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四月 きっとなにかがはじまる (2)
2008.11.29 Sat
肩に回された手を勢いよく振り払った彼女は、さすがにムッとした男が無理やり手を引こうとするより先、そのシャツの胸倉を掴み上げたのだ。
「マジ!?」
相手は男2人だというのに、一向に怯むことのない彼女。そればかりか、最終的には2人のナンパ男は、彼女に頭を下げながらその場を去って行ったのだ。
「すげぇ」
「つーか、怖ぇ…」
すごいはすごいが、これが自分の彼女だと思うと、確かに怖い。
「あれ? こっち来る」
2人のナンパ男を撃退した彼女は、不機嫌そうな顔のまま、3人のいるファーストフード店に入ってきた。
当然、3つの視線は、彼女に釘付け。
街中で男の胸倉を掴み上げる女の子なんて、ちょっと興味ある。でも声でも掛けた日には、先ほどの2人の二の舞を演じかねないだろう。
彼女は何も注文しないまま、亮たちの隣のテーブル席に座った。
3人が顔を見合わせてから、好奇心の視線を彼女に向けていると、カバンの中の携帯電話が音を立てたのか、彼女は携帯電話を取り出した。
表示された名前を見て顔を顰めたところを見ると、おそらく待ち合わせの相手からなのだろう。
「―――遅いっ!!」
電話を耳元に持っていって、まずその一声。きっと相手が『もしもし』も言っていないタイミング。
「はぁ? 俺、もうとっくに来てんだけど。は? 聞こえない―――もしかしてまだ駅? 電車乗ってねぇの?」
予想どおり、電話の相手は、彼女に待ちぼうけを食わせている人物らしい。
しかしそこで和衣が、ふと気が付いた。
「ねぇ、何か声……男の声っぽくない?」
そうなのだ。
電話で話す彼女の声は、"彼女"というにはあまりにも低く、女のそれではない。
「…………オカマ?」
外見が女で、中身が男、もしくは昔は男だった―――ということなのだろうか。
「でも、自分のこと、"俺"って言ってたけど…」
「??? 男……ってこと?」
わけが分からない、といったふうに3人が考え込んでいると、ふと、電話を切った彼女―――いや、彼? が3人のほうを見た。
隣の席から送られてくるあまりに不躾な視線に、自分が見られていることに気が付いたらしい。
慌てて3人は視線を逸らした。
何か言われるだろうかと思ったが、女のようで男のような彼は、何も言わずに席を立つ。懲りずに視線を送れば、どうやら何かを注文しに行ったらしい。
「やっぱ男かな?」
「男……か?」
「見た目以外は、男だよね」
もし彼が本当に男だとすれば、先ほどの2人連れを追っ払ったときの状況も、納得できる。
「何だ、男か。つまんねぇ」
そう言ってのけたのは、亮だ。
いくらかわいくても、男に興味はない。
「もし女だったとしても、声掛けたら、さっきの奴らみたいに殴りかかられちゃうよ」
「勘弁してくれ…」
まったくもって勝手なことを喋り続けている3人。
もちろんそんなことを知らない彼は、買った飲み物を持って、先ほどと同じ、亮たちの隣のテーブルに戻ってきた。
(黙ってりゃ、女だよな…)
両手で紙コップを持ってストローを銜えている姿は、間違えて、それこそナンパしてしまうかもしれない、などと思いながら、3人はまた別のくだらない話を興じ始めた。
「マジ!?」
相手は男2人だというのに、一向に怯むことのない彼女。そればかりか、最終的には2人のナンパ男は、彼女に頭を下げながらその場を去って行ったのだ。
「すげぇ」
「つーか、怖ぇ…」
すごいはすごいが、これが自分の彼女だと思うと、確かに怖い。
「あれ? こっち来る」
2人のナンパ男を撃退した彼女は、不機嫌そうな顔のまま、3人のいるファーストフード店に入ってきた。
当然、3つの視線は、彼女に釘付け。
街中で男の胸倉を掴み上げる女の子なんて、ちょっと興味ある。でも声でも掛けた日には、先ほどの2人の二の舞を演じかねないだろう。
彼女は何も注文しないまま、亮たちの隣のテーブル席に座った。
3人が顔を見合わせてから、好奇心の視線を彼女に向けていると、カバンの中の携帯電話が音を立てたのか、彼女は携帯電話を取り出した。
表示された名前を見て顔を顰めたところを見ると、おそらく待ち合わせの相手からなのだろう。
「―――遅いっ!!」
電話を耳元に持っていって、まずその一声。きっと相手が『もしもし』も言っていないタイミング。
「はぁ? 俺、もうとっくに来てんだけど。は? 聞こえない―――もしかしてまだ駅? 電車乗ってねぇの?」
予想どおり、電話の相手は、彼女に待ちぼうけを食わせている人物らしい。
しかしそこで和衣が、ふと気が付いた。
「ねぇ、何か声……男の声っぽくない?」
そうなのだ。
電話で話す彼女の声は、"彼女"というにはあまりにも低く、女のそれではない。
「…………オカマ?」
外見が女で、中身が男、もしくは昔は男だった―――ということなのだろうか。
「でも、自分のこと、"俺"って言ってたけど…」
「??? 男……ってこと?」
わけが分からない、といったふうに3人が考え込んでいると、ふと、電話を切った彼女―――いや、彼? が3人のほうを見た。
隣の席から送られてくるあまりに不躾な視線に、自分が見られていることに気が付いたらしい。
慌てて3人は視線を逸らした。
何か言われるだろうかと思ったが、女のようで男のような彼は、何も言わずに席を立つ。懲りずに視線を送れば、どうやら何かを注文しに行ったらしい。
「やっぱ男かな?」
「男……か?」
「見た目以外は、男だよね」
もし彼が本当に男だとすれば、先ほどの2人連れを追っ払ったときの状況も、納得できる。
「何だ、男か。つまんねぇ」
そう言ってのけたのは、亮だ。
いくらかわいくても、男に興味はない。
「もし女だったとしても、声掛けたら、さっきの奴らみたいに殴りかかられちゃうよ」
「勘弁してくれ…」
まったくもって勝手なことを喋り続けている3人。
もちろんそんなことを知らない彼は、買った飲み物を持って、先ほどと同じ、亮たちの隣のテーブルに戻ってきた。
(黙ってりゃ、女だよな…)
両手で紙コップを持ってストローを銜えている姿は、間違えて、それこそナンパしてしまうかもしれない、などと思いながら、3人はまた別のくだらない話を興じ始めた。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 見た目
女の子の男の子ですか?!
う~~ん、予想外な展開www
しかもツンデレっぽい予感がひしひしとww
うっわ、先が楽しみだなぁ~。
どうなっていくんだろう?♪((O(*・ω・*)O))♪ワクワク
う~~ん、予想外な展開www
しかもツンデレっぽい予感がひしひしとww
うっわ、先が楽しみだなぁ~。
どうなっていくんだろう?♪((O(*・ω・*)O))♪ワクワク
りり ⇒ このガーリィな男の子?誰?!
あ~~~~どっちか分かんない、ていうか多分
男の子なんですよね。
予想外です!!
この子どう関わってくるんだろう?
みんな女の子が好きな普通の男子っぽいけど
恋に発展したりするのか。
ますます楽しみです!!
男の子なんですよね。
予想外です!!
この子どう関わってくるんだろう?
みんな女の子が好きな普通の男子っぽいけど
恋に発展したりするのか。
ますます楽しみです!!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
ちゃんと予想外な感じですか!?
しかも私の大好きなツンデレちゃんですよぉ~~。
まだまだ先は長いですが、どうか見守ってやってください。
コメントありがとうございました!
しかも私の大好きなツンデレちゃんですよぉ~~。
まだまだ先は長いですが、どうか見守ってやってください。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
よかった、ちゃんと予想外ぽくなってるみたいで(笑)
これからバンバン絡んでいきますんで、よろしくお願いします!?
コメントありがとうございました!
これからバンバン絡んでいきますんで、よろしくお願いします!?
コメントありがとうございました!