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十一月 蹲る身体を貫き去る風 (2)
2009.01.15 Thu
焦って部屋を出て、そこで亮はふと気が付いた。
財布も持っていない。上着もない。かろうじてポケットに携帯電話。
11月の寒空の下、このまま外出するのは、どうしたって厳しい。となれば、行く先は、寮の同じ階にある翔真の部屋くらいだろう。
「ショウ~、いる~?」
ノックして、ドアの外から声を掛ければ、すごく面倒くさそうな声がした後、中から翔真が出てきた。
長袖のTシャツにスウェットのパンツ姿。寝癖はひどいし、眠そうな顔をしているし、「…何」と問い掛ける声も低くて、どう見ても寝起きだ。
「起き立て?」
「…立て」
「入っていい?」
「…ん」
まだ寝ぼけた様子の翔真の後について部屋に入れば、ドアが閉まった途端に翔真は再びベッドにダイブした。
「え、ちょっ、寝んの!? 何で!?」
「…るさい、亮」
「もう11時になんのに! 起きろよ、ショウ! 起きて俺の話を聞け!」
わーわー言いながら、フトンを被って丸くなっている翔真の体を揺らせば、隙間から覗いた目がギロリと亮を睨み付ける。
一瞬怯んだ亮だったが、今ばかりはそれどころではないと、「起きて、起きて!」と繰り返す。
いいかげんしつこい亮に、とうとう観念したのか、翔真は苛立たしげに頭を掻きながら起き上った。
「…んだよ、くだらねぇ話だったら、ぶっ飛ばす」
「くだらなくない、くだらなくない! 一大事だから、ショウ聞いて!」
「何」
「言っちゃった」
「は?」
「睦月に言っちゃった、好きって」
「……………………………………」
「え、聞いてる?」
あまりに長い翔真の沈黙に、再び彼が眠りに就いてしまったのかと顔を覗き込めば、その目はちゃんと開いていて。
何で反応がないの? と亮が思った、次の瞬間。
「うぇ~~~~~!!!???」
ようやく亮の発した言葉の意味が脳に行き渡ったのか、翔真はフトンを投げ飛ばし、その勢いに、ベッドの脇に座っていた亮は床に引っ繰り返ってしまった。
「ままままマジで!?」
「マジで!」
「…で、反応は?」
その言葉に、起き上った亮は顔を曇らせる。
「どうだったんだよ、むっちゃんの反応」
「…戸惑い?」
「…………。だよねー」
「つーか、冗談てことにしちゃった!」
「え、」
亮が、今朝の睦月とのやり取りすべてを話せば、翔真は口をポカンと開けたまま固まった。
「おま…それでむっちゃん置いて、部屋出てきたの…?」
「うん」
「ひでぇ!」
「だからショウんトコ来たんじゃん! どうしよう!」
「知るか、アホ!!」
亮のことを、子どものころからバカだバカだと思ってきたが、恋愛に関してはわりとうまく器用に立ち回る男だったので、今回もそんなに心配はしていなかったのだけれど、まさかこんなことを仕出かすとは……正真正銘のアホだ、と翔真は確信した。
「しょうがねぇじゃん、言っちゃったもんは!」
「冗談だ、て言ったにしたって……その後、そのまま部屋出てきたんだろ? それでその言葉、ホントに信じると思うか? いくらむっちゃんだって、そこまでアホじゃねぇだろ」
「今から言い訳しに行ったって、遅いよな!?」
「余計怪しいわ!」
「あぁ~、どうしよう、ショウ~!!」
「ウゼェー!!!」
財布も持っていない。上着もない。かろうじてポケットに携帯電話。
11月の寒空の下、このまま外出するのは、どうしたって厳しい。となれば、行く先は、寮の同じ階にある翔真の部屋くらいだろう。
「ショウ~、いる~?」
ノックして、ドアの外から声を掛ければ、すごく面倒くさそうな声がした後、中から翔真が出てきた。
長袖のTシャツにスウェットのパンツ姿。寝癖はひどいし、眠そうな顔をしているし、「…何」と問い掛ける声も低くて、どう見ても寝起きだ。
「起き立て?」
「…立て」
「入っていい?」
「…ん」
まだ寝ぼけた様子の翔真の後について部屋に入れば、ドアが閉まった途端に翔真は再びベッドにダイブした。
「え、ちょっ、寝んの!? 何で!?」
「…るさい、亮」
「もう11時になんのに! 起きろよ、ショウ! 起きて俺の話を聞け!」
わーわー言いながら、フトンを被って丸くなっている翔真の体を揺らせば、隙間から覗いた目がギロリと亮を睨み付ける。
一瞬怯んだ亮だったが、今ばかりはそれどころではないと、「起きて、起きて!」と繰り返す。
いいかげんしつこい亮に、とうとう観念したのか、翔真は苛立たしげに頭を掻きながら起き上った。
「…んだよ、くだらねぇ話だったら、ぶっ飛ばす」
「くだらなくない、くだらなくない! 一大事だから、ショウ聞いて!」
「何」
「言っちゃった」
「は?」
「睦月に言っちゃった、好きって」
「……………………………………」
「え、聞いてる?」
あまりに長い翔真の沈黙に、再び彼が眠りに就いてしまったのかと顔を覗き込めば、その目はちゃんと開いていて。
何で反応がないの? と亮が思った、次の瞬間。
「うぇ~~~~~!!!???」
ようやく亮の発した言葉の意味が脳に行き渡ったのか、翔真はフトンを投げ飛ばし、その勢いに、ベッドの脇に座っていた亮は床に引っ繰り返ってしまった。
「ままままマジで!?」
「マジで!」
「…で、反応は?」
その言葉に、起き上った亮は顔を曇らせる。
「どうだったんだよ、むっちゃんの反応」
「…戸惑い?」
「…………。だよねー」
「つーか、冗談てことにしちゃった!」
「え、」
亮が、今朝の睦月とのやり取りすべてを話せば、翔真は口をポカンと開けたまま固まった。
「おま…それでむっちゃん置いて、部屋出てきたの…?」
「うん」
「ひでぇ!」
「だからショウんトコ来たんじゃん! どうしよう!」
「知るか、アホ!!」
亮のことを、子どものころからバカだバカだと思ってきたが、恋愛に関してはわりとうまく器用に立ち回る男だったので、今回もそんなに心配はしていなかったのだけれど、まさかこんなことを仕出かすとは……正真正銘のアホだ、と翔真は確信した。
「しょうがねぇじゃん、言っちゃったもんは!」
「冗談だ、て言ったにしたって……その後、そのまま部屋出てきたんだろ? それでその言葉、ホントに信じると思うか? いくらむっちゃんだって、そこまでアホじゃねぇだろ」
「今から言い訳しに行ったって、遅いよな!?」
「余計怪しいわ!」
「あぁ~、どうしよう、ショウ~!!」
「ウゼェー!!!」
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 最高だww
この子達本当最高っすね(*^_^*)
翔ちゃんも、幼馴染が2人も、揃いも揃ってこんなに恋愛下手になるとはおもってもみなかったろうなぁ~(苦笑
カズちゃんも亮ちゃんも、男の子に恋するのは初めてだし。
本気になっちゃえばなっちゃうほどから回っちゃって^^;
あぁ~~むっちゃんは、本当に冗談として受け取っちゃったのかな?
続きが気になります!
そして、やっぱり翔ちゃん格好イイ(むふふ♪
翔ちゃんも、幼馴染が2人も、揃いも揃ってこんなに恋愛下手になるとはおもってもみなかったろうなぁ~(苦笑
カズちゃんも亮ちゃんも、男の子に恋するのは初めてだし。
本気になっちゃえばなっちゃうほどから回っちゃって^^;
あぁ~~むっちゃんは、本当に冗談として受け取っちゃったのかな?
続きが気になります!
そして、やっぱり翔ちゃん格好イイ(むふふ♪
りり ⇒ 翔ちゃんラブ♪
ぁあ。翔ちゃんの「ウゼェー!!!」に噴いてしまった。
たまらん。
ホント、仲良しがみんなこんなことになって(笑
この二人の掛け合いが一番好きかも知れないです。
悟ってる男の子とへたれてる男の子(笑
続きくださいいい!!
たまらん。
ホント、仲良しがみんなこんなことになって(笑
この二人の掛け合いが一番好きかも知れないです。
悟ってる男の子とへたれてる男の子(笑
続きくださいいい!!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
ホントに何でも話せる親友なんですよね、この子たち。
幼馴染み2人がそろって男の子を好きになり、しかも恋愛下手……翔ちゃんも結構大変ですよね。
> そして、やっぱり翔ちゃん格好イイ(むふふ♪
そんなつもりもなかったのに、亮タンが思いのほかヘタレになってしまい、翔ちゃん、余計にカッコよさが際立ってるって感じですよね。
柚子季さんにだいぶ気に入ってもらえてるんで、嬉しいです♪
コメントありがとうございました!
幼馴染み2人がそろって男の子を好きになり、しかも恋愛下手……翔ちゃんも結構大変ですよね。
> そして、やっぱり翔ちゃん格好イイ(むふふ♪
そんなつもりもなかったのに、亮タンが思いのほかヘタレになってしまい、翔ちゃん、余計にカッコよさが際立ってるって感じですよね。
柚子季さんにだいぶ気に入ってもらえてるんで、嬉しいです♪
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> ぁあ。翔ちゃんの「ウゼェー!!!」に噴いてしまった。
ホントに何でも話せる間柄なんですが、その分、返ってくる返事もなかなかです(苦笑)
でも幼馴染み2人がいきなり男の子を好きになってしまったのに、動じてない翔ちゃん、さすがですが。
> 悟ってる男の子とへたれてる男の子(笑
亮タンのヘタレ率、だいぶパーセンテージを上げてますね。
その分、翔ちゃんのかっこよさが際立ってます(笑)
ようやく秋です。
まだまだ続きますが、よろしくです~。
コメントありがとうございました!
ホントに何でも話せる間柄なんですが、その分、返ってくる返事もなかなかです(苦笑)
でも幼馴染み2人がいきなり男の子を好きになってしまったのに、動じてない翔ちゃん、さすがですが。
> 悟ってる男の子とへたれてる男の子(笑
亮タンのヘタレ率、だいぶパーセンテージを上げてますね。
その分、翔ちゃんのかっこよさが際立ってます(笑)
ようやく秋です。
まだまだ続きますが、よろしくです~。
コメントありがとうございました!