スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
四月 きっとなにかがはじまる (3)
2008.11.30 Sun
それからどのくらい時間が経ったか、3人がそろそろ帰ろうかと席を立つと、隣のテーブルに人影が増えた。
ついそちらに視線を向ければ、今度は3人組の若い男。
「またナンパされてる」
「でも、男だろ?」
女ではないということを知ってしまった3人は、また彼がどんな行動を取るのか気になって、ダストボックスの前で止まって様子を窺った。
こっそりと聞き耳を立てていると、やはり3人組は彼をナンパしようとしているらしい。
しかし虫の居所の悪い彼は、ことごとくそれを無視している。反応がないことがおもしろくないのか、男たちの口調が徐々に荒くなっていく。
「あーあ、適当にあしらっちゃえばいいのに」
口を開けば男だということが分かるのだから、穏便にこの場を去って行ってくれるだろうに。
けれど彼は、返事を返すのも面倒臭いといった感じで、だんまりを決め込んでいる。
「おい、何か言えよ」
3人のうちの1人が、彼の肩を掴んで無理やり自分のほうを向けさせた。
「…うるせぇな」
ビックリするぐらいの、怒りに満ちた低い彼の声。関係ないはずの亮たち3人も、思わず竦み上がりそうだ。
「バカに付き合ってる暇なんかねぇんだよ」
持っていた紙コップをグシャッと握り潰して、彼は乱暴に立ち上がった。
「何だと、てめぇっ!」
さすがにこれには男たちもぶち切れて、先ほどとは逆に、男のほうが彼の胸倉を掴み上げた。周囲のお客たちも、ただならぬ雰囲気にざわつき始める。
「何か……まずくね?」
厄介ごとには出来るだけ係わりたくないが、先ほどから彼のことをおもしろがって見ていた身としては、このまま放っておくのも忍びない。
3人は目配せした後、徐にそちらに近づき、彼と、揉めている3人の男たちの間に割って入った。
「ゴメンゴメン、遅くなっちゃって」
「何やってんの? こんなとこで」
待ち合わせに遅れたふりで声を掛けたのは、和衣。白々しい質問は翔真。そして亮は、何気なく男の手を彼の胸元から放す。
「何…」
あまりにも意外に登場してきた亮たち3人に、男たちも怒気を失ったようにポカンとしている。
ただ、彼だけはまだムッとした表情のままで。
3人組の男は、周囲の視線が自分たちに向いていることに気が付いたのか、顔を見合わせた後、すごすごと店を出ていった。
仲裁に入ろうとそばまで来ていた店員にも、他のお客たちにも安堵の表情が広がった。
「あ、睦月!」
静まり返った店内に、何とも言えない間抜けなタイミングで声が響いた。
店員もみんなこちらに注目していたため、3人組の男たちと入れ違いにお客が入ってきたことに気が付かなかったのだ。
聞こえた声は、そのお客が発したものだった。
ついそちらに視線を向ければ、今度は3人組の若い男。
「またナンパされてる」
「でも、男だろ?」
女ではないということを知ってしまった3人は、また彼がどんな行動を取るのか気になって、ダストボックスの前で止まって様子を窺った。
こっそりと聞き耳を立てていると、やはり3人組は彼をナンパしようとしているらしい。
しかし虫の居所の悪い彼は、ことごとくそれを無視している。反応がないことがおもしろくないのか、男たちの口調が徐々に荒くなっていく。
「あーあ、適当にあしらっちゃえばいいのに」
口を開けば男だということが分かるのだから、穏便にこの場を去って行ってくれるだろうに。
けれど彼は、返事を返すのも面倒臭いといった感じで、だんまりを決め込んでいる。
「おい、何か言えよ」
3人のうちの1人が、彼の肩を掴んで無理やり自分のほうを向けさせた。
「…うるせぇな」
ビックリするぐらいの、怒りに満ちた低い彼の声。関係ないはずの亮たち3人も、思わず竦み上がりそうだ。
「バカに付き合ってる暇なんかねぇんだよ」
持っていた紙コップをグシャッと握り潰して、彼は乱暴に立ち上がった。
「何だと、てめぇっ!」
さすがにこれには男たちもぶち切れて、先ほどとは逆に、男のほうが彼の胸倉を掴み上げた。周囲のお客たちも、ただならぬ雰囲気にざわつき始める。
「何か……まずくね?」
厄介ごとには出来るだけ係わりたくないが、先ほどから彼のことをおもしろがって見ていた身としては、このまま放っておくのも忍びない。
3人は目配せした後、徐にそちらに近づき、彼と、揉めている3人の男たちの間に割って入った。
「ゴメンゴメン、遅くなっちゃって」
「何やってんの? こんなとこで」
待ち合わせに遅れたふりで声を掛けたのは、和衣。白々しい質問は翔真。そして亮は、何気なく男の手を彼の胸元から放す。
「何…」
あまりにも意外に登場してきた亮たち3人に、男たちも怒気を失ったようにポカンとしている。
ただ、彼だけはまだムッとした表情のままで。
3人組の男は、周囲の視線が自分たちに向いていることに気が付いたのか、顔を見合わせた後、すごすごと店を出ていった。
仲裁に入ろうとそばまで来ていた店員にも、他のお客たちにも安堵の表情が広がった。
「あ、睦月!」
静まり返った店内に、何とも言えない間抜けなタイミングで声が響いた。
店員もみんなこちらに注目していたため、3人組の男たちと入れ違いにお客が入ってきたことに気が付かなかったのだ。
聞こえた声は、そのお客が発したものだった。
- 関連記事
-
- 四月 きっとなにかがはじまる (4) (2008/12/01)
- 四月 きっとなにかがはじまる (3) (2008/11/30)
- 四月 きっとなにかがはじまる (2) (2008/11/29)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 女の子みたいな
彼は睦月くんというのですね?!
なにやら結構な強気受けタイプのようで( ´艸`)ムププ♪
幼馴染3人組との接点が遂に出来てしまいましたね~。
素直にお礼はいわなそうだけど♪
いやぁ~面白いです!
続きが気になる読ませ方!!流石っす♪
なにやら結構な強気受けタイプのようで( ´艸`)ムププ♪
幼馴染3人組との接点が遂に出来てしまいましたね~。
素直にお礼はいわなそうだけど♪
いやぁ~面白いです!
続きが気になる読ませ方!!流石っす♪
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
またも私の萌を詰め込んだキャラに仕立てあげてしまいましたよ!
女の子に間違われるくらいかわいい顔して、「かわいい」て言われるのは嫌い! みたいな。
絶対に素直にお礼は言わないです…。
コメントありがとうございました!
女の子に間違われるくらいかわいい顔して、「かわいい」て言われるのは嫌い! みたいな。
絶対に素直にお礼は言わないです…。
コメントありがとうございました!