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十二月 滲む涙も君との聖夜 (9)
2009.01.29 Thu
バイトが終わった後、睦月は、和衣のクリスマスプレゼント選びに付き合わされていた。
あの日、それとなくショーウィンドウを覗いたり、自分の欲しいものを探すふりをしながら祐介へのプレゼントを探していたのだが、結局見つからず、最後は祐介からの告白による衝撃で、そんなことすっかり忘れていた。
「……何で俺がそれに付き合わなきゃいけないわけ?」
冬休みに入って、時間はたっぷりあるのだから、何もバイトが終わってからでなくても、昼間行ってくればいいのに…と、睦月はぼやく。
「だって、昼間、むっちゃんだけ誘って買い物行ったら、変に思われるかもじゃん!」
「カズちゃんじゃないんだから、アイツはそんなことでヤキモチ妬かないよ」
「でもでも! プレゼントのことは内緒にしておきたいから!」
ね、お願い! と必死な様子で頼まれれば、睦月だって無下に断ることは出来なくて、結局、明日の昼食で手を打つことにした。
「で、カズちゃん、何買うの?」
「分かんない」
「は?」
「祐介って、何が欲しいのかな?」
「はぁ~?」
もしかして、まだ何も決めてないとか?
もしかして、今日、1からそれを探すつもりとか?
「カズちゃん、全然決めてないの…?」
「うん」
「……」
あっさりと言ってのける、この恋する乙女を、一体どうしてくれようか。
言葉をなくしている睦月の横で、和衣は「ねぇねぇー」と無邪気に顔を覗き込んでくる。
「だからー新しいパソコン欲しがってたって」
「そんなの買えるわけないじゃん! それに何かもっと心に残るようなものがいい。形にも残って、心にも残るもの」
「カズちゃん、注文多い…」
和衣の言い分は分かるが、自分がプレゼントを贈るわけでもないのに、そんな難しいリクエストに応えて、祐介へのプレゼントを探し出すなんて、出来そうもない。
「でもさぁ、心に残るものって……だったら、カズちゃんが自分で探したほうがいいんじゃない?」
「だって分かんないもん。むっちゃんのほうが知ってるでしょ?」
「でも俺、ゆっちにプレゼントなんかしたことないし…」
「あぅー」
「無難に服とかでいいんじゃない? アイツ、あんまアクセとかしないしさぁ」
バイト先からそう遠くないショッピングモールを訪れた2人は、ひとまず中を1周しながら、それぞれのテナントを覗いていた。
「服かぁ…」
確かに無難と言えば無難だ。
祐介の毎日着ている服を思い浮かべれば、大体の好みも分かるから、外すこともないだろう。
けれど、和衣はなぜか不満顔だ。
「服の何が嫌なわけ?」
「嫌じゃないけど、何かもっと特別っぽいものがいい」
「何その特別っぽいものって。俺、彼氏に上げるプレゼントなんて選んだこともないのに、そんなの難しいって」
「そっかー」
確かに、それは和衣も同じことだ。
今までのプレゼント選びは、上げる相手が女の子だったから、悩んだといえば悩んだけれど、わりと店頭で見掛ける定番的なもので良かった。
それが、今度は相手が男になったというだけで、こんなにも難しくなってしまうなんて。
あの日、それとなくショーウィンドウを覗いたり、自分の欲しいものを探すふりをしながら祐介へのプレゼントを探していたのだが、結局見つからず、最後は祐介からの告白による衝撃で、そんなことすっかり忘れていた。
「……何で俺がそれに付き合わなきゃいけないわけ?」
冬休みに入って、時間はたっぷりあるのだから、何もバイトが終わってからでなくても、昼間行ってくればいいのに…と、睦月はぼやく。
「だって、昼間、むっちゃんだけ誘って買い物行ったら、変に思われるかもじゃん!」
「カズちゃんじゃないんだから、アイツはそんなことでヤキモチ妬かないよ」
「でもでも! プレゼントのことは内緒にしておきたいから!」
ね、お願い! と必死な様子で頼まれれば、睦月だって無下に断ることは出来なくて、結局、明日の昼食で手を打つことにした。
「で、カズちゃん、何買うの?」
「分かんない」
「は?」
「祐介って、何が欲しいのかな?」
「はぁ~?」
もしかして、まだ何も決めてないとか?
もしかして、今日、1からそれを探すつもりとか?
「カズちゃん、全然決めてないの…?」
「うん」
「……」
あっさりと言ってのける、この恋する乙女を、一体どうしてくれようか。
言葉をなくしている睦月の横で、和衣は「ねぇねぇー」と無邪気に顔を覗き込んでくる。
「だからー新しいパソコン欲しがってたって」
「そんなの買えるわけないじゃん! それに何かもっと心に残るようなものがいい。形にも残って、心にも残るもの」
「カズちゃん、注文多い…」
和衣の言い分は分かるが、自分がプレゼントを贈るわけでもないのに、そんな難しいリクエストに応えて、祐介へのプレゼントを探し出すなんて、出来そうもない。
「でもさぁ、心に残るものって……だったら、カズちゃんが自分で探したほうがいいんじゃない?」
「だって分かんないもん。むっちゃんのほうが知ってるでしょ?」
「でも俺、ゆっちにプレゼントなんかしたことないし…」
「あぅー」
「無難に服とかでいいんじゃない? アイツ、あんまアクセとかしないしさぁ」
バイト先からそう遠くないショッピングモールを訪れた2人は、ひとまず中を1周しながら、それぞれのテナントを覗いていた。
「服かぁ…」
確かに無難と言えば無難だ。
祐介の毎日着ている服を思い浮かべれば、大体の好みも分かるから、外すこともないだろう。
けれど、和衣はなぜか不満顔だ。
「服の何が嫌なわけ?」
「嫌じゃないけど、何かもっと特別っぽいものがいい」
「何その特別っぽいものって。俺、彼氏に上げるプレゼントなんて選んだこともないのに、そんなの難しいって」
「そっかー」
確かに、それは和衣も同じことだ。
今までのプレゼント選びは、上げる相手が女の子だったから、悩んだといえば悩んだけれど、わりと店頭で見掛ける定番的なもので良かった。
それが、今度は相手が男になったというだけで、こんなにも難しくなってしまうなんて。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ んーー分かるなぁ・・・
プレゼント選びって難しいですよねぇ。
下手なの選んで押し付けっぽくなるのもイヤだし、センス疑われるのもいやだし、折角贈るなら喜んでもらいたいし。
初めてのプレゼントなら尚更、想い出に残るようなものを!
っていうカズちゃんの気持ち、スゴク分かるなぁ~。
でもゆっちなら、何あげても喜んでくれそうな気がするけど(*´∀`*)
もうカズちゃん、自分にリボンでも巻いちゃえ!!←
そしてむっちゃんの気持ちも分かるなー(´∀`;)
いくら友達っていっても、自分がやるわけじゃないプレゼント選びに付き合うのって、面倒ですよね(苦笑)
しかも親離れしなきゃならない幼馴染相手のものを、友達が恋人として選んでいるわけで(;´Д`)
カズちゃんも~ひとりで出来るもん!にならなきゃ駄目よ~苦笑
むっちゃん、亮ちゃんにもプレゼントあげてくんないかなぁ?
下手なの選んで押し付けっぽくなるのもイヤだし、センス疑われるのもいやだし、折角贈るなら喜んでもらいたいし。
初めてのプレゼントなら尚更、想い出に残るようなものを!
っていうカズちゃんの気持ち、スゴク分かるなぁ~。
でもゆっちなら、何あげても喜んでくれそうな気がするけど(*´∀`*)
もうカズちゃん、自分にリボンでも巻いちゃえ!!←
そしてむっちゃんの気持ちも分かるなー(´∀`;)
いくら友達っていっても、自分がやるわけじゃないプレゼント選びに付き合うのって、面倒ですよね(苦笑)
しかも親離れしなきゃならない幼馴染相手のものを、友達が恋人として選んでいるわけで(;´Д`)
カズちゃんも~ひとりで出来るもん!にならなきゃ駄目よ~苦笑
むっちゃん、亮ちゃんにもプレゼントあげてくんないかなぁ?
りり ⇒ クリスマスプレゼントかぁ~。
柚子季さまのコメ読んでそうだなぁ~と頷いてました。
確かに友達の恋人のプレゼント選びめんどい…。
「知らねえよ?」とか言いたくなるけど引っ張り回されて「あれでいんじゃない?」「これでいんじゃない?」(ほぼてきとー)を「え~~~~~?!」と却下され続けて、結局本人が選んだ頃には判断もくそもなく「いいよいいよ(何でも!)早く買おう(そして帰ろう)」という状態に…。
でも、それを強引に友達も巻き込んじゃうところがカズちゃんらしい乙女っぷりなんですけどね。
愛されキャラだから許される乙女マインド。
何を選ぶんだろう?
カズちゃん自身が一番よろこばれると思う(ボソ
そしてこの機会にむっちゃんも!プレゼント&告白してみたらいいよ!
確かに友達の恋人のプレゼント選びめんどい…。
「知らねえよ?」とか言いたくなるけど引っ張り回されて「あれでいんじゃない?」「これでいんじゃない?」(ほぼてきとー)を「え~~~~~?!」と却下され続けて、結局本人が選んだ頃には判断もくそもなく「いいよいいよ(何でも!)早く買おう(そして帰ろう)」という状態に…。
でも、それを強引に友達も巻き込んじゃうところがカズちゃんらしい乙女っぷりなんですけどね。
愛されキャラだから許される乙女マインド。
何を選ぶんだろう?
カズちゃん自身が一番よろこばれると思う(ボソ
そしてこの機会にむっちゃんも!プレゼント&告白してみたらいいよ!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> プレゼント選びって難しいですよねぇ。
カズちゃんの場合、ただでさえ乙女回路全開なんでね。
プレゼント=ロマンチック、て方程式が出来上がってるみたいです(笑)
> いくら友達っていっても、自分がやるわけじゃないプレゼント選びに付き合うのって、面倒ですよね(苦笑)
自分が貰うわけでもないのに、そんなに親身になんて考えられないですよね(苦笑)
それでもちゃんと付き合ってあげるむっちゃん。
いままでむっちゃんが、一番の甘やかされっ子だと思ってましたが、よく考えたら、カズちゃんのほうが甘やかされてますね!?
ひとりで出来るもん! ……なれるかしら?
コメントありがとうございました!
カズちゃんの場合、ただでさえ乙女回路全開なんでね。
プレゼント=ロマンチック、て方程式が出来上がってるみたいです(笑)
> いくら友達っていっても、自分がやるわけじゃないプレゼント選びに付き合うのって、面倒ですよね(苦笑)
自分が貰うわけでもないのに、そんなに親身になんて考えられないですよね(苦笑)
それでもちゃんと付き合ってあげるむっちゃん。
いままでむっちゃんが、一番の甘やかされっ子だと思ってましたが、よく考えたら、カズちゃんのほうが甘やかされてますね!?
ひとりで出来るもん! ……なれるかしら?
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> 確かに友達の恋人のプレゼント選びめんどい…。
いや、私も自分だったら、そんな気持ちですよ。
ちゃんと付き合ってあげてるむっちゃん、いい子だよぉ。
> カズちゃん自身が一番よろこばれると思う(ボソ
私もそう思います!
でも乙女カズちゃんは、「そんなのまだ早いし!」とかって、全力で拒否りそう…(苦笑)
コメントありがとうございました!
いや、私も自分だったら、そんな気持ちですよ。
ちゃんと付き合ってあげてるむっちゃん、いい子だよぉ。
> カズちゃん自身が一番よろこばれると思う(ボソ
私もそう思います!
でも乙女カズちゃんは、「そんなのまだ早いし!」とかって、全力で拒否りそう…(苦笑)
コメントありがとうございました!