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ろくな愛をしらない 03
2008.01.27 Sun
【春原拓海】
「なー」
なるべくさりげなく、いつもどおりの雰囲気で。
トモの部屋。
勝手に転がったベッドで雑誌を読みながら、携帯電話を弄ってるトモに声を掛けた。
しっとりと雨の降る夜。
「何?」
携帯電話から顔も上げずに、トモが聞き返す。これもいつものこと。そう、すべてがいつもどおりだ。
「あのさぁ……お前、慶太と何かあった?」
人のことを詮索するつもりはないけど、今日のあまりにも慶太の様子がおかしかったから。
そんなにタフなほうじゃないから、疲れてる姿を見かけることはあるけど、だからってあんな風に人に当たるようなヤツじゃない。
昨日だって、メシ食いに行った先にトモがいたのに驚いて戸惑ってはいたけど、別にそれ以上のことはなかったはず…………少なくとも俺が帰るまでは。
「トモ?」
「慶太って……久住のこと?」
「そう。俺が帰った後、アイツに何かした?」
メールを送信し終えたのか、トモが顔を上げて俺のほうを向いた。
「別に」
あっさりと否定したトモは、携帯電話をローテーブルに置いて、ベッドに背中を預けた。
「でも珍しいじゃん。トモが慶太とメシ食いたいとか言い出して」
「そう? たまには違うメンツもいいかなと思って」
昨日、トモにメシを誘われたとき、たまたま慶太たちと先に約束があるからって伝えたら、一緒に行きたいだなんて言い出して。でも席に着いたら着いたで、トモは俺とばっかり話してるし。
「ホントに何もないんだな?」
「なーんも。俺が何かするわけないじゃん? あんなかわいくておもしろい子」
「…………お前、言い方がヤバイよ。何それ」
トモが、俺と違って男になんか興味がないこと知ってる。
なのに、この言い方。
慶太にかわいげがないとは言わないけれど、トモがわざわざ口に出してそんなこと言うなんて、不自然すぎる。
「……トモ。俺とお前は親友だよな?」
「何だよ、急に」
唐突な問いに、トモは苦笑いしてる。
でも俺はそれに笑い返してやる余裕もなくて。
「別に隠し事なんかしてないよな?」
「してねぇって。なぁ、また久住も誘って遊ぼうぜ?」
「はぁ!?」
思わずベッドの上で飛び起きた。
それを見て、トモはますます笑い出すけど。
「な、何で!?」
「何でって……お前こそ何なの、その反応。俺が久住と遊んじゃダメ?」
「そうじゃない、けど…」
今までこれと言って接点のなかったトモと慶太。
コイツは関係ないのにしょっちゅう学生会室に来てるけど、慶太と話なんかしてるとこ、見たことないし、プライベートで一緒になるなんて、きっと昨日が初めてだ。
でも、俺や歩がいる間に、2人がそんなに話してるようには見えなかったし、今日の慶太の様子からして、その後すごく仲良くなったようにも思えないんだけど。
「じゃあ、今度時間取れたらな? あ、俺、アイツの連絡先知らねぇから、拓海、うまく誘っといてよ。な?」
「あ……うん」
何これ。どうなってんの?
トモから話を聞き出すつもりが、何だかいいように丸め込まれてしまった…。
「トモー」
「あぁ?」
「何で慶太なの?」
「何が?」
分かっててそんな顔してるのか、本気で分かってないのか、トモは俺の質問に首を傾げるようにとぼけた顔をした。
あんな様子だったのに、慶太も別に何でもないふりをするし。
結局原因はトモじゃなかったってこと?
「何でもないならいいんだけどさ!」
ドサッとベッドに転がり、トモのほうを見る。
「だーってアイツ、おもしれぇんだもん」
ニヤリと笑ったトモの顔が、何となくだけど、知らない人の顔のように見えた。
「なー」
なるべくさりげなく、いつもどおりの雰囲気で。
トモの部屋。
勝手に転がったベッドで雑誌を読みながら、携帯電話を弄ってるトモに声を掛けた。
しっとりと雨の降る夜。
「何?」
携帯電話から顔も上げずに、トモが聞き返す。これもいつものこと。そう、すべてがいつもどおりだ。
「あのさぁ……お前、慶太と何かあった?」
人のことを詮索するつもりはないけど、今日のあまりにも慶太の様子がおかしかったから。
そんなにタフなほうじゃないから、疲れてる姿を見かけることはあるけど、だからってあんな風に人に当たるようなヤツじゃない。
昨日だって、メシ食いに行った先にトモがいたのに驚いて戸惑ってはいたけど、別にそれ以上のことはなかったはず…………少なくとも俺が帰るまでは。
「トモ?」
「慶太って……久住のこと?」
「そう。俺が帰った後、アイツに何かした?」
メールを送信し終えたのか、トモが顔を上げて俺のほうを向いた。
「別に」
あっさりと否定したトモは、携帯電話をローテーブルに置いて、ベッドに背中を預けた。
「でも珍しいじゃん。トモが慶太とメシ食いたいとか言い出して」
「そう? たまには違うメンツもいいかなと思って」
昨日、トモにメシを誘われたとき、たまたま慶太たちと先に約束があるからって伝えたら、一緒に行きたいだなんて言い出して。でも席に着いたら着いたで、トモは俺とばっかり話してるし。
「ホントに何もないんだな?」
「なーんも。俺が何かするわけないじゃん? あんなかわいくておもしろい子」
「…………お前、言い方がヤバイよ。何それ」
トモが、俺と違って男になんか興味がないこと知ってる。
なのに、この言い方。
慶太にかわいげがないとは言わないけれど、トモがわざわざ口に出してそんなこと言うなんて、不自然すぎる。
「……トモ。俺とお前は親友だよな?」
「何だよ、急に」
唐突な問いに、トモは苦笑いしてる。
でも俺はそれに笑い返してやる余裕もなくて。
「別に隠し事なんかしてないよな?」
「してねぇって。なぁ、また久住も誘って遊ぼうぜ?」
「はぁ!?」
思わずベッドの上で飛び起きた。
それを見て、トモはますます笑い出すけど。
「な、何で!?」
「何でって……お前こそ何なの、その反応。俺が久住と遊んじゃダメ?」
「そうじゃない、けど…」
今までこれと言って接点のなかったトモと慶太。
コイツは関係ないのにしょっちゅう学生会室に来てるけど、慶太と話なんかしてるとこ、見たことないし、プライベートで一緒になるなんて、きっと昨日が初めてだ。
でも、俺や歩がいる間に、2人がそんなに話してるようには見えなかったし、今日の慶太の様子からして、その後すごく仲良くなったようにも思えないんだけど。
「じゃあ、今度時間取れたらな? あ、俺、アイツの連絡先知らねぇから、拓海、うまく誘っといてよ。な?」
「あ……うん」
何これ。どうなってんの?
トモから話を聞き出すつもりが、何だかいいように丸め込まれてしまった…。
「トモー」
「あぁ?」
「何で慶太なの?」
「何が?」
分かっててそんな顔してるのか、本気で分かってないのか、トモは俺の質問に首を傾げるようにとぼけた顔をした。
あんな様子だったのに、慶太も別に何でもないふりをするし。
結局原因はトモじゃなかったってこと?
「何でもないならいいんだけどさ!」
ドサッとベッドに転がり、トモのほうを見る。
「だーってアイツ、おもしれぇんだもん」
ニヤリと笑ったトモの顔が、何となくだけど、知らない人の顔のように見えた。
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イチゴ ⇒ 拓海くん視点!
如月久美子 ⇒ >イチゴさん
拓海くん、悠ちゃんがいないときは、結構真面目でしょ? 意外と普通の人なんです (笑)
智紀さん、Sなうえに、サイテー男です! (爆)
これからちょっとずつでも変わってってくれれば…。
智紀さん、Sなうえに、サイテー男です! (爆)
これからちょっとずつでも変わってってくれれば…。