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六月 隣の君は肩を濡らして (6)
2008.12.16 Tue
睦月がバイトを始めて10日。
和衣と一緒だということも幸いしてか、睦月は順調に覚えて、仕事をこなせるようになってきた。
(でも、笑顔はしんどい…)
接客業としてあるまじき発言ではあるけれど、睦月にとっては1人でレジをするよりも、重たいクリーナーを掛けることよりも、何より作り笑顔をするのが1番の苦労なのだ。
けれど店長に、本気か冗談か知らないが、和衣と睦月が入ってからお客が増えたなどと言われれば、悪い気はしない。
「むっちゃん、そろそろ上がっていいってー」
在庫チェックを終えた和衣が、睦月を呼びに来る。
それとほぼ同時に自動ドアの開く音がして、2人は反射的にそちらを向いて、「いらっしゃいませー」を笑顔とともに言おうとしたが、いや、和衣は飛び切りのスマイルでそう言ったのだが、睦月は渋い顔で、「げ…」と小さく呟いた。
「どうしたの、ゆっち。ストーカー?」
「違ぇよ! 俺もバイト終わったから、寄ったの! お客さんなの! お客さんに向かって、『げ!』はないでしょ?」
「ホントに? 何か、ちゃんとやってるかのチェックしに来たとかじゃないの?」
「違うって!」
「じゃ、ちゃんと何か買ってってね。俺がレジしてあげるから」
「はいはい」
いつもの調子の睦月に、祐介は呆れつつも、ドリンクのコーナーへと向かっていった。
「…じゃ、むっちゃん、俺、先に着替えてるから」
「え? うん、待っててね? 一緒に帰ろうね?」
「………………。……うん」
和衣はそっけなく返事を返すと、スタッフルームへと行ってしまった。
「あれ、和衣は?」
和衣と入れ違いでレジのところにやって来た祐介は、キョロキョロと通路の辺りを捜している。
「先に着替えてるって。ねぇ、俺のこと置いて帰んないでよ?」
「別に置いてかないから、ちゃんとレジに集中しなさい」
「むぅ…135円になりまーす」
いつもお客さんに見せるような最高の笑顔でそう言えば、祐介は少々顔を引き攣らせている。
「お客さん、135円なんですけどー」
「あ、あぁ…はい。いや、すげぇ笑顔で、ちょっとビビった…」
「何それ」
ゆっち変なのー、とか言いながらケタケタ笑う睦月のその笑顔は、いつものそれで、祐介はようやく少し安心した。
「じゃ、支度してくるから、待っててね」
「はいはい」
睦月がスタッフルームに行けば、着替えを終えた和衣がポツンとそこにはいた。
「ゴメンね、カズちゃん。今、大至急で着替えるから、待ってて」
「あ、うん。ねぇ祐介は?」
「ん? 向こう。…………どうした?」
「…え、何が」
「最近カズちゃん、ゆっちの話題が出ると、何か元気ない」
「そんなことないし!」
和衣はちょっとムキになって言い返すが、睦月にしたら、そんなに大げさに返されるとは思っていなかったらしく、少し驚いた顔でボタンを掛ける手を止めた。
「…何でもない」
和衣と一緒だということも幸いしてか、睦月は順調に覚えて、仕事をこなせるようになってきた。
(でも、笑顔はしんどい…)
接客業としてあるまじき発言ではあるけれど、睦月にとっては1人でレジをするよりも、重たいクリーナーを掛けることよりも、何より作り笑顔をするのが1番の苦労なのだ。
けれど店長に、本気か冗談か知らないが、和衣と睦月が入ってからお客が増えたなどと言われれば、悪い気はしない。
「むっちゃん、そろそろ上がっていいってー」
在庫チェックを終えた和衣が、睦月を呼びに来る。
それとほぼ同時に自動ドアの開く音がして、2人は反射的にそちらを向いて、「いらっしゃいませー」を笑顔とともに言おうとしたが、いや、和衣は飛び切りのスマイルでそう言ったのだが、睦月は渋い顔で、「げ…」と小さく呟いた。
「どうしたの、ゆっち。ストーカー?」
「違ぇよ! 俺もバイト終わったから、寄ったの! お客さんなの! お客さんに向かって、『げ!』はないでしょ?」
「ホントに? 何か、ちゃんとやってるかのチェックしに来たとかじゃないの?」
「違うって!」
「じゃ、ちゃんと何か買ってってね。俺がレジしてあげるから」
「はいはい」
いつもの調子の睦月に、祐介は呆れつつも、ドリンクのコーナーへと向かっていった。
「…じゃ、むっちゃん、俺、先に着替えてるから」
「え? うん、待っててね? 一緒に帰ろうね?」
「………………。……うん」
和衣はそっけなく返事を返すと、スタッフルームへと行ってしまった。
「あれ、和衣は?」
和衣と入れ違いでレジのところにやって来た祐介は、キョロキョロと通路の辺りを捜している。
「先に着替えてるって。ねぇ、俺のこと置いて帰んないでよ?」
「別に置いてかないから、ちゃんとレジに集中しなさい」
「むぅ…135円になりまーす」
いつもお客さんに見せるような最高の笑顔でそう言えば、祐介は少々顔を引き攣らせている。
「お客さん、135円なんですけどー」
「あ、あぁ…はい。いや、すげぇ笑顔で、ちょっとビビった…」
「何それ」
ゆっち変なのー、とか言いながらケタケタ笑う睦月のその笑顔は、いつものそれで、祐介はようやく少し安心した。
「じゃ、支度してくるから、待っててね」
「はいはい」
睦月がスタッフルームに行けば、着替えを終えた和衣がポツンとそこにはいた。
「ゴメンね、カズちゃん。今、大至急で着替えるから、待ってて」
「あ、うん。ねぇ祐介は?」
「ん? 向こう。…………どうした?」
「…え、何が」
「最近カズちゃん、ゆっちの話題が出ると、何か元気ない」
「そんなことないし!」
和衣はちょっとムキになって言い返すが、睦月にしたら、そんなに大げさに返されるとは思っていなかったらしく、少し驚いた顔でボタンを掛ける手を止めた。
「…何でもない」
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柚子季 杏 ⇒ そっち?!
カズ・・・・・そっちでしたか・・もしかして?
うっわ~ドキドキする~~!!
たーのしぃ~~♪(←酷
むっちゃん、笑顔意外はイイ感じで覚えて行ってるんですね( ´艸`)ムププ♪
笑顔も、苦手ながら頑張ってるっぽ!
今6月かぁ。んーーわくわくする♪((O(*・ω・*)O))♪ワクワク
うっわ~ドキドキする~~!!
たーのしぃ~~♪(←酷
むっちゃん、笑顔意外はイイ感じで覚えて行ってるんですね( ´艸`)ムププ♪
笑顔も、苦手ながら頑張ってるっぽ!
今6月かぁ。んーーわくわくする♪((O(*・ω・*)O))♪ワクワク
イチゴ ⇒ ちょ
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
むふふふ、カズちゃん、まさかまさかです!
前も言いましたが、良くも悪くも素直すぎる子なんでね、カズちゃんは。
これから、どうなるやらです。
で、お姫のほうですが。
相変わらず、「楽しくないのに何で笑わなきゃなんないの?」みたいな(笑)
お話のほうは、まだまだ6月。
先は長いですが、どうかお付き合いください。
コメントありがとうございました!
前も言いましたが、良くも悪くも素直すぎる子なんでね、カズちゃんは。
これから、どうなるやらです。
で、お姫のほうですが。
相変わらず、「楽しくないのに何で笑わなきゃなんないの?」みたいな(笑)
お話のほうは、まだまだ6月。
先は長いですが、どうかお付き合いください。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >イチゴさん
いやはや、カズちゃん、来ちゃいました!
怒涛の6月。
でも波乱はこれから、みたいな(爆)
やっと4分の1なんで(笑……えない)
どうかお付き合いくださいー。
コメントありがとうございました!
怒涛の6月。
でも波乱はこれから、みたいな(爆)
やっと4分の1なんで(笑……えない)
どうかお付き合いくださいー。
コメントありがとうございました!