒼ちゃんでいいコンビになれそうなのに♪
マヒーもきになるけれど、蒼一郎のキャラクターが好きだなあ。
翔ちゃん、蒼ちゃんでいいコンビになれそうなのに♪
りり ⇒ カズちゃ~ん
みなさまと同じく野球部に反応してしまいました。坊主じゃないんだ。カズちゃん、先輩とか同級生に可愛がられてきたんでしょうねえ。
それにしても如月さまのとこの男の子達が可愛いのは勿論ですが、可愛い中のバリエーションが凄い!!
(可愛い男書いてみたいけど途端に頭が空っぽに
まだどうカップリングされるか見えない。うふふ。楽しみー。
コナンくんのゲーム謎解きなんでしょうか?
「レイトン教授」とかやってみたいけど頭が悪いからすぐ詰まりそうです。
ドラクエ9また販売延期になったし…。
それにしても如月さまのとこの男の子達が可愛いのは勿論ですが、可愛い中のバリエーションが凄い!!
(可愛い男書いてみたいけど途端に頭が空っぽに
まだどうカップリングされるか見えない。うふふ。楽しみー。
コナンくんのゲーム謎解きなんでしょうか?
「レイトン教授」とかやってみたいけど頭が悪いからすぐ詰まりそうです。
ドラクエ9また販売延期になったし…。
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
なぜかいきなり嫌悪感丸出しです。
みんな真大タンのこと、嫌いにならなきゃいいですが…(-_-;)
> イメージ的にカズちゃんの野球部って…そんな男臭い部活してたんだ(´∀`;)
意外や意外、カズちゃん、野球部設定です。
一応、坊主じゃない設定で(苦笑)
坊主は好きですが、カズちゃんはやっぱ坊主じゃないかな、と(笑)
コメントありがとうございました!
みんな真大タンのこと、嫌いにならなきゃいいですが…(-_-;)
> イメージ的にカズちゃんの野球部って…そんな男臭い部活してたんだ(´∀`;)
意外や意外、カズちゃん、野球部設定です。
一応、坊主じゃない設定で(苦笑)
坊主は好きですが、カズちゃんはやっぱ坊主じゃないかな、と(笑)
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >大野さん
> 乙女な和チャンが野球部・・・。今まだ良く狙われてこなかったねえ。
カズちゃん、高校のころ、男の子に告白された経験はアリです(笑)
そのころは何で男の子に?? て感じでしたが。
蒼ちゃん、ポジティブすぎですよね。
いいキャラです。
コメントありがとうございました!
カズちゃん、高校のころ、男の子に告白された経験はアリです(笑)
そのころは何で男の子に?? て感じでしたが。
蒼ちゃん、ポジティブすぎですよね。
いいキャラです。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
カズちゃん野球部、みなさんの食い付きが…(笑)
当時はカズちゃん、男の子に告白されても、???でしたが。
> (可愛い男書いてみたいけど途端に頭が空っぽに
でもりりさんとこのみんなは、ビシッとかっこいいですよね。
大人の男! て感じで。
ウチにそんな大人、いたかな?
> 「レイトン教授」とかやってみたいけど頭が悪いからすぐ詰まりそうです。
私もレントン教授やりたいんですよ~。
今回もコナンとどっちにしようか迷ったんです。
相棒DSも出てるし…(←
コメントありがとうございました!
当時はカズちゃん、男の子に告白されても、???でしたが。
> (可愛い男書いてみたいけど途端に頭が空っぽに
でもりりさんとこのみんなは、ビシッとかっこいいですよね。
大人の男! て感じで。
ウチにそんな大人、いたかな?
> 「レイトン教授」とかやってみたいけど頭が悪いからすぐ詰まりそうです。
私もレントン教授やりたいんですよ~。
今回もコナンとどっちにしようか迷ったんです。
相棒DSも出てるし…(←
コメントありがとうございました!