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五月 水面には君という波紋 (4)
2008.12.08 Mon
風呂の道具を持って睦月が部屋を出ていき、それと入れ違いに翔真が部屋に入ってきて、亮のベッドの縁に腰掛けると、勝手にテレビの電源を入れた。
「何しに来たんだよ、お前」
「だーって、俺の部屋のテレビ、ニュースやってんだもん」
「変えればいいじゃん」
「ダメってゆわれた」
「だったらお前もニュース見ろ」
「いやー」
翔真はリモコンを亮から遠ざけながら、適当にチャンネルを回して、最終的に何やら流行りのバラエティ番組に定めた。
「じゃあカズの部屋に行けよ」
「カズ、まだバイトから帰ってきてないし。相部屋さんも留守」
さすがに家主2人が不在の部屋に入ってテレビを見ているわけにもいかない。
「祐介は?」
「……お勉強中」
実は新入生代表を務めた祐介は、ひょうきんなヤツだけれど、成績優秀で真面目な人間だ。
かといって、勉強勉強って詰め込むタイプではなく、バイトとかもしてるけれど、空いた時間を亮のように無為に過ごしたりはしないのだ。
でもおそらく、翔真がテレビを見たいと言って部屋に押し掛ければ、嫌な顔をせずに部屋に迎え入れてはくれるだろうが、翔真も勉強中の人間に対して、そこまで図々しくはなれない。
「お前も暇なヤツだなぁ」
「亮に言われたくないんですけどー」
ゴロン。勝手に亮のベッドに転がる。亮は面倒臭そうにしながらも、少しスペースを空けた。
「彼女んとこ行けば?」
「別れたし」
テレビに視線を向けたまま、翔真はあっさりと答えた。
「マジで? かわいい子だったじゃん」
「だってぇ」
2人でグダグダとくだらない話をしていると、ドアの開く音がする。もう睦月が風呂から戻ってきたのだろうか。
とくに気にも留めないでいると、2人の乗っていたベッドがいきなり大きく軋んだ。
「うおっ!?」
「いだっ!」
唐突すぎる衝撃に驚いていると、その張本人がにんまりした表情で亮と翔真を覗き込んだ。
「ただいま~! もうね、外すごい雨と風で、帰ってくんの、超大変だった~」
「カズ…」
部屋にやって来たのは睦月ではなく、バイトを終えて帰ってきた和衣だった。
「ただいま、じゃねぇよ。お前の部屋はここじゃねぇだろ!?」
「だってショウちゃんの部屋に行ったら、いないんだもん」
「だから、自分の部屋に帰れって!」
「いいじゃん、どうせ亮も暇なんでしょ?」
「うるせぇよ」
「あ、この芸人さん、おもしろいよね。俺、超好き」
「聞けよ!」
いきなり話の腰を折られて、亮は一応突っ込むが、和衣の意識はすでにテレビに向かっている。
「……つーか、せめぇよ…」
いくら何でも、シングルサイズのベッドに、男3人はキツイ。和衣は無理やり亮と翔真の間に割り込んで来るし。
けれど、いちいちベッドを降りるのは面倒臭いし(というか、これはもともと亮のベッドだ)。
そんな感じで、3人が1つのベッドでウダウダしていると、今度こそ本当に睦月が部屋へと戻ってきた。
「お邪魔してまーす」
和衣が、ドアのところで固まっている睦月に、お手々ふりふり。睦月はギョッとした顔で3人を見た。
「むっちゃんも一緒にテレビ見るー?」
「…狭くないの?」
一緒にって、ただでさえ狭いこのベッドのどこで!? て顔をしながら、睦月は首を振って、自分のベッドに荷物を置いた。
「むっちゃん、まだバイト探してんの?」
「探してるー。でもダメなの。何がいいか分かんないの」
ベッドの上に投げっ放しになっていた求人誌を手に取り、顔を顰める。
「接客は? かわいいから、ニコニコしてればお客さん来そう」
和衣は亮のベッドを降りて、睦月の持っている求人誌を覗きに行った。
「かわいくないし! てか、それ無理。楽しくないのに笑えって言われたって、笑えない」
「いやいや、そこで笑うのが仕事だから」
相変わらず世間知らずというか、めちゃくちゃなことを言う睦月に、和衣も苦笑する。
「ねぇー亮。むっちゃんがバイトするって、やっぱ無理な話なんじゃない?」
ベッドの上の翔真も、呆れたように亮に視線を向けた。
「何しに来たんだよ、お前」
「だーって、俺の部屋のテレビ、ニュースやってんだもん」
「変えればいいじゃん」
「ダメってゆわれた」
「だったらお前もニュース見ろ」
「いやー」
翔真はリモコンを亮から遠ざけながら、適当にチャンネルを回して、最終的に何やら流行りのバラエティ番組に定めた。
「じゃあカズの部屋に行けよ」
「カズ、まだバイトから帰ってきてないし。相部屋さんも留守」
さすがに家主2人が不在の部屋に入ってテレビを見ているわけにもいかない。
「祐介は?」
「……お勉強中」
実は新入生代表を務めた祐介は、ひょうきんなヤツだけれど、成績優秀で真面目な人間だ。
かといって、勉強勉強って詰め込むタイプではなく、バイトとかもしてるけれど、空いた時間を亮のように無為に過ごしたりはしないのだ。
でもおそらく、翔真がテレビを見たいと言って部屋に押し掛ければ、嫌な顔をせずに部屋に迎え入れてはくれるだろうが、翔真も勉強中の人間に対して、そこまで図々しくはなれない。
「お前も暇なヤツだなぁ」
「亮に言われたくないんですけどー」
ゴロン。勝手に亮のベッドに転がる。亮は面倒臭そうにしながらも、少しスペースを空けた。
「彼女んとこ行けば?」
「別れたし」
テレビに視線を向けたまま、翔真はあっさりと答えた。
「マジで? かわいい子だったじゃん」
「だってぇ」
2人でグダグダとくだらない話をしていると、ドアの開く音がする。もう睦月が風呂から戻ってきたのだろうか。
とくに気にも留めないでいると、2人の乗っていたベッドがいきなり大きく軋んだ。
「うおっ!?」
「いだっ!」
唐突すぎる衝撃に驚いていると、その張本人がにんまりした表情で亮と翔真を覗き込んだ。
「ただいま~! もうね、外すごい雨と風で、帰ってくんの、超大変だった~」
「カズ…」
部屋にやって来たのは睦月ではなく、バイトを終えて帰ってきた和衣だった。
「ただいま、じゃねぇよ。お前の部屋はここじゃねぇだろ!?」
「だってショウちゃんの部屋に行ったら、いないんだもん」
「だから、自分の部屋に帰れって!」
「いいじゃん、どうせ亮も暇なんでしょ?」
「うるせぇよ」
「あ、この芸人さん、おもしろいよね。俺、超好き」
「聞けよ!」
いきなり話の腰を折られて、亮は一応突っ込むが、和衣の意識はすでにテレビに向かっている。
「……つーか、せめぇよ…」
いくら何でも、シングルサイズのベッドに、男3人はキツイ。和衣は無理やり亮と翔真の間に割り込んで来るし。
けれど、いちいちベッドを降りるのは面倒臭いし(というか、これはもともと亮のベッドだ)。
そんな感じで、3人が1つのベッドでウダウダしていると、今度こそ本当に睦月が部屋へと戻ってきた。
「お邪魔してまーす」
和衣が、ドアのところで固まっている睦月に、お手々ふりふり。睦月はギョッとした顔で3人を見た。
「むっちゃんも一緒にテレビ見るー?」
「…狭くないの?」
一緒にって、ただでさえ狭いこのベッドのどこで!? て顔をしながら、睦月は首を振って、自分のベッドに荷物を置いた。
「むっちゃん、まだバイト探してんの?」
「探してるー。でもダメなの。何がいいか分かんないの」
ベッドの上に投げっ放しになっていた求人誌を手に取り、顔を顰める。
「接客は? かわいいから、ニコニコしてればお客さん来そう」
和衣は亮のベッドを降りて、睦月の持っている求人誌を覗きに行った。
「かわいくないし! てか、それ無理。楽しくないのに笑えって言われたって、笑えない」
「いやいや、そこで笑うのが仕事だから」
相変わらず世間知らずというか、めちゃくちゃなことを言う睦月に、和衣も苦笑する。
「ねぇー亮。むっちゃんがバイトするって、やっぱ無理な話なんじゃない?」
ベッドの上の翔真も、呆れたように亮に視線を向けた。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ か、可愛い・・・
何すかこれ( ´艸`)ムププ♪
シングルに三人キュウキュウって!ww
可愛すぎる~!!
どんな矢印が飛び交ってるんだろう・・・むぷぷ
むっちゃんが出来るバイト、本当にあるんでしょかね?(´∀`;)
世間に揉まれて耐えられるか?!
シングルに三人キュウキュウって!ww
可愛すぎる~!!
どんな矢印が飛び交ってるんだろう・・・むぷぷ
むっちゃんが出来るバイト、本当にあるんでしょかね?(´∀`;)
世間に揉まれて耐えられるか?!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
シングルベッドに男3人……サル団子状態…???
でもイケメン3人が乗ったベッドなら、狭かろうが飛び乗っちゃいますけどね、私!!!
それにしても、むっちゃんは相変わらず…。
一応、出来るかどうかを考えるようになっただけでもマシかも…。
コメントありがとうございました!
でもイケメン3人が乗ったベッドなら、狭かろうが飛び乗っちゃいますけどね、私!!!
それにしても、むっちゃんは相変わらず…。
一応、出来るかどうかを考えるようになっただけでもマシかも…。
コメントありがとうございました!
りり ⇒ うほうほ!(←まだ何か憑いてるし
ベッドに凄い人口密度。可愛いよ~~。
うわーーーやっぱり!てんこもりだ!!
むっちゃんバイトできるのか。
可愛い顔だから、えーと、カットモデルとか、
(カッとモデルって出た…すっごい合ってる
…長期のバイトじゃなきゃだめなのか。
うわーーーやっぱり!てんこもりだ!!
むっちゃんバイトできるのか。
可愛い顔だから、えーと、カットモデルとか、
(カッとモデルって出た…すっごい合ってる
…長期のバイトじゃなきゃだめなのか。
如月久美子 ⇒ >りりさん
イケメン☆シングルベッド!
人口密度、大変なことになってます。
さすがにむっちゃんも、ここに乗っちゃいけないことだけは分かった模様です(笑)
カットモデル……自分の好みの髪型にしてもらえないならヤダ! て言いそうな気が…。
ホント、大変な子です。
コメントありがとうございました!
人口密度、大変なことになってます。
さすがにむっちゃんも、ここに乗っちゃいけないことだけは分かった模様です(笑)
カットモデル……自分の好みの髪型にしてもらえないならヤダ! て言いそうな気が…。
ホント、大変な子です。
コメントありがとうございました!