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五月 水面には君という波紋 (6)
2008.12.10 Wed
朝、目を覚ますと、隣―――というか、腕の中に睦月がいて、亮は昨晩のことを思い出した。
風の音が怖いと、夢にうなされていた睦月に、冗談で一緒に寝てやろうかと言ったことが発端で、結局朝まで同じベッドで過ごすことになったのだ。
(しかも、シャツ、掴まれちゃってるし…)
しっかりと亮のシャツを掴んでいる睦月の寝顔に、亮は心底困った顔をした。その手を振り解いてでも、ベッドを降りようという気にならないからだ。
とりあえず、昨晩睦月を苦しめていた風の音は治まっていて、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいるところをみると、天気は回復したようだ。
「睦月ー、もう起きる時間だよー」
「ん…」
ユサユサ肩を揺すってやると、腕の中の睦月がわずかに身じろいだ。
「起きて、遅刻するよ。今日1限からだろ?」
「んー……」
普段は亮よりよっぽど寝起きのいい睦月だが、今日ばかりは風のせいであまり眠れなかったのか、なかなか起きようとしない。
「むーつき」
「…ん、んー……、え…?」
ゆっくりと開いた睦月の瞳に、亮が映る。まだ微睡みの中にいる睦月は、今の状況を把握できていないのか、ボンヤリと亮の顔を見つめている。
「おはよ」
一応声を掛けてみると、何度か瞬きした後、「おはよう…」と返してきた。
「……え? あれ?」
次第に脳が覚醒して来たのか、睦月はキョロキョロと辺りを見回す。そして最後に、もう1度亮を見た瞬間、ビクッと体を大きく震わせた。
「え? え? なん……あ、」
亮の腕の中という状況に戸惑っていた睦月は、ようやく昨晩のことを思い出したのか、顔を赤くして亮を見た。
「あ、あの……」
「思い出した?」
「ご、ゴメン! え? あ、俺……あのまま寝ちゃったの?」
「うん。俺も自分のベッド行こうかなって思ったんだけどさ…………」
そう言って視線を向けた先は、睦月が掴む亮のシャツ。
「あ」
その視線を辿っていった睦月は、慌ててその手をパッと放した。
「ごごごゴメン!!」
「別にいいけど。よく眠れた?」
「…うん」
睦月がシャツを放したので、亮は睦月に回していた腕を解いて、先に体を起こした。
「あの、ホントゴメン!」
「別にいいってば」
シュンとしている睦月がかわいくて、思わず笑ってしまう。亮はベッドを降りて、睦月の髪をクシャッと撫でた。
「あ、亮。あの…」
「ん?」
「このこと……俺がうなされてたとか、ゆっちには黙ってて…?」
「?? いいけど?」
風の音が怖いと、夢にうなされていた睦月に、冗談で一緒に寝てやろうかと言ったことが発端で、結局朝まで同じベッドで過ごすことになったのだ。
(しかも、シャツ、掴まれちゃってるし…)
しっかりと亮のシャツを掴んでいる睦月の寝顔に、亮は心底困った顔をした。その手を振り解いてでも、ベッドを降りようという気にならないからだ。
とりあえず、昨晩睦月を苦しめていた風の音は治まっていて、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいるところをみると、天気は回復したようだ。
「睦月ー、もう起きる時間だよー」
「ん…」
ユサユサ肩を揺すってやると、腕の中の睦月がわずかに身じろいだ。
「起きて、遅刻するよ。今日1限からだろ?」
「んー……」
普段は亮よりよっぽど寝起きのいい睦月だが、今日ばかりは風のせいであまり眠れなかったのか、なかなか起きようとしない。
「むーつき」
「…ん、んー……、え…?」
ゆっくりと開いた睦月の瞳に、亮が映る。まだ微睡みの中にいる睦月は、今の状況を把握できていないのか、ボンヤリと亮の顔を見つめている。
「おはよ」
一応声を掛けてみると、何度か瞬きした後、「おはよう…」と返してきた。
「……え? あれ?」
次第に脳が覚醒して来たのか、睦月はキョロキョロと辺りを見回す。そして最後に、もう1度亮を見た瞬間、ビクッと体を大きく震わせた。
「え? え? なん……あ、」
亮の腕の中という状況に戸惑っていた睦月は、ようやく昨晩のことを思い出したのか、顔を赤くして亮を見た。
「あ、あの……」
「思い出した?」
「ご、ゴメン! え? あ、俺……あのまま寝ちゃったの?」
「うん。俺も自分のベッド行こうかなって思ったんだけどさ…………」
そう言って視線を向けた先は、睦月が掴む亮のシャツ。
「あ」
その視線を辿っていった睦月は、慌ててその手をパッと放した。
「ごごごゴメン!!」
「別にいいけど。よく眠れた?」
「…うん」
睦月がシャツを放したので、亮は睦月に回していた腕を解いて、先に体を起こした。
「あの、ホントゴメン!」
「別にいいってば」
シュンとしている睦月がかわいくて、思わず笑ってしまう。亮はベッドを降りて、睦月の髪をクシャッと撫でた。
「あ、亮。あの…」
「ん?」
「このこと……俺がうなされてたとか、ゆっちには黙ってて…?」
「?? いいけど?」
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柚子季杏 ⇒ むむ?
可愛いぞ・・・・、むっちゃん( ´艸`)ムププ♪
2人だけの秘密ですか~。
ゆっちには内緒・・・ここにも過去の影が潜んでるんすね?
だから余計にゆっちは過保護なのかな?
ん~~気になる!
亮ちゃんとの関係も、どうなっていくのかな~。
あぁ~朝から萌え萌えっす♪
2人だけの秘密ですか~。
ゆっちには内緒・・・ここにも過去の影が潜んでるんすね?
だから余計にゆっちは過保護なのかな?
ん~~気になる!
亮ちゃんとの関係も、どうなっていくのかな~。
あぁ~朝から萌え萌えっす♪
りり ⇒ うふふ。うふふ。
むっちゃんが可愛いーーーー!!
可愛い可愛いくあぁわいいーー。
やんちゃ姫がころっと可愛くなっちゃうというのもいいですよね。
そしてその可愛さにじわじわ亮たんがやられていってる。
姫には何かトラウマがあるのかな。
だんだん近づく二人の距離。
うふうふ。
可愛い可愛いくあぁわいいーー。
やんちゃ姫がころっと可愛くなっちゃうというのもいいですよね。
そしてその可愛さにじわじわ亮たんがやられていってる。
姫には何かトラウマがあるのかな。
だんだん近づく二人の距離。
うふうふ。
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
このしおらしさと素直さ……いつまで続くやら、ですよ。
まぁむっちゃんの過去は追い追い明らかにするつもりです……が、まだ5月。先は長いです(苦笑)
亮タンとの関係も……女王様としもべ……からは脱却せねば…。
コメントありがとうございました!
まぁむっちゃんの過去は追い追い明らかにするつもりです……が、まだ5月。先は長いです(苦笑)
亮タンとの関係も……女王様としもべ……からは脱却せねば…。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
やんちゃと素直のギャップを出そうと思ったら、とんでもないほどのギャップになってしまいました(笑)
しかもこれ、計算じゃなく天然ですからね、姫。
末恐ろしい子ですよ(爆)
2人の距離も……姫次第!?
コメントありがとうございました!
しかもこれ、計算じゃなく天然ですからね、姫。
末恐ろしい子ですよ(爆)
2人の距離も……姫次第!?
コメントありがとうございました!