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五月 水面には君という波紋 (3)
2008.12.07 Sun
睦月がバイトの話を持ち出してから2週間、彼はいまだ、バイトを始められずにいる。
別に祐介に反対されたからではない。
実のところ、祐介にもまだ話してはいないのだ。
和衣と翔真に、ちゃんと愛想よく出来るのか、絡まれたときちゃんと対処できるのかと散々言われ(亮にしたら、祐介だけでなく、この2人も十分過保護だと思うが)、睦月は一体どんなバイトが自分に向いているのか、悩んでいるのだ。
「だから、そんなに急いで決めなくたっていいじゃん」
最悪な天気の中、急いでバイトから帰ってきた亮は、ベッドでアルバイトの求人誌を見ている睦月に声を掛けた。
「でもぉ…」
「つーかお前、メシ食ったらちゃんと片付けろよ」
一応部屋に備わっている簡易式のキッチンのシンクには、フライパンだとか皿だとかが適当に突っ込まれていて、グチャグチャだ。
「食べてないもん」
「は?」
「それは、食べてない。お腹空いたから、がんばって何か作ってみようとしたんだけど、結局ダメで、ムカついたからそこに突っ込んどいたの」
相変わらずムチャクチャなことを言う睦月。
「じゃあ、メシまだなの?」
「んーん、ゆっちに作ってもらった」
「はぁ~?」
どこまで過保護なんだよ! と、ここにはいない祐介に心の中で突っ込んでから、渋々亮は睦月が出しっ放しにしたフライパンやらを片付け始める。
亮だってどれほど家事が出来るというわけでもないし、散らかってるのが大嫌いというほど潔癖な人間ではないが、睦月はそれ以上に大雑把な性格をしている。
「お風呂行ってこよー」
睦月が出しっ放しにしたものを亮が片付けている最中だというのに、睦月はまったく気にするふうもなくそう言って、部屋を出て行こうとする。
「ちょっとは片付けるの手伝おうとか思わないんだ?」
「んー……じゃあ、ちょっとだけ」
亮が洗った皿を拭こうと、布巾と濡れたお皿を手にした睦月だったが、次の瞬間。
「わっ!?」
つるっと皿が滑って、睦月の手から離れる。
ビクンッ! と、いきなりの出来事に亮は肩を跳ね上げたが、運良く睦月がその皿をちゃんと掴み直したおかげで、床に落ちることだけは免れた。
「危ない危ない」
そう言って、睦月が危なっかしい手付きで皿を拭き始める。
(ホントに大丈夫かよー…)
接客業が無理なら裏方の仕事だってあるけれど、食器の片付けもまともに出来ないほど極端に不器用な睦月に、一体どんな仕事が勤まるというのだろうか。
なのに働きたいという意欲だけは人一倍ある睦月に、亮は本気で心配する。
(祐介のヤツ、今までどんだけ甘やかしてきたんだ!)
おそらく睦月が何かしようとするたび、やらなくてもいいと代わりにやってあげていたに違いない。
(これはマジでバイトとかさせてやったほうがいいかも…)
祐介とは別の意味で、保護者的な発想になっていることに、亮自身、気付いてはいない。
「終わった!」
乱雑に食器類をしまって、大した仕事をしたわけでもないのに、それでも睦月は満足げだ。
「今度こそ、お風呂行ってこよ!」
「あーはいはい」
食器を片付けるだけなのに、ムダに疲れてしまった亮は、ベッドに転がった。
別に祐介に反対されたからではない。
実のところ、祐介にもまだ話してはいないのだ。
和衣と翔真に、ちゃんと愛想よく出来るのか、絡まれたときちゃんと対処できるのかと散々言われ(亮にしたら、祐介だけでなく、この2人も十分過保護だと思うが)、睦月は一体どんなバイトが自分に向いているのか、悩んでいるのだ。
「だから、そんなに急いで決めなくたっていいじゃん」
最悪な天気の中、急いでバイトから帰ってきた亮は、ベッドでアルバイトの求人誌を見ている睦月に声を掛けた。
「でもぉ…」
「つーかお前、メシ食ったらちゃんと片付けろよ」
一応部屋に備わっている簡易式のキッチンのシンクには、フライパンだとか皿だとかが適当に突っ込まれていて、グチャグチャだ。
「食べてないもん」
「は?」
「それは、食べてない。お腹空いたから、がんばって何か作ってみようとしたんだけど、結局ダメで、ムカついたからそこに突っ込んどいたの」
相変わらずムチャクチャなことを言う睦月。
「じゃあ、メシまだなの?」
「んーん、ゆっちに作ってもらった」
「はぁ~?」
どこまで過保護なんだよ! と、ここにはいない祐介に心の中で突っ込んでから、渋々亮は睦月が出しっ放しにしたフライパンやらを片付け始める。
亮だってどれほど家事が出来るというわけでもないし、散らかってるのが大嫌いというほど潔癖な人間ではないが、睦月はそれ以上に大雑把な性格をしている。
「お風呂行ってこよー」
睦月が出しっ放しにしたものを亮が片付けている最中だというのに、睦月はまったく気にするふうもなくそう言って、部屋を出て行こうとする。
「ちょっとは片付けるの手伝おうとか思わないんだ?」
「んー……じゃあ、ちょっとだけ」
亮が洗った皿を拭こうと、布巾と濡れたお皿を手にした睦月だったが、次の瞬間。
「わっ!?」
つるっと皿が滑って、睦月の手から離れる。
ビクンッ! と、いきなりの出来事に亮は肩を跳ね上げたが、運良く睦月がその皿をちゃんと掴み直したおかげで、床に落ちることだけは免れた。
「危ない危ない」
そう言って、睦月が危なっかしい手付きで皿を拭き始める。
(ホントに大丈夫かよー…)
接客業が無理なら裏方の仕事だってあるけれど、食器の片付けもまともに出来ないほど極端に不器用な睦月に、一体どんな仕事が勤まるというのだろうか。
なのに働きたいという意欲だけは人一倍ある睦月に、亮は本気で心配する。
(祐介のヤツ、今までどんだけ甘やかしてきたんだ!)
おそらく睦月が何かしようとするたび、やらなくてもいいと代わりにやってあげていたに違いない。
(これはマジでバイトとかさせてやったほうがいいかも…)
祐介とは別の意味で、保護者的な発想になっていることに、亮自身、気付いてはいない。
「終わった!」
乱雑に食器類をしまって、大した仕事をしたわけでもないのに、それでも睦月は満足げだ。
「今度こそ、お風呂行ってこよ!」
「あーはいはい」
食器を片付けるだけなのに、ムダに疲れてしまった亮は、ベッドに転がった。
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柚子季杏 ⇒ むっちゃん・・・
おうちでお手伝いすらしてなかったのね(´∀`;)
このお姫様に勤まる仕事・・・あるのだろうか?w
本当、亮くんが同室で良かったね~。
亮くんは大変そうだけどww
夜中のうpはご褒美のようでウレシスです♪
このお姫様に勤まる仕事・・・あるのだろうか?w
本当、亮くんが同室で良かったね~。
亮くんは大変そうだけどww
夜中のうpはご褒美のようでウレシスです♪
りり ⇒ むっちゃん!
むっちゃんたらもう…。
でもりりも大学はいった頃相当いっちゃってる子だったです。
世話焼きの友達がいなかったら大学構内で迷子になったり、
変なセクトの集会に拉致られて救出されたりしてました。
お皿も割りまくりだったし(今でも若干凹
だからきっと、バイトとかして社会勉強すれば大丈夫だよ!!
て、わたしに慰められてもしょうがないね…。
でもりりも大学はいった頃相当いっちゃってる子だったです。
世話焼きの友達がいなかったら大学構内で迷子になったり、
変なセクトの集会に拉致られて救出されたりしてました。
お皿も割りまくりだったし(今でも若干凹
だからきっと、バイトとかして社会勉強すれば大丈夫だよ!!
て、わたしに慰められてもしょうがないね…。
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
もうホントにこの子は…。
出来ないからやらせない→ますます出来ない ダメダメな循環ですよ(笑)
やっとゆっちの側を離れたのに、結局亮タンがやってあげてるんで、前と何も変わらずです、ハイ。
あ、昨日は気付いたら12時を過ぎてたんで、アップしてみました!
おかげで今朝はこんな時間に起きてますが…(苦笑)
コメントありがとうございました!
出来ないからやらせない→ますます出来ない ダメダメな循環ですよ(笑)
やっとゆっちの側を離れたのに、結局亮タンがやってあげてるんで、前と何も変わらずです、ハイ。
あ、昨日は気付いたら12時を過ぎてたんで、アップしてみました!
おかげで今朝はこんな時間に起きてますが…(苦笑)
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
むっちゃん、ホントにこの子は、どこまでお姫様なんでしょう。
でもりりさんの大学生時代、何かかわいいですね。
変なとこに拉致られたままにならなくて、友人さんたちに感謝ですが。
むっちゃんもきっと、りりさんの話を聞いて、仲間だ~て喜んじゃうかも。。。
コメントありがとうございました!
でもりりさんの大学生時代、何かかわいいですね。
変なとこに拉致られたままにならなくて、友人さんたちに感謝ですが。
むっちゃんもきっと、りりさんの話を聞いて、仲間だ~て喜んじゃうかも。。。
コメントありがとうございました!