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五月 水面には君という波紋 (2)
2008.12.06 Sat
「でも何で急にバイトの話なんか?」
「せっかくだから、俺もバイトとかしてみたいなぁって思って」
「え? え? "せっかくだから"って、何が?」
どうもとんちんかんな睦月の言葉がツボにはまったのか、和衣と翔真は腹を抱えている。
「でもむっちゃん、祐介にいいって言われたの? バイトしていいって」
目に涙まで浮かべて笑っている和衣が、そう尋ねた。
いくら大学に進学したからといって、そんなに簡単に祐介の過保護っぷりが治るとも思えないし、睦月の祐介に対する絶対的な信頼が揺らぐとも思えない。
「まだ言ってないの。だから3人とも、ゆっちには内緒ね?」
「内緒? ただでー?」
わざわざ立てた人差し指を口元に立てる睦月がかわいくて、翔真がそれに乗っかる。
「じゃあ、このにんじんグラッセあげるから」
「それ、単に嫌いなもの、俺に押し付けただけじゃん!」
お皿の隅に乗っていた付け合わせのにんじんを、有無を言わせず翔真の皿に移した睦月に、すかさず突っ込む。
「口止め料だから」
けれど睦月は平然とそんなことをのたまった。
「でもさぁ、むっちゃん、ホントにちゃんとバイトできるの?」
今まで散々笑っていた和衣が、真顔に戻って睦月の顔を覗き込んだ。
「何で?」
「だってさ、お客さんにヤなこと言われても、笑顔で応対すんだよ? 出来る?」
「出来るよ、そんくらい」
したこともないくせに、やけに自信満々に言い放つ睦月。和衣と翔真は顔を見合わせた。
「"かわいい"って言われても、キレちゃダメなんだよ?」
「女の子に間違われたって、お客さんのこと、殴っちゃダメなんだからね?」
「殴んないよ!!」
口々に言われて、睦月はさっそくキレ気味だ。隣の亮に、「キレないで、キレないで」と宥められる始末。
「こんくらいのことでムキになってたら、お仕事勤まんないよ?」
「うー…」
「やっぱ、祐介の言うとおりにしといたほうがいいんじゃないの?」
「ヤダー」
別にものすごく金に困っているわけでもないし、勤労意欲が旺盛なわけでもないが、大学生になったんだし、バイトの1つくらいやってみたいのだ。
「でも亮に出来るなら、俺にも出来る、と思う」
「ちょっ……何それ? 何でそこで俺と比較するわけ!?」
なぜか引き合いに出されてしまった亮は、慌てる。
「でもさ、むっちゃんが祐介に内緒でバイト始めたって、そんなのすぐにバレるんじゃない? 何かそうなったほうがまずい気がするけど」
「そうかな?」
和衣の言葉に、睦月は少し考え込む。
今まで祐介がダメと言って、それに逆らったことはないから、内緒でそんなことをして祐介がどんな反応をするのか、まったく見当がつかない。
怒るかな、嫌いになるかな。それとも、無理やりにでもバイトをやめさせるかな?
「あ、祐介来たよ」
噂をすれば。
授業が終わって学食に現れた祐介が、4人の姿を見つけてやって来る。
「あれ? みんなもうメシ食っちゃったわけ?」
テーブルの上に並ぶ、空になった食器類。祐介は少し残念そうだ。
和衣が睦月に、"バイトのこと、言っちゃいなよ"て、目で合図する。それに睦月は、"無理無理、ダメだって!"と、アイコンタクト。
"言いなよ"
"今は無理!"
"言いなってば"
"無理だってば!"
「……何やってんの、お前ら」
睦月と和衣のアイコンタクトに気が付いた祐介が、不審そうに2人を見る。事情を知っている亮と翔真は、チラリと視線を交わした。
「いやいや、大変だよなぁ、亮くん」
「ホントですねぇ、翔真くん」
「??? 何の話?」
不思議顔の祐介。
「祐介が過保護だって話」
「は?」
「せっかくだから、俺もバイトとかしてみたいなぁって思って」
「え? え? "せっかくだから"って、何が?」
どうもとんちんかんな睦月の言葉がツボにはまったのか、和衣と翔真は腹を抱えている。
「でもむっちゃん、祐介にいいって言われたの? バイトしていいって」
目に涙まで浮かべて笑っている和衣が、そう尋ねた。
いくら大学に進学したからといって、そんなに簡単に祐介の過保護っぷりが治るとも思えないし、睦月の祐介に対する絶対的な信頼が揺らぐとも思えない。
「まだ言ってないの。だから3人とも、ゆっちには内緒ね?」
「内緒? ただでー?」
わざわざ立てた人差し指を口元に立てる睦月がかわいくて、翔真がそれに乗っかる。
「じゃあ、このにんじんグラッセあげるから」
「それ、単に嫌いなもの、俺に押し付けただけじゃん!」
お皿の隅に乗っていた付け合わせのにんじんを、有無を言わせず翔真の皿に移した睦月に、すかさず突っ込む。
「口止め料だから」
けれど睦月は平然とそんなことをのたまった。
「でもさぁ、むっちゃん、ホントにちゃんとバイトできるの?」
今まで散々笑っていた和衣が、真顔に戻って睦月の顔を覗き込んだ。
「何で?」
「だってさ、お客さんにヤなこと言われても、笑顔で応対すんだよ? 出来る?」
「出来るよ、そんくらい」
したこともないくせに、やけに自信満々に言い放つ睦月。和衣と翔真は顔を見合わせた。
「"かわいい"って言われても、キレちゃダメなんだよ?」
「女の子に間違われたって、お客さんのこと、殴っちゃダメなんだからね?」
「殴んないよ!!」
口々に言われて、睦月はさっそくキレ気味だ。隣の亮に、「キレないで、キレないで」と宥められる始末。
「こんくらいのことでムキになってたら、お仕事勤まんないよ?」
「うー…」
「やっぱ、祐介の言うとおりにしといたほうがいいんじゃないの?」
「ヤダー」
別にものすごく金に困っているわけでもないし、勤労意欲が旺盛なわけでもないが、大学生になったんだし、バイトの1つくらいやってみたいのだ。
「でも亮に出来るなら、俺にも出来る、と思う」
「ちょっ……何それ? 何でそこで俺と比較するわけ!?」
なぜか引き合いに出されてしまった亮は、慌てる。
「でもさ、むっちゃんが祐介に内緒でバイト始めたって、そんなのすぐにバレるんじゃない? 何かそうなったほうがまずい気がするけど」
「そうかな?」
和衣の言葉に、睦月は少し考え込む。
今まで祐介がダメと言って、それに逆らったことはないから、内緒でそんなことをして祐介がどんな反応をするのか、まったく見当がつかない。
怒るかな、嫌いになるかな。それとも、無理やりにでもバイトをやめさせるかな?
「あ、祐介来たよ」
噂をすれば。
授業が終わって学食に現れた祐介が、4人の姿を見つけてやって来る。
「あれ? みんなもうメシ食っちゃったわけ?」
テーブルの上に並ぶ、空になった食器類。祐介は少し残念そうだ。
和衣が睦月に、"バイトのこと、言っちゃいなよ"て、目で合図する。それに睦月は、"無理無理、ダメだって!"と、アイコンタクト。
"言いなよ"
"今は無理!"
"言いなってば"
"無理だってば!"
「……何やってんの、お前ら」
睦月と和衣のアイコンタクトに気が付いた祐介が、不審そうに2人を見る。事情を知っている亮と翔真は、チラリと視線を交わした。
「いやいや、大変だよなぁ、亮くん」
「ホントですねぇ、翔真くん」
「??? 何の話?」
不思議顔の祐介。
「祐介が過保護だって話」
「は?」
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COMMENT-FORM
りり ⇒ むっちゃんだいじょぶかな?
バイトつとまるのかな~姫に。
亮くんと一緒のとこ!とか言い出すかな。
なんて心配したくなりますよね、確かに。
世間知らずのおひめさまっぷりが可愛くて。
今うちに来ている新聞のお兄さんが女の子みたいに可愛いんです。
声も高くて最初女の子だと思ってました。
しかも天然…。一ヶ月間違って届けに来たりとか
もうだいじょぶ?て感じなんですけど…。
むっちゃん頑張れ!!
祐介に守られてないで世間の荒波に!!
亮くんと一緒のとこ!とか言い出すかな。
なんて心配したくなりますよね、確かに。
世間知らずのおひめさまっぷりが可愛くて。
今うちに来ている新聞のお兄さんが女の子みたいに可愛いんです。
声も高くて最初女の子だと思ってました。
しかも天然…。一ヶ月間違って届けに来たりとか
もうだいじょぶ?て感じなんですけど…。
むっちゃん頑張れ!!
祐介に守られてないで世間の荒波に!!
柚子季杏 ⇒ 姫むっちゃんがバイト
うっわぁwwww
見守ってる方が胃壊しそうですねwww
ゆっちはかなりの過保護なんですなぁ(ニヤリ
いいな、いいな~~この友達同士の飾らない遣り取り!!
すごく楽しいなぁ~~♪
んじゃぁ、むっちゃん、Blessingでバイトしますか?(冗談ですw)
どうなるのかな?楽しみです!!
あ、同じ大学おkですか?わぁ━━ヽ(●≧∀≦)●≧∀≦)ノ━━ぃ!!
見守ってる方が胃壊しそうですねwww
ゆっちはかなりの過保護なんですなぁ(ニヤリ
いいな、いいな~~この友達同士の飾らない遣り取り!!
すごく楽しいなぁ~~♪
んじゃぁ、むっちゃん、Blessingでバイトしますか?(冗談ですw)
どうなるのかな?楽しみです!!
あ、同じ大学おkですか?わぁ━━ヽ(●≧∀≦)●≧∀≦)ノ━━ぃ!!
如月久美子 ⇒ >りりさん
完全に世間知らずの、箱入りお姫様。
何を言い出すのか、誰にもまったく予測不能です(笑)
というか!!
その新聞のお兄さん!!
何かめっちゃかわいいんですけど!
あぁ~…私も会いたいっ!
間違ってウチにも配達に来てくれないかな(←
コメントありがとうございました!
何を言い出すのか、誰にもまったく予測不能です(笑)
というか!!
その新聞のお兄さん!!
何かめっちゃかわいいんですけど!
あぁ~…私も会いたいっ!
間違ってウチにも配達に来てくれないかな(←
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
もうむっちゃんこんななんで、祐介さん、全然目が離せません。
相当図太い神経してないと、見守るのも大変ですよ(笑)
てか、むっちゃんをバイトさせたら、きっと毎日食器とか割っちゃって、Blessing、潰れかねないっす(爆)
でもお客としてなら、いいお客さんになりそうですがvvv
祐希ちゃんや達也さんと同じ大学…。
超イケメンパラダイス……じゅるり。…………ハッ、今もうすでにいけない妄想を…。
コメントありがとうございました!
相当図太い神経してないと、見守るのも大変ですよ(笑)
てか、むっちゃんをバイトさせたら、きっと毎日食器とか割っちゃって、Blessing、潰れかねないっす(爆)
でもお客としてなら、いいお客さんになりそうですがvvv
祐希ちゃんや達也さんと同じ大学…。
超イケメンパラダイス……じゅるり。…………ハッ、今もうすでにいけない妄想を…。
コメントありがとうございました!