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君のことが好きだっていう話! (11)
2016.10.26 Wed
何か勘違いしているらしい和衣は、人に見られたら叶わない何かがあると考えているらしい。
確かに、寺社でお参りした際、その願いを人に言うと叶わないとか、絵馬を見るのは、神様へのお願いを盗み聞きしているからよろしくないとかいう話は聞く。
しかし、願い事を人に言うと叶わないというのは、話した相手がその願い事に対して否定的な反応をすると、自分もネガティブになるから叶いにくくなる、という説から来ているらしい。つまりは、参拝者自身の気持ち次第ということだ。
絵馬のほうも、デリカシーや配慮という点で、人が書いたものを勝手に見るのは気持ちのいいものではないが、起源から考えるだに、見られることを想定しているものだから、見ても構わないとも言う。
どちらにしても、和衣がここで誰かの短冊を見ようが、神社で誰かの絵馬を見ようが、見られた誰かの願いが叶わなくなるということは、少なくとも、広く世間に広まっている説の中にはなさそうだ。
「どうする? 今書く?」
「あ、え? あ、どうしよう、何書こう、考えてなかった」
「うん、だろうね」
和衣が短冊を見たばっかりに、その人の願い事が叶わなくなったら大問題だから、七夕飾りの短冊を見てもいいかどうか考えることは重要なことではあるけれど、それよりも今は自分の願い事を考えるほうが先だったのに、そのことは結局何も考えていなかった。
それを素直に祐介に打ち明けたら、あっさりと頷かれた。やはり祐介は、和衣の性格をよく分かっている。
「てか、短冊見られたら叶わなくなるとかだったら、和衣、書かないほうがいいじゃん」
「だよね!」
短冊に願い事を書きたくてここまで来たけれど、それを人に見られたら叶わなくなるのでは、書いて飾っている場合ではなかった。
至極当たり前のことだけれど、祐介にツッコまれて、和衣はようやく気付いた。
「だよねー!」
「どうする? 書かないにする?」
「んーん、書く。大丈夫、人に見れても、叶うよ!」
自分に言い聞かせるようにそう言う和衣に、祐介は笑った。
「えっと、何書く…、あ、時間! 大丈夫?」
「すぐ書けば大丈夫だと思うけど」
「すぐ書けない! まだ何も考えてない!」
テーブルのほうへ向かおうとした和衣は、頭を抱えた。
余計なことばかり考えて、肝心なことが進まなくなるのは、和衣にしたらよくあることだ。
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確かに、寺社でお参りした際、その願いを人に言うと叶わないとか、絵馬を見るのは、神様へのお願いを盗み聞きしているからよろしくないとかいう話は聞く。
しかし、願い事を人に言うと叶わないというのは、話した相手がその願い事に対して否定的な反応をすると、自分もネガティブになるから叶いにくくなる、という説から来ているらしい。つまりは、参拝者自身の気持ち次第ということだ。
絵馬のほうも、デリカシーや配慮という点で、人が書いたものを勝手に見るのは気持ちのいいものではないが、起源から考えるだに、見られることを想定しているものだから、見ても構わないとも言う。
どちらにしても、和衣がここで誰かの短冊を見ようが、神社で誰かの絵馬を見ようが、見られた誰かの願いが叶わなくなるということは、少なくとも、広く世間に広まっている説の中にはなさそうだ。
「どうする? 今書く?」
「あ、え? あ、どうしよう、何書こう、考えてなかった」
「うん、だろうね」
和衣が短冊を見たばっかりに、その人の願い事が叶わなくなったら大問題だから、七夕飾りの短冊を見てもいいかどうか考えることは重要なことではあるけれど、それよりも今は自分の願い事を考えるほうが先だったのに、そのことは結局何も考えていなかった。
それを素直に祐介に打ち明けたら、あっさりと頷かれた。やはり祐介は、和衣の性格をよく分かっている。
「てか、短冊見られたら叶わなくなるとかだったら、和衣、書かないほうがいいじゃん」
「だよね!」
短冊に願い事を書きたくてここまで来たけれど、それを人に見られたら叶わなくなるのでは、書いて飾っている場合ではなかった。
至極当たり前のことだけれど、祐介にツッコまれて、和衣はようやく気付いた。
「だよねー!」
「どうする? 書かないにする?」
「んーん、書く。大丈夫、人に見れても、叶うよ!」
自分に言い聞かせるようにそう言う和衣に、祐介は笑った。
「えっと、何書く…、あ、時間! 大丈夫?」
「すぐ書けば大丈夫だと思うけど」
「すぐ書けない! まだ何も考えてない!」
テーブルのほうへ向かおうとした和衣は、頭を抱えた。
余計なことばかり考えて、肝心なことが進まなくなるのは、和衣にしたらよくあることだ。
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