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十二月 滲む涙も君との聖夜 (8)
2009.01.28 Wed
「カズちゃんと付き合うことになったんだって?」
告白から一夜明け、祐介は睦月と2人、カフェテリアの片隅で、顔を突き合わせていた。
ちなみに和衣は亮が教授のところに行くのに付き合っているし、翔真は彼女のところで、今はいない。
「…和衣から聞いたの?」
「昨日、寝てるところ、叩き起こされた」
まだ亮がバイトから帰って来ていなかったこともあって、部屋の鍵を掛けずに寝ていた睦月は、興奮気味に部屋に駆け込んで来て、ベッドの上に飛び乗った和衣に揺さ振り起こされた。
そして和衣は、寝惚け半分の睦月に、その日1日の出来事を捲し立てたのだった。
「おめでと」
「あ、うん、ありがと。てか、睦月、和衣から相談とかされてたんだって?」
「うん。ゆっちは何も相談してくんなかったね」
「いや、うん……ゴメン」
「何で謝んの?」
「いや、何となく?」
何となく気まずそうな、それでいてちょっと照れたような祐介の顔は、今までずっと見てきた幼馴染みの顔ではあったけれど、どこか今までとは違うような気がして、睦月は少しだけ寂しくなった。
「別にいいけど。カズちゃん、すげぇ嬉しそうだった。クリスマスまでにがんばる! てずっと言ってたし」
「そうなんだ」
「…ゆっち、いつからカズちゃんのこと、好きだったの?」
「え、いや…いつって言われても…。結構前、かな。気になるようになったのは、夏ころかも」
「ふぅん」
そういえば、和衣の、祐介に対する態度がわりとあからさまになってきたのも、そのころからだ。
特に睦月が絡んだときなんかの。
ということは、和衣の懸命なアピールは、決して無駄ではなかったというわけだ。
「でも、カズちゃんはすげぇ分かりやすかったけど、お前は全然分かんなかったよ」
「そうかな」
そういえば、同じことを昨日、和衣にも言われた。
確かに気付かれたらまずいと思って隠してはいたけれど、そんなに誰にもバレないほど、隠し事が上手だなんて思ったこともなかったのに。
「だって、やっぱその気もない人には、告れないじゃん。気持ちがバレて引かれるのもヤダし…」
「じゃあ何で言おうと思ったの? カズちゃんが自分のこと好きかもって思った?」
「え、いや、何ていうか…」
和衣の態度も何となく気にはなっていたけれど、祐介の場合、これまでの経験や状況と違って、今回だけはわりと衝動的に動いてしまった部分もあった。
だって、告白するより先に、思わずキスしてしまうなんて、祐介の人生の中で、絶対にあり得ないことだ。
「何か、言わずにはいれなかったんだよ。言わなきゃ後悔するって」
「それで思わす告っちゃったんだ」
「まぁ…うん。あのタイミングが正解かどうか分かんないけど、まぁ結果としては良かったっていうか…」
「タイミングねぇ」
頬杖をついて、冷めたココアのカップを眺めながら、睦月はポツリと呟いた。
「……睦月、今誰か好きな人がいるの?」
「、何、急に」
いきなりそんなことを言われ、言葉に詰まる。
視線を上げれば、相変わらずの心配そうな顔をした祐介がそこにはいた。
「何だよ。話せよ」
「…いい。ゆっちに相談する気、ないし」
「それは、俺がお前に相談しなかったから?」
「違うよ」
別に、今回相談されなかったことを、どうこう思う気持ちはない。
昔から祐介は、1人で何でも解決する子だったから、睦月は今まで、祐介からじっくりと何かを相談された記憶がないし、それが普通のように思っていて、頼られないことを不満に感じたこともなかった。
その代わり、祐介が睦月に対して過保護だということもあって、睦月は今まで嫌というほど祐介を頼って生きてきた。
それはそれで、別にいいも悪いも思ったことがなかったけれど、前に翔真に言われたとおり、これからはきっと、祐介は和衣のほうを優先するだろうし、自分だって一生、祐介を頼りに生きていくわけにはいかないということも分かっている。
それと、今回のことを祐介に相談しないというのは別問題かもしれないけれど、出来れば祐介なしで、自分だけで何とかしたいという気持ちが強い。
「でも…何かあったら、話くらいしろよ」
「…ん、分かってる」
それでも過保護な幼馴染みに、睦月は少しだけ笑った。
告白から一夜明け、祐介は睦月と2人、カフェテリアの片隅で、顔を突き合わせていた。
ちなみに和衣は亮が教授のところに行くのに付き合っているし、翔真は彼女のところで、今はいない。
「…和衣から聞いたの?」
「昨日、寝てるところ、叩き起こされた」
まだ亮がバイトから帰って来ていなかったこともあって、部屋の鍵を掛けずに寝ていた睦月は、興奮気味に部屋に駆け込んで来て、ベッドの上に飛び乗った和衣に揺さ振り起こされた。
そして和衣は、寝惚け半分の睦月に、その日1日の出来事を捲し立てたのだった。
「おめでと」
「あ、うん、ありがと。てか、睦月、和衣から相談とかされてたんだって?」
「うん。ゆっちは何も相談してくんなかったね」
「いや、うん……ゴメン」
「何で謝んの?」
「いや、何となく?」
何となく気まずそうな、それでいてちょっと照れたような祐介の顔は、今までずっと見てきた幼馴染みの顔ではあったけれど、どこか今までとは違うような気がして、睦月は少しだけ寂しくなった。
「別にいいけど。カズちゃん、すげぇ嬉しそうだった。クリスマスまでにがんばる! てずっと言ってたし」
「そうなんだ」
「…ゆっち、いつからカズちゃんのこと、好きだったの?」
「え、いや…いつって言われても…。結構前、かな。気になるようになったのは、夏ころかも」
「ふぅん」
そういえば、和衣の、祐介に対する態度がわりとあからさまになってきたのも、そのころからだ。
特に睦月が絡んだときなんかの。
ということは、和衣の懸命なアピールは、決して無駄ではなかったというわけだ。
「でも、カズちゃんはすげぇ分かりやすかったけど、お前は全然分かんなかったよ」
「そうかな」
そういえば、同じことを昨日、和衣にも言われた。
確かに気付かれたらまずいと思って隠してはいたけれど、そんなに誰にもバレないほど、隠し事が上手だなんて思ったこともなかったのに。
「だって、やっぱその気もない人には、告れないじゃん。気持ちがバレて引かれるのもヤダし…」
「じゃあ何で言おうと思ったの? カズちゃんが自分のこと好きかもって思った?」
「え、いや、何ていうか…」
和衣の態度も何となく気にはなっていたけれど、祐介の場合、これまでの経験や状況と違って、今回だけはわりと衝動的に動いてしまった部分もあった。
だって、告白するより先に、思わずキスしてしまうなんて、祐介の人生の中で、絶対にあり得ないことだ。
「何か、言わずにはいれなかったんだよ。言わなきゃ後悔するって」
「それで思わす告っちゃったんだ」
「まぁ…うん。あのタイミングが正解かどうか分かんないけど、まぁ結果としては良かったっていうか…」
「タイミングねぇ」
頬杖をついて、冷めたココアのカップを眺めながら、睦月はポツリと呟いた。
「……睦月、今誰か好きな人がいるの?」
「、何、急に」
いきなりそんなことを言われ、言葉に詰まる。
視線を上げれば、相変わらずの心配そうな顔をした祐介がそこにはいた。
「何だよ。話せよ」
「…いい。ゆっちに相談する気、ないし」
「それは、俺がお前に相談しなかったから?」
「違うよ」
別に、今回相談されなかったことを、どうこう思う気持ちはない。
昔から祐介は、1人で何でも解決する子だったから、睦月は今まで、祐介からじっくりと何かを相談された記憶がないし、それが普通のように思っていて、頼られないことを不満に感じたこともなかった。
その代わり、祐介が睦月に対して過保護だということもあって、睦月は今まで嫌というほど祐介を頼って生きてきた。
それはそれで、別にいいも悪いも思ったことがなかったけれど、前に翔真に言われたとおり、これからはきっと、祐介は和衣のほうを優先するだろうし、自分だって一生、祐介を頼りに生きていくわけにはいかないということも分かっている。
それと、今回のことを祐介に相談しないというのは別問題かもしれないけれど、出来れば祐介なしで、自分だけで何とかしたいという気持ちが強い。
「でも…何かあったら、話くらいしろよ」
「…ん、分かってる」
それでも過保護な幼馴染みに、睦月は少しだけ笑った。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ (///∇//)うふ☆
照れてるゆっち・・・カーワーイーイーー♪キャッ(/∀\*))★
ゆっちとカズちゃんのラブラブなお話読みたいっす~!
甘やかして可愛がってるとこ、見てみた~い!!
きっとむっちゃんに対するのとはまた違うんでしょうねぇ(*´∀`*)
あぁ~~ん、いいな~~うふふ。←w
むっちゃんと亮ちゃんもどうなるのかな?
今まで見てきた幼馴染とは違う顔をしたゆっち。
むっちゃんとしたら、ちょいと複雑ですよね~家族と離れる寂しさ・・・みたいな?上手く言えないですけど・・・嬉しいけど寂しい、みたいな?子離れ親離れの心境かな~w
それがむっちゃんにどんな影響を与えるのか、楽しみだ!
亮ちゃんファイトー!!
ゆっちとカズちゃんのラブラブなお話読みたいっす~!
甘やかして可愛がってるとこ、見てみた~い!!
きっとむっちゃんに対するのとはまた違うんでしょうねぇ(*´∀`*)
あぁ~~ん、いいな~~うふふ。←w
むっちゃんと亮ちゃんもどうなるのかな?
今まで見てきた幼馴染とは違う顔をしたゆっち。
むっちゃんとしたら、ちょいと複雑ですよね~家族と離れる寂しさ・・・みたいな?上手く言えないですけど・・・嬉しいけど寂しい、みたいな?子離れ親離れの心境かな~w
それがむっちゃんにどんな影響を与えるのか、楽しみだ!
亮ちゃんファイトー!!
りり ⇒ きゃっ
ゆっち…何か凄い萌える~~~!!
割と常識人、いい人だけど突飛なことはしなさそうなゆっちさんが
衝動的にキス&告白!!
恋だなぁ~と思っちゃいました。
ふたりのラブラブデート読みたいなあ~。
カズちゃん可愛いだろうな。テレテレしながら嬉しそうなゆっち…。
あぁ、妄想しちゃいます。
そしてむっちゃん。
この子は自分で解決しようと思ってる。
そうそう、恋ってホントは排他的な物だから。
どうなるのかな~。
割と常識人、いい人だけど突飛なことはしなさそうなゆっちさんが
衝動的にキス&告白!!
恋だなぁ~と思っちゃいました。
ふたりのラブラブデート読みたいなあ~。
カズちゃん可愛いだろうな。テレテレしながら嬉しそうなゆっち…。
あぁ、妄想しちゃいます。
そしてむっちゃん。
この子は自分で解決しようと思ってる。
そうそう、恋ってホントは排他的な物だから。
どうなるのかな~。
大野こうこ ⇒
ちょっとだけ、ほっ。
むっちゃんの寂しさがわかるなあ。
複雑複雑。
いつでも手の届くところにいる人なのに、手を伸ばしちゃいけないってかんじかなあ。
次はむっちゃん!
むっちゃん、抱えている問題もあるし・・亮ちゃん、前途多難だよね。
あ、ワタクシもゆっちのらぶらぶぶりが見たいっす^^
むっちゃんの寂しさがわかるなあ。
複雑複雑。
いつでも手の届くところにいる人なのに、手を伸ばしちゃいけないってかんじかなあ。
次はむっちゃん!
むっちゃん、抱えている問題もあるし・・亮ちゃん、前途多難だよね。
あ、ワタクシもゆっちのらぶらぶぶりが見たいっす^^
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Tさま
初めまして。
いつもおいでいただいていたようで、ありがとうございます(*^_^*)
12月にして、ようやくカズちゃんの思いが通じ合いました。
長い道のりをお付き合いくださって……でもまだむっちゃんが残ってますからね。
もうしばし、お付き合いくださいませ(^-^)
拍手&コメントありがとうございました!
いつもおいでいただいていたようで、ありがとうございます(*^_^*)
12月にして、ようやくカズちゃんの思いが通じ合いました。
長い道のりをお付き合いくださって……でもまだむっちゃんが残ってますからね。
もうしばし、お付き合いくださいませ(^-^)
拍手&コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 照れてるゆっち・・・カーワーイーイーー♪キャッ(/∀\*))★
今まで、むっちゃんのこと以外で、こんなに感情の表れてるゆっちさん、いないですからねぇ。
これからはどんどん、ゆっちさんのこと、書いていかないと!
> ゆっちとカズちゃんのラブラブなお話読みたいっす~!
あわわ、がんばります!
そしてむっちゃんは、親離れの時期を迎えております!
すんなり亮タンに甘えてくれればいいんですけど…(苦笑)
コメントありがとうございました!
今まで、むっちゃんのこと以外で、こんなに感情の表れてるゆっちさん、いないですからねぇ。
これからはどんどん、ゆっちさんのこと、書いていかないと!
> ゆっちとカズちゃんのラブラブなお話読みたいっす~!
あわわ、がんばります!
そしてむっちゃんは、親離れの時期を迎えております!
すんなり亮タンに甘えてくれればいいんですけど…(苦笑)
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
ゆっち萌え、ありがとうございます!!
今まで個性の強いキャラの狭間でがんばってきた甲斐があったな、と。
あとは、カズちゃんとのラブラブシーンが書ければ…。
親離れしようとしてるむっちゃんにも、応援お願いしまーす!
コメントありがとうございました!
今まで個性の強いキャラの狭間でがんばってきた甲斐があったな、と。
あとは、カズちゃんとのラブラブシーンが書ければ…。
親離れしようとしてるむっちゃんにも、応援お願いしまーす!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >大野さん
> いつでも手の届くところにいる人なのに、手を伸ばしちゃいけないってかんじかなあ。
確かに!
むっちゃんも、ようやく寂しさを実感し始めているといった感じでしょうか。
次はむっちゃんの番ですからね。
> あ、ワタクシもゆっちのらぶらぶぶりが見たいっす^^
あわわ、がんばります!
コメントありがとうございました!
確かに!
むっちゃんも、ようやく寂しさを実感し始めているといった感じでしょうか。
次はむっちゃんの番ですからね。
> あ、ワタクシもゆっちのらぶらぶぶりが見たいっす^^
あわわ、がんばります!
コメントありがとうございました!