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十月 猶予はあとどれくらい (7)
2009.01.13 Tue
「カズちゃん、うまくいくかな?」
和衣と祐介の食事の邪魔をしてはいけないと、睦月たちが自分の部屋に戻ってくれば、暇だからと、翔真もそれについて来た。
「でもさぁ、これでカズと祐介がうまくいけば、むっちゃん、これからは寂しくなるね?」
「え、何で?」
翔真の言葉に、睦月は首を傾げた。
「だってさ、今までは祐介がいろいろむっちゃんのこと見ててくれたけど、今度はそんなことしてくれなくなるよー? 構われなくなったら、寂しくなるんじゃない?」
「……。べっべっつに! 寂しくなんかないし!」
けれど実際のところ、小さなころからずっと祐介に世話を焼かれっ放しの睦月は、本当に祐介が自分以外の人を構い出したらどうなるのか、想像も付かなかった。
互いに彼女のいた時期もあったけれど、自分は彼女とは別物の位置だと考えていたから、そんなに気にならなかった。
けれど今度は和衣だ。今までの女の子とは違う。
目の前で、自分以外の男を優しくする祐介に、どんな気持ちになるのだろう。
「……ショウちゃん」
「ん?」
「俺も合コン行ってみたい」
「はいっ!?」
いきなり突拍子もないことを言い出す睦月に、翔真だけでなく、亮まで大きな声を上げた。
おそらく睦月の中では、いろいろなことを考えた結果に導き出された言葉なのだろが、聞いているほうとしては、あまりに突然すぎて、わけが分からない。
「だってさ、カズちゃんはゆっちとラブラブでしょ? ショウちゃんは合コン行って、彼女出来てラブラブでしょ? 亮は好きな子とラブラブになるんでしょ? そしたら俺だけ1人ぼっちだ…」
少しの間にいろいろなことを考えたようで、想像だけで、どうやら寂しくなってしまったらしい。
「でもさ、むっちゃん、合コン行くなんて言ったら、きっと祐介が許さないよ?」
「だってゆっちには、カズちゃんがいるじゃん」
「いや、そうだけどさ…」
困ったように亮と翔真は顔を見合わせた。
「ね、いいでしょ?」
「え、あ、うん…まぁ…もしそういう機会があったら、ね…」
顔を引き攣らせながらそう答えた翔真に、睦月は無邪気に「絶対ね!」と言ってトイレに立った。
「あのさー…」
睦月のいなくなった部屋、疲れたように口を開いたのは翔真だ。
念のため、廊下に出て、睦月がいないことを確認してから、おもむろに口を開いた。
「むっちゃんて、もしかしなくても、お前の気持ちに気付いてないよな?」
「はぇ!? おおおおお俺の気持ちってっ!?」
あからさますぎるくらいに驚く亮に、翔真はさらに呆れ顔になる。
「だってお前、むっちゃんのこと好きだろ?」
「バッ、ちょっ、ショウ! 何言っちゃってんのっ!?」
それだけ動揺すれば、肯定の返事をしたのと同じだよ、と翔真は内心思う。
けれど亮は、「違ぇし!」とか言いながら、顔を赤くしている。
「言っとくけど、翔真くんの目はごまかせないよ? 素直に白状しなさい。こないだ言ってた気になる子って、ずばりむっちゃんのことでしょう」
「……いや、だから…」
気になると言えば、気にはなる。
けれどそれが、恋心かどうか判断が出来ないでいるから、困っているのだ。
「いや、もうそう思ってる時点で、恋だって。素直に気持ちを認めろよ」
「認めてどうすんだよ…」
何せ相手は、超が付くほどの鈍感な睦月だ。
翔真にはバレバレの気持ちも、まるで気付く気配なく、気になる子はいないとキッパリ断言しているのだから。
「つーか、俺の気持ちって、そんなにバレバレ…?」
「さぁ。カズは今、自分のことでいっぱいいっぱいだからねぇ、分かんないけど。てか、肝心のむっちゃんが、あれだからねぇ…」
苦労するよ? と、今さら言われなくても、十分すぎるほど分かっていることを言われ、亮はガックリと肩を落とした。
和衣と祐介の食事の邪魔をしてはいけないと、睦月たちが自分の部屋に戻ってくれば、暇だからと、翔真もそれについて来た。
「でもさぁ、これでカズと祐介がうまくいけば、むっちゃん、これからは寂しくなるね?」
「え、何で?」
翔真の言葉に、睦月は首を傾げた。
「だってさ、今までは祐介がいろいろむっちゃんのこと見ててくれたけど、今度はそんなことしてくれなくなるよー? 構われなくなったら、寂しくなるんじゃない?」
「……。べっべっつに! 寂しくなんかないし!」
けれど実際のところ、小さなころからずっと祐介に世話を焼かれっ放しの睦月は、本当に祐介が自分以外の人を構い出したらどうなるのか、想像も付かなかった。
互いに彼女のいた時期もあったけれど、自分は彼女とは別物の位置だと考えていたから、そんなに気にならなかった。
けれど今度は和衣だ。今までの女の子とは違う。
目の前で、自分以外の男を優しくする祐介に、どんな気持ちになるのだろう。
「……ショウちゃん」
「ん?」
「俺も合コン行ってみたい」
「はいっ!?」
いきなり突拍子もないことを言い出す睦月に、翔真だけでなく、亮まで大きな声を上げた。
おそらく睦月の中では、いろいろなことを考えた結果に導き出された言葉なのだろが、聞いているほうとしては、あまりに突然すぎて、わけが分からない。
「だってさ、カズちゃんはゆっちとラブラブでしょ? ショウちゃんは合コン行って、彼女出来てラブラブでしょ? 亮は好きな子とラブラブになるんでしょ? そしたら俺だけ1人ぼっちだ…」
少しの間にいろいろなことを考えたようで、想像だけで、どうやら寂しくなってしまったらしい。
「でもさ、むっちゃん、合コン行くなんて言ったら、きっと祐介が許さないよ?」
「だってゆっちには、カズちゃんがいるじゃん」
「いや、そうだけどさ…」
困ったように亮と翔真は顔を見合わせた。
「ね、いいでしょ?」
「え、あ、うん…まぁ…もしそういう機会があったら、ね…」
顔を引き攣らせながらそう答えた翔真に、睦月は無邪気に「絶対ね!」と言ってトイレに立った。
「あのさー…」
睦月のいなくなった部屋、疲れたように口を開いたのは翔真だ。
念のため、廊下に出て、睦月がいないことを確認してから、おもむろに口を開いた。
「むっちゃんて、もしかしなくても、お前の気持ちに気付いてないよな?」
「はぇ!? おおおおお俺の気持ちってっ!?」
あからさますぎるくらいに驚く亮に、翔真はさらに呆れ顔になる。
「だってお前、むっちゃんのこと好きだろ?」
「バッ、ちょっ、ショウ! 何言っちゃってんのっ!?」
それだけ動揺すれば、肯定の返事をしたのと同じだよ、と翔真は内心思う。
けれど亮は、「違ぇし!」とか言いながら、顔を赤くしている。
「言っとくけど、翔真くんの目はごまかせないよ? 素直に白状しなさい。こないだ言ってた気になる子って、ずばりむっちゃんのことでしょう」
「……いや、だから…」
気になると言えば、気にはなる。
けれどそれが、恋心かどうか判断が出来ないでいるから、困っているのだ。
「いや、もうそう思ってる時点で、恋だって。素直に気持ちを認めろよ」
「認めてどうすんだよ…」
何せ相手は、超が付くほどの鈍感な睦月だ。
翔真にはバレバレの気持ちも、まるで気付く気配なく、気になる子はいないとキッパリ断言しているのだから。
「つーか、俺の気持ちって、そんなにバレバレ…?」
「さぁ。カズは今、自分のことでいっぱいいっぱいだからねぇ、分かんないけど。てか、肝心のむっちゃんが、あれだからねぇ…」
苦労するよ? と、今さら言われなくても、十分すぎるほど分かっていることを言われ、亮はガックリと肩を落とした。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ ナイス翔ちゃん!!
いやぁ~ん、翔ちゃんいい男!!
一億総ホ●化計画楽しみにしてます(爆)
にしても・・・・・このまま行ったら絶対的な確率で、むっちゃんは亮たんの気持ちには気付いてくれませんね~。
どうなるのかな?楽しみ♪
そして、カズちゃんとゆっちの関係も・・・うまくいけばいいなぁ~(願
一億総ホ●化計画楽しみにしてます(爆)
にしても・・・・・このまま行ったら絶対的な確率で、むっちゃんは亮たんの気持ちには気付いてくれませんね~。
どうなるのかな?楽しみ♪
そして、カズちゃんとゆっちの関係も・・・うまくいけばいいなぁ~(願
りり ⇒ やっぱり!!
いや~、翔ちゃんは気付いていると思ってたよ!!
でも鈍い子ばっかり(笑
相手がむっちゃんだからなあ。
亮くんのへたれっぷりが可愛くって可愛くって。
うふふ…。
ますます楽しくなってきましたね。
いいなあ、可愛くって。
可愛いの書いてみたい(悲願
でも鈍い子ばっかり(笑
相手がむっちゃんだからなあ。
亮くんのへたれっぷりが可愛くって可愛くって。
うふふ…。
ますます楽しくなってきましたね。
いいなあ、可愛くって。
可愛いの書いてみたい(悲願
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
何だかすごく翔ちゃんが鋭い子に思えてきますが……他のみんなが鈍いだけかも…(笑)
その中でも鈍感の代表、むっちゃん。
絶対に気付いてないと思われ(爆)
何だか亮タン、すごいかわいそうな子になってますが…。
たぶん、カズちゃんの次に応援が必要な子かもしれません~!!
コメントありがとうございました!
その中でも鈍感の代表、むっちゃん。
絶対に気付いてないと思われ(爆)
何だか亮タン、すごいかわいそうな子になってますが…。
たぶん、カズちゃんの次に応援が必要な子かもしれません~!!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
鈍感さんばかりの中で、唯一の鋭い子、翔ちゃん。
相手がむっちゃんなばっかりに、何だかかわいそうな亮タンですが、ますますヘタレになってますよね…。
変だな、もっと男前のはずが…。
> 可愛いの書いてみたい(悲願
りりさんとこの、拓人くん、めっちゃかわいいですよ~。
LOVE!!
コメントありがとうございました!
相手がむっちゃんなばっかりに、何だかかわいそうな亮タンですが、ますますヘタレになってますよね…。
変だな、もっと男前のはずが…。
> 可愛いの書いてみたい(悲願
りりさんとこの、拓人くん、めっちゃかわいいですよ~。
LOVE!!
コメントありがとうございました!