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六月 隣の君は肩を濡らして (5)
2008.12.15 Mon
「あーーーーーーー疲れたー」
「お疲れさま―……って、何で俺のベッドに寝るの!」
人生初のバイトを終えて帰って来た睦月は、部屋に入るなり、なぜか亮のベッドにダイブした。
もちろん、ベッドの上には亮がいるわけで。
「睦月、暑いから!」
扇風機をフル稼働させてもまだ暑い寮の一室で、男2人が同じベッドに転がっていれば、どう考えたって暑いに決まっている。
なのに睦月は、暑い暑いと繰り返しながら、亮のベッドでジタバタしていて。
「亮ー、疲れたー、暑いー」
「いや、だったらなおさら自分のベッド行ったほうがいいんじゃね!?」
「……だって俺のベッド遠いし」
遠いと言ったところで、それほど広い部屋なわけではない。なのに至極もっともな亮の言葉に、睦月は平気でそんなことをのたまった。
「で、バイト、どうだったのよ」
完全に自分のベッドには行く気のない睦月に、亮はとうとう諦めて、せめてもと、端に寄って体を離した。
「…疲れた」
「何、出来そう? 続けられんの?」
「出来るし!」
そう言われれば、睦月はムキになって言い返す。
口では疲れたとは言いつつも、やはり祐介の反対を押し切って始めただけに、何としてでも続けたい。
仕事の内容は、思っていたよりもずっと細かかったけれど、やっていけば徐々に覚えていくだろうし、問題の笑顔も…………きっと慣れるに違いない。
「あ、祐介に報告しとけよ? ちゃんと出来ましたー、て」
「え、何で?」
「何でじゃねぇよ。アイツ、お前がバイト行ってる間、ここでずーっとお前のこと心配してたんだぞ? で、いい加減鬱陶しくなって、部屋に追い返したけど」
「……そうなんだ。じゃあ…」
亮の口振りから、過保護で心配性な幼馴染みの顔が容易に浮かんで、睦月はもぞもぞと体を動かすと、携帯電話を取り出した。
「え、睦月…」
ベッドから降りる気配のない睦月に、亮には、まさか…という思いがよぎる。
まさか、その取り出した携帯電話で、何部屋かしか離れていない距離にいる祐介に報告する気なのだろうか。
「もしもーし、ゆっち?」
「…」
その、まさかの事態に、亮は言葉を失い、ただぼう然と睦月を見た。
「え? だから平気だったってば! ちゃんとやって帰って来たもん。え? 何?」
『だーかーらー』
ガチャ!
電話越しに睦月が何やら聞き返したのとほぼ同時。
亮たちの部屋のドアが勢いよく開いて、登場したのは、言わずもがな祐介だ。
『何かトラブルとか、』
「だからなかったってば! しつこい、ゆっち!」
『しつこいじゃないだろ、心配してんだぞ、俺は!』
同じ部屋の中、顔を突き合わせながら、携帯電話で口論になっている2人。
とりあえず亮は見守っていてみるが、なかなか決着はつきそうになくて。
「…とりあえず、電話切れば?」
そんなに大きくもない寮内で、部屋まで行かずに携帯電話で祐介に話をしようとする睦月も睦月だが、それにしっかり応えて、しかも部屋までやって来る祐介も祐介だ。
「だから、平気だったってば! ね、亮?」
「えぇ!?」
いや、俺、お前の働きっぷり見てないし! ―――――急に話を振られた亮は、そう返したいのに、言葉が続かない。
でもとりあえず、ここは睦月に同意しておかないと、何となく後が怖いような気がして、亮は何も言わずに頷いておいた。
「ほらー」
「…………。はぁー…、まぁ、亮がそう言うなら信用するけど」
「え、俺何も言ってな…」
……何も言ってないし、勝手にそんなことで信用されても困るけど、小首を傾げた睦月にかわいく「ねぇー」とか言われて、亮は結局、「うん」と答えてしまった。
「よし、明日からもバイト、がんばるぞ!」
1人張り切る睦月に、亮と祐介は、それぞれ違った意味で溜め息をついた。
「お疲れさま―……って、何で俺のベッドに寝るの!」
人生初のバイトを終えて帰って来た睦月は、部屋に入るなり、なぜか亮のベッドにダイブした。
もちろん、ベッドの上には亮がいるわけで。
「睦月、暑いから!」
扇風機をフル稼働させてもまだ暑い寮の一室で、男2人が同じベッドに転がっていれば、どう考えたって暑いに決まっている。
なのに睦月は、暑い暑いと繰り返しながら、亮のベッドでジタバタしていて。
「亮ー、疲れたー、暑いー」
「いや、だったらなおさら自分のベッド行ったほうがいいんじゃね!?」
「……だって俺のベッド遠いし」
遠いと言ったところで、それほど広い部屋なわけではない。なのに至極もっともな亮の言葉に、睦月は平気でそんなことをのたまった。
「で、バイト、どうだったのよ」
完全に自分のベッドには行く気のない睦月に、亮はとうとう諦めて、せめてもと、端に寄って体を離した。
「…疲れた」
「何、出来そう? 続けられんの?」
「出来るし!」
そう言われれば、睦月はムキになって言い返す。
口では疲れたとは言いつつも、やはり祐介の反対を押し切って始めただけに、何としてでも続けたい。
仕事の内容は、思っていたよりもずっと細かかったけれど、やっていけば徐々に覚えていくだろうし、問題の笑顔も…………きっと慣れるに違いない。
「あ、祐介に報告しとけよ? ちゃんと出来ましたー、て」
「え、何で?」
「何でじゃねぇよ。アイツ、お前がバイト行ってる間、ここでずーっとお前のこと心配してたんだぞ? で、いい加減鬱陶しくなって、部屋に追い返したけど」
「……そうなんだ。じゃあ…」
亮の口振りから、過保護で心配性な幼馴染みの顔が容易に浮かんで、睦月はもぞもぞと体を動かすと、携帯電話を取り出した。
「え、睦月…」
ベッドから降りる気配のない睦月に、亮には、まさか…という思いがよぎる。
まさか、その取り出した携帯電話で、何部屋かしか離れていない距離にいる祐介に報告する気なのだろうか。
「もしもーし、ゆっち?」
「…」
その、まさかの事態に、亮は言葉を失い、ただぼう然と睦月を見た。
「え? だから平気だったってば! ちゃんとやって帰って来たもん。え? 何?」
『だーかーらー』
ガチャ!
電話越しに睦月が何やら聞き返したのとほぼ同時。
亮たちの部屋のドアが勢いよく開いて、登場したのは、言わずもがな祐介だ。
『何かトラブルとか、』
「だからなかったってば! しつこい、ゆっち!」
『しつこいじゃないだろ、心配してんだぞ、俺は!』
同じ部屋の中、顔を突き合わせながら、携帯電話で口論になっている2人。
とりあえず亮は見守っていてみるが、なかなか決着はつきそうになくて。
「…とりあえず、電話切れば?」
そんなに大きくもない寮内で、部屋まで行かずに携帯電話で祐介に話をしようとする睦月も睦月だが、それにしっかり応えて、しかも部屋までやって来る祐介も祐介だ。
「だから、平気だったってば! ね、亮?」
「えぇ!?」
いや、俺、お前の働きっぷり見てないし! ―――――急に話を振られた亮は、そう返したいのに、言葉が続かない。
でもとりあえず、ここは睦月に同意しておかないと、何となく後が怖いような気がして、亮は何も言わずに頷いておいた。
「ほらー」
「…………。はぁー…、まぁ、亮がそう言うなら信用するけど」
「え、俺何も言ってな…」
……何も言ってないし、勝手にそんなことで信用されても困るけど、小首を傾げた睦月にかわいく「ねぇー」とか言われて、亮は結局、「うん」と答えてしまった。
「よし、明日からもバイト、がんばるぞ!」
1人張り切る睦月に、亮と祐介は、それぞれ違った意味で溜め息をついた。
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COMMENT-FORM
柚子季 杏 ⇒ 無意識って
本当罪・・・・・(´∀`;)
亮たん、がんばー!ww
にしてもむっちゃん・・・・お部屋にくらい行ってあげようよ(苦笑)
ゆっち可哀想にwww
いつもこんなんだったんでしょうね、この2人w
カズちゃんて翔くんだと思ってたんだけどなー。
う~ん、気になる!!
続きプリーズ~~~!!
亮たん、がんばー!ww
にしてもむっちゃん・・・・お部屋にくらい行ってあげようよ(苦笑)
ゆっち可哀想にwww
いつもこんなんだったんでしょうね、この2人w
カズちゃんて翔くんだと思ってたんだけどなー。
う~ん、気になる!!
続きプリーズ~~~!!
りり ⇒ どあああ
なんだなんだこの可愛さーーー!!
ゆっっち(そっち?
携帯持ったまま部屋で口論て!!
むっちゃんどんだけ姫ーーーーー。
可愛いな姫キャラ。
ホント可愛い。
亮くんホントに苦労する。翻弄される。そんでもってそれが嫌でない。
ホントに可愛さは、罪。
ゆっっち(そっち?
携帯持ったまま部屋で口論て!!
むっちゃんどんだけ姫ーーーーー。
可愛いな姫キャラ。
ホント可愛い。
亮くんホントに苦労する。翻弄される。そんでもってそれが嫌でない。
ホントに可愛さは、罪。
- |2008.12.15
- |Mon
- |09:43
- |URL
- |EDIT|
イチゴ ⇒ くすくす!
ケータイ持って部屋乗り込んでくるとか!
しかもそのまま口論開始とか!
しかも亮ちん冷静に「電話切れば?」とか!
ありそなシチュが素晴らしいです!!
面白~い♪
カズっちが参戦しそうな展開にどきわくです☆
楽しみ~♪♪
しかもそのまま口論開始とか!
しかも亮ちん冷静に「電話切れば?」とか!
ありそなシチュが素晴らしいです!!
面白~い♪
カズっちが参戦しそうな展開にどきわくです☆
楽しみ~♪♪
- |2008.12.15
- |Mon
- |21:17
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
お姫むっちゃん、ここに降臨。
自分から動く気ゼロ。
でも昔からこんななんで、ゆっちも気にしたことなし(苦笑)
カズちゃんも、これからがんばってきますんで!!
コメントありがとうございました!
自分から動く気ゼロ。
でも昔からこんななんで、ゆっちも気にしたことなし(苦笑)
カズちゃんも、これからがんばってきますんで!!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
ホント、むっちゃんもむっちゃんだけど、ゆっちもゆっちです。
むっちゃん、完全にお姫で、みんなを翻弄してるのに、自覚はないし、苦労させられてるほうもイヤじゃないという……罪な子…(爆)
むっちゃんに「かわいい」ありがとうございます。
最高の褒め言葉です!!
コメントありがとうございました!
むっちゃん、完全にお姫で、みんなを翻弄してるのに、自覚はないし、苦労させられてるほうもイヤじゃないという……罪な子…(爆)
むっちゃんに「かわいい」ありがとうございます。
最高の褒め言葉です!!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >イチゴさん
あぁ~、大変なお褒めの言葉、ありがとうございます!!
お姫なむっちゃんと、過保護なゆっち。
どっちもどっちなんですが…(苦笑)
カズちゃん、これからいろいろ暴走していきそうな感じです。
よろしくお願いします!?
コメントありがとうございました!
お姫なむっちゃんと、過保護なゆっち。
どっちもどっちなんですが…(苦笑)
カズちゃん、これからいろいろ暴走していきそうな感じです。
よろしくお願いします!?
コメントありがとうございました!