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君は愛しいヘムロック (後編)
2008.02.13 Wed
「ゆうちゃーん…」
もさっ、と、雑誌を広げていた悠也の背中に、拓海が体重を掛けてきた。その重みに悠也は眉を顰めるが、何も言わない。顔も上げない。
2月14日。
街中が愛とチョコのにおいに包まれる日。
拓海は何も触れないが、前々から喚いていただけあって、その態度は、まさしく悠也にチョコをねだるソレだった。
けれどそれを分かっているはずの悠也は、ことごとく拓海を無視しているのだ。
「悠也くーん」
………………。
反応の薄い悠也にしょんぼりして、拓海は悠也の背中から剥がれた。
「ゆう……だぁーーー!!??」
バコンッ!!
諦め切れなくて、もう1度悠也の名前を呼びながら振り返った拓海の顔面に、何か軽くて硬いものがクリーンヒット。もちろん悠也が拓海に投げ付けたのだ。
「イデデ……ひでぇよ、悠也…」
拓海は鼻を押さえながら、床に落ちたそれに手を伸ばした。
「え、」
拓海の顔面を直撃したそれは、小さいながら、かわいいラッピングの施された箱。裏返しになって床に転がっているが、ご丁寧にリボンまで掛けられている。
「悠也、これ…」
「お前が欲しがったんだからな!」
乱暴な言葉と口調とは裏腹に、顔を背けた悠也は、耳まで赤くしている。
よく見れば、拾い上げたそれは、ラッピングされているとはいえ、店で購入したときのようなきれいな包み方には程遠い。
ということは、だ。
「もしかして、悠ちゃんの手作り…?」
「うっせ! いらないなら返せ!」
「いるいるいるいる! すっげぇ、嬉しい!!」
一気にテンションをヒートアップさせて、拓海は悠也の背中に抱き付く。
顔を赤くしたままだが、悠也はもちろんウザったそうな顔をするのを忘れない。
「悠ちゃん、有り難う、超嬉しい~~」
ギュウウゥ~~~、背中から羽交い絞め。首筋に顔をうずめて、額をスリスリして。
その様は、まるで大型犬がじゃれ付いている光景によく似ている。
「あ! ちょっと待っててね!」
そう言って拓海は悠也から離れると、今度は自分のカバンの中をゴソゴソと漁り出す。やっと拓海から解放された悠也は、ホッと息をつく。
「はい、コレ!」
ジャ~ンという間抜けな効果音付きで拓海かカバンから取り出したのは、同じようにかわいいラッピングの、小さな包み。
「へ?」
「悠ちゃんに」
ポカンとしている悠也の手の上に、その包みは置かれて。包みに貼られたシールには「HAPPY VALENTINE!」って書いてある。
「お、れに…?」
「もちろん」
「おま……自分で買いに行ったの!?」
この手のチョコが売っている店は、どう考えたって、女の子で溢れ返っているはず。しかもバレンタイン用のシールが貼ってあるということは、会計の際にその旨を店員から尋ねられたということだ。
この、モデル張りに整った顔立ちの男前が、女の子だらけの店で、バレンタイン用のチョコレートを買う…………カッコ悪すぎる!!
でもそんなカッコ悪いことを、自分のためにしてくれるなんて…。
「拓海のバカ!」
「え!?」
いきなり怒鳴られて、拓海は驚いて、声を引っ繰り返した。
「超嬉しいじゃん、もーバカァ…」
悠也はギュウと拓海に抱き付いた。
「ありがと……す、好き…」
「……うん」
拓海の胸に顔を埋めたまま、悠也は消え入りそうな小さな声で、そう言った。
*END*
ツンデレの神様、ここに降臨。
うちの受け子ちゃん3人の中で、悠ちゃんだけが唯一、ツンとデレが半々な気がする。
もさっ、と、雑誌を広げていた悠也の背中に、拓海が体重を掛けてきた。その重みに悠也は眉を顰めるが、何も言わない。顔も上げない。
2月14日。
街中が愛とチョコのにおいに包まれる日。
拓海は何も触れないが、前々から喚いていただけあって、その態度は、まさしく悠也にチョコをねだるソレだった。
けれどそれを分かっているはずの悠也は、ことごとく拓海を無視しているのだ。
「悠也くーん」
………………。
反応の薄い悠也にしょんぼりして、拓海は悠也の背中から剥がれた。
「ゆう……だぁーーー!!??」
バコンッ!!
諦め切れなくて、もう1度悠也の名前を呼びながら振り返った拓海の顔面に、何か軽くて硬いものがクリーンヒット。もちろん悠也が拓海に投げ付けたのだ。
「イデデ……ひでぇよ、悠也…」
拓海は鼻を押さえながら、床に落ちたそれに手を伸ばした。
「え、」
拓海の顔面を直撃したそれは、小さいながら、かわいいラッピングの施された箱。裏返しになって床に転がっているが、ご丁寧にリボンまで掛けられている。
「悠也、これ…」
「お前が欲しがったんだからな!」
乱暴な言葉と口調とは裏腹に、顔を背けた悠也は、耳まで赤くしている。
よく見れば、拾い上げたそれは、ラッピングされているとはいえ、店で購入したときのようなきれいな包み方には程遠い。
ということは、だ。
「もしかして、悠ちゃんの手作り…?」
「うっせ! いらないなら返せ!」
「いるいるいるいる! すっげぇ、嬉しい!!」
一気にテンションをヒートアップさせて、拓海は悠也の背中に抱き付く。
顔を赤くしたままだが、悠也はもちろんウザったそうな顔をするのを忘れない。
「悠ちゃん、有り難う、超嬉しい~~」
ギュウウゥ~~~、背中から羽交い絞め。首筋に顔をうずめて、額をスリスリして。
その様は、まるで大型犬がじゃれ付いている光景によく似ている。
「あ! ちょっと待っててね!」
そう言って拓海は悠也から離れると、今度は自分のカバンの中をゴソゴソと漁り出す。やっと拓海から解放された悠也は、ホッと息をつく。
「はい、コレ!」
ジャ~ンという間抜けな効果音付きで拓海かカバンから取り出したのは、同じようにかわいいラッピングの、小さな包み。
「へ?」
「悠ちゃんに」
ポカンとしている悠也の手の上に、その包みは置かれて。包みに貼られたシールには「HAPPY VALENTINE!」って書いてある。
「お、れに…?」
「もちろん」
「おま……自分で買いに行ったの!?」
この手のチョコが売っている店は、どう考えたって、女の子で溢れ返っているはず。しかもバレンタイン用のシールが貼ってあるということは、会計の際にその旨を店員から尋ねられたということだ。
この、モデル張りに整った顔立ちの男前が、女の子だらけの店で、バレンタイン用のチョコレートを買う…………カッコ悪すぎる!!
でもそんなカッコ悪いことを、自分のためにしてくれるなんて…。
「拓海のバカ!」
「え!?」
いきなり怒鳴られて、拓海は驚いて、声を引っ繰り返した。
「超嬉しいじゃん、もーバカァ…」
悠也はギュウと拓海に抱き付いた。
「ありがと……す、好き…」
「……うん」
拓海の胸に顔を埋めたまま、悠也は消え入りそうな小さな声で、そう言った。
*END*
ツンデレの神様、ここに降臨。
うちの受け子ちゃん3人の中で、悠ちゃんだけが唯一、ツンとデレが半々な気がする。
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COMMENT-FORM
イチゴ ⇒ ぎにゃあ!
悠ちゃん!可愛いよう!
というか、久々の拓海くんのギャップに戸惑いを隠せず…(笑
悠ちゃん、結局作ったんだね!!
拓海くん羨ましいです♪
というか、久々の拓海くんのギャップに戸惑いを隠せず…(笑
悠ちゃん、結局作ったんだね!!
拓海くん羨ましいです♪
- |2008.02.14
- |Thu
- |23:42
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >イチゴさん
さすがのツンデレの神も、拓海くんの愛情の前では…。
それにしても悠ちゃんは、学校でのしっかりした拓海くんの姿を知ってるんでしょうか。
あまりのギャップに、呆然とするかも…。
それにしても悠ちゃんは、学校でのしっかりした拓海くんの姿を知ってるんでしょうか。
あまりのギャップに、呆然とするかも…。