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六月 隣の君は肩を濡らして (2)
2008.12.12 Fri
「でもさぁ、祐介、ちょっと過保護すぎなんじゃない?」
机に向かってテキストを広げている祐介の背中にそう言ったのは、彼のベッドで寛いでいる和衣。
ちなみに祐介の相部屋さんは、バイトなのか夜遊びなのか、本日は不在。
翔真同様、睦月から、やっぱり祐介にバイトを反対されたと、不満をぶちまけられていた和衣は、祐介と2人きりになったのを機に、話題に上らせてみたのだ。
「何が?」
わざとなのか、本当に分かっていないのか、祐介は椅子を回転させて和衣のほうを向いた。
「むっちゃんに。バイトしちゃダメって言ったんでしょ?」
「あー……もしかして睦月、和衣に何か言った?」
「俺だけじゃなくて、亮にもショウちゃんにもね」
「…………」
それでか……みたいな顔をする祐介に、どうやら祐介に何かを言ったのは自分だけではないと、和衣は悟った。
「いいじゃん、もう大学生なんだし、バイトの1つや2つくらい」
「そうだけど」
「むっちゃんがね、自分がバイトやらせてもらえないのに、祐介がやってんのはズルイって言うわけ。そう言われちゃうとさ、俺らも『そうだよねー』って言うしかないじゃん?」
ベッドに仰向けにコロンとなって、逆さまの祐介を見つめる。渋い表情の祐介。
「何? 何かそこまで反対する理由とか、あるわけ?」
「…………」
祐介は何も言わない。
彼のことだから、理由もなしにただ反対しているだけとは思えないけれど。
「ゆっちー!!」
バタンッ!!
祐介と和衣の間の、妙に重たいような空気を一気に打ち破ったのは、ノックもなしに祐介の部屋に駆け込んできた睦月だった。
「むつ…」
「ねぇねぇ、ゆっちー、やっぱ俺、バイトしていいでしょ~?」
「は!?」
いきなり部屋に飛び込んできたかと思ったらこのセリフ。しかも今の今まで、和衣とそんなことを話していたというのに。
「ね? いいでしょ?」
祐介は非常に返答に困った。今ここでダメだと言うには、和衣の視線が痛すぎる。
「な…ってか、何? いきなりどうしたの?」
前にもバイトをしたいと言われたけれど、ここまで唐突ではなかったし、勢いづいてもいなかったはずだが…………今にも飛び掛らんばかりの勢いで、睦月は祐介の腿に手を置いて見上げている。
「何か、カズちゃんがバイトしてるコンビニでね、募集してんだって」
「え? 和衣?」
祐介はベッドの和衣に目を遣った。
「あれ? カズちゃんいたの?」
「…………一応ね」
まったく睦月の眼中になかったことに少々傷付きつつ、和衣は体を起こした。
「ねぇねぇ、カズちゃんがバイトしてるとこ、バイト募集してんでしょ? ショウちゃんから聞いたの」
「うん。急に1人辞めちゃって、足りてないけど。むっちゃん、やる?」
「うん! ね、ゆっち、いいでしょ? カズちゃんと一緒のとこなら」
「あー……うん…」
睦月の勢いと、和衣の視線に耐え切れず、祐介はつい頷いてしまった。
「やったー!!」
声をハモらせながら抱き合う和衣と睦月。祐介はもう、溜め息をつくしかなかった。
机に向かってテキストを広げている祐介の背中にそう言ったのは、彼のベッドで寛いでいる和衣。
ちなみに祐介の相部屋さんは、バイトなのか夜遊びなのか、本日は不在。
翔真同様、睦月から、やっぱり祐介にバイトを反対されたと、不満をぶちまけられていた和衣は、祐介と2人きりになったのを機に、話題に上らせてみたのだ。
「何が?」
わざとなのか、本当に分かっていないのか、祐介は椅子を回転させて和衣のほうを向いた。
「むっちゃんに。バイトしちゃダメって言ったんでしょ?」
「あー……もしかして睦月、和衣に何か言った?」
「俺だけじゃなくて、亮にもショウちゃんにもね」
「…………」
それでか……みたいな顔をする祐介に、どうやら祐介に何かを言ったのは自分だけではないと、和衣は悟った。
「いいじゃん、もう大学生なんだし、バイトの1つや2つくらい」
「そうだけど」
「むっちゃんがね、自分がバイトやらせてもらえないのに、祐介がやってんのはズルイって言うわけ。そう言われちゃうとさ、俺らも『そうだよねー』って言うしかないじゃん?」
ベッドに仰向けにコロンとなって、逆さまの祐介を見つめる。渋い表情の祐介。
「何? 何かそこまで反対する理由とか、あるわけ?」
「…………」
祐介は何も言わない。
彼のことだから、理由もなしにただ反対しているだけとは思えないけれど。
「ゆっちー!!」
バタンッ!!
祐介と和衣の間の、妙に重たいような空気を一気に打ち破ったのは、ノックもなしに祐介の部屋に駆け込んできた睦月だった。
「むつ…」
「ねぇねぇ、ゆっちー、やっぱ俺、バイトしていいでしょ~?」
「は!?」
いきなり部屋に飛び込んできたかと思ったらこのセリフ。しかも今の今まで、和衣とそんなことを話していたというのに。
「ね? いいでしょ?」
祐介は非常に返答に困った。今ここでダメだと言うには、和衣の視線が痛すぎる。
「な…ってか、何? いきなりどうしたの?」
前にもバイトをしたいと言われたけれど、ここまで唐突ではなかったし、勢いづいてもいなかったはずだが…………今にも飛び掛らんばかりの勢いで、睦月は祐介の腿に手を置いて見上げている。
「何か、カズちゃんがバイトしてるコンビニでね、募集してんだって」
「え? 和衣?」
祐介はベッドの和衣に目を遣った。
「あれ? カズちゃんいたの?」
「…………一応ね」
まったく睦月の眼中になかったことに少々傷付きつつ、和衣は体を起こした。
「ねぇねぇ、カズちゃんがバイトしてるとこ、バイト募集してんでしょ? ショウちゃんから聞いたの」
「うん。急に1人辞めちゃって、足りてないけど。むっちゃん、やる?」
「うん! ね、ゆっち、いいでしょ? カズちゃんと一緒のとこなら」
「あー……うん…」
睦月の勢いと、和衣の視線に耐え切れず、祐介はつい頷いてしまった。
「やったー!!」
声をハモらせながら抱き合う和衣と睦月。祐介はもう、溜め息をつくしかなかった。
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柚子季杏 ⇒ つつつついに!
ゆっちが折れた!!!(´∀`;)
むっちゃん遂にゆっちを落としましたねww
うわーカズと一緒にコンビニバイト・・・カズ、フォローし切れるのかな?
むっちゃん~~がんばれー!
ゆっち、物静かなだけに、胸中色々ありそうですね♪う~~んその辺も今後見えてくるのかな?
イイ男っぽいし、楽しみ楽しみ♪♪
むっちゃん遂にゆっちを落としましたねww
うわーカズと一緒にコンビニバイト・・・カズ、フォローし切れるのかな?
むっちゃん~~がんばれー!
ゆっち、物静かなだけに、胸中色々ありそうですね♪う~~んその辺も今後見えてくるのかな?
イイ男っぽいし、楽しみ楽しみ♪♪
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
(´∀`;)
ゆっち、ついに女王様の前に平伏です!!
カズちゃんも、だいぶ気の赴くままの子なんで、フォロー……出来るかどうか(苦笑)
何か、ゆっちもごく普通の18歳なのに、周りのキャラが強すぎて、すっかり物静かないい子キャラです(爆)
今後彼がどう動くか……見守ってあげてください!!
コメントありがとうございました!
ゆっち、ついに女王様の前に平伏です!!
カズちゃんも、だいぶ気の赴くままの子なんで、フォロー……出来るかどうか(苦笑)
何か、ゆっちもごく普通の18歳なのに、周りのキャラが強すぎて、すっかり物静かないい子キャラです(爆)
今後彼がどう動くか……見守ってあげてください!!
コメントありがとうございました!