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六月 隣の君は肩を濡らして (1)
2008.12.11 Thu
梅雨に入って以来、ぐずついた天気が続いている。
睦月は相変わらずバイトを決め兼ねていて、おまけに睦月が求人誌を片付けていなかったせいで、祐介に睦月がバイトをやりたがっていることがバレてしまって―――案の定、キッパリと反対されて。
……睦月の機嫌が悪い。
「だいたい、ゆっちだってバイトしてんのに、何で俺はダメなわけ!?」
「だから、きっと祐介にも何か思うことがあるんだって」
本日の生贄―――もとい、睦月の怒りの捌け口は、たまたま睦月の部屋にやって来た翔真だった。
本当は亮を訪ねてきたのだけれど、まだバイトから帰っておらず、代わりに睦月に捕まってしまったのだ。
「でもでも、やりたいの!」
まるで子供が駄々を捏ねているみたいだ。そして翔真は保育士にでもなった気分。
「何でそんなにバイトしたいわけ? いいじゃん、別にバイト経験がなくたって」
「いや! 俺だってそんくらい出来るってこと、ゆっちに見せてやりたい!」
「え、そういう理由なの?」
改めて祐介にバイトを反対されて、どうやら睦月のバイトをやりたい理由が、いつの間にか摩り替わっているような……しかしとうの睦月はそれに気付いていないらしい。
「でもむっちゃん、接客も無理、力仕事も無理じゃ、いくらやりたいって言ったって、何も出来ないよ?」
「無理、じゃない…」
翔真の一言に、睦月は視線を彷徨わせながらも、そう答える。
「ホント~??」
「ホント!」
「じゃあさ、コンビニでバイトしない?」
「コンビニ?」
「何かカズが今バイトしてるとこ、急にバイトの子が辞めちゃって、人手が足りないらしいよ。だからホントにむっちゃんがやりたいなら、言ってあげてもいいけど」
「マジで!? ショウちゃんナイス!!」
亮のベッドでゴロゴロしていた翔真に、満面の笑みで飛び付いて来る睦月を、翔真は笑顔で受け止める。
いちいち睦月の愚痴や怒りを受け止めるのは面倒臭いが、この笑顔が見れるなら、そのくらいどうってことない。
「その代わり」
キュウキュウと抱き付いてくる睦月の体を少し離して、翔真はコツンとおでこを合わせた。
「ちゃんと祐介に許可を得てからね?」
「えぇ~~~」
途端に不満そうな睦月の声。
「そんなの無理ぃ」
「じゃなきゃダメ。だって俺、そんなことで祐介に恨まれたくないもん」
「むぅ~…」
膨らんだ睦月の頬をプニプニ突付いていると、「…分かった」と、諦めたように睦月は言った。
「でも早めにね」
「え!?」
「だって他にやりたいって人がいるかもしれないし」
「そ、そっか」
睦月はパッと翔真から離れたかと思うと、すぐに部屋を出て行こうとする。
「え? え? どこ行く…」
「ゆっちのとこ!」
「はい~~~??」
思い立ったらすぐ行動、睦月は翔真を残して部屋を出て行った。
睦月は相変わらずバイトを決め兼ねていて、おまけに睦月が求人誌を片付けていなかったせいで、祐介に睦月がバイトをやりたがっていることがバレてしまって―――案の定、キッパリと反対されて。
……睦月の機嫌が悪い。
「だいたい、ゆっちだってバイトしてんのに、何で俺はダメなわけ!?」
「だから、きっと祐介にも何か思うことがあるんだって」
本日の生贄―――もとい、睦月の怒りの捌け口は、たまたま睦月の部屋にやって来た翔真だった。
本当は亮を訪ねてきたのだけれど、まだバイトから帰っておらず、代わりに睦月に捕まってしまったのだ。
「でもでも、やりたいの!」
まるで子供が駄々を捏ねているみたいだ。そして翔真は保育士にでもなった気分。
「何でそんなにバイトしたいわけ? いいじゃん、別にバイト経験がなくたって」
「いや! 俺だってそんくらい出来るってこと、ゆっちに見せてやりたい!」
「え、そういう理由なの?」
改めて祐介にバイトを反対されて、どうやら睦月のバイトをやりたい理由が、いつの間にか摩り替わっているような……しかしとうの睦月はそれに気付いていないらしい。
「でもむっちゃん、接客も無理、力仕事も無理じゃ、いくらやりたいって言ったって、何も出来ないよ?」
「無理、じゃない…」
翔真の一言に、睦月は視線を彷徨わせながらも、そう答える。
「ホント~??」
「ホント!」
「じゃあさ、コンビニでバイトしない?」
「コンビニ?」
「何かカズが今バイトしてるとこ、急にバイトの子が辞めちゃって、人手が足りないらしいよ。だからホントにむっちゃんがやりたいなら、言ってあげてもいいけど」
「マジで!? ショウちゃんナイス!!」
亮のベッドでゴロゴロしていた翔真に、満面の笑みで飛び付いて来る睦月を、翔真は笑顔で受け止める。
いちいち睦月の愚痴や怒りを受け止めるのは面倒臭いが、この笑顔が見れるなら、そのくらいどうってことない。
「その代わり」
キュウキュウと抱き付いてくる睦月の体を少し離して、翔真はコツンとおでこを合わせた。
「ちゃんと祐介に許可を得てからね?」
「えぇ~~~」
途端に不満そうな睦月の声。
「そんなの無理ぃ」
「じゃなきゃダメ。だって俺、そんなことで祐介に恨まれたくないもん」
「むぅ~…」
膨らんだ睦月の頬をプニプニ突付いていると、「…分かった」と、諦めたように睦月は言った。
「でも早めにね」
「え!?」
「だって他にやりたいって人がいるかもしれないし」
「そ、そっか」
睦月はパッと翔真から離れたかと思うと、すぐに部屋を出て行こうとする。
「え? え? どこ行く…」
「ゆっちのとこ!」
「はい~~~??」
思い立ったらすぐ行動、睦月は翔真を残して部屋を出て行った。
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柚子季杏 ⇒ ((笑´∀`))ヶラヶラ
むっちゃん、ホント行動が可愛いww
思い立ったら吉日なんすね( ´艸`)ムププ♪
ゆっちはおkしてくれるのかな~?
がんばれむっちゃん!
亮くんは愛されてますね~♪
カズも翔も亮くんの部屋に自然と集まってきちゃう。
そんな3人の仲良しぶりもいいなぁ(*´∀`*)
思い立ったら吉日なんすね( ´艸`)ムププ♪
ゆっちはおkしてくれるのかな~?
がんばれむっちゃん!
亮くんは愛されてますね~♪
カズも翔も亮くんの部屋に自然と集まってきちゃう。
そんな3人の仲良しぶりもいいなぁ(*´∀`*)
りり ⇒ 頑張れむっちゃん!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
もうホント、この子はいちいちやってくれますよ!
しかも超直感行動派です!!
思い立ったが何とやら……きっとずっと無茶ばっかして、それをゆっちがフォローしてきたという…(苦笑)
亮タンたち3人は、ホント腐れ縁というか……男子の友情て、こんな感じ?
愛されちゃってます。
コメントありがとうございました!
しかも超直感行動派です!!
思い立ったが何とやら……きっとずっと無茶ばっかして、それをゆっちがフォローしてきたという…(苦笑)
亮タンたち3人は、ホント腐れ縁というか……男子の友情て、こんな感じ?
愛されちゃってます。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
亮タンの部屋、ホント人が集まりやすい感じ。
実家もこんな感じだったという裏設定で(笑)
自然と人の集まる部屋、羨ましいけど、集まって来るのは賑やかな連中ばかりですが…(苦笑)
むっちゃんバイト編、がんばりますよ~。
はらはらですが(爆)
コメントありがとうございました!
実家もこんな感じだったという裏設定で(笑)
自然と人の集まる部屋、羨ましいけど、集まって来るのは賑やかな連中ばかりですが…(苦笑)
むっちゃんバイト編、がんばりますよ~。
はらはらですが(爆)
コメントありがとうございました!