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君のことが好きだっていう話! (7)
2016.10.18 Tue
「何でそんな顔してんの? そんなに祐介くんに言いづらいの? 自分の行きたい場所に祐介くん誘うの」
「そうじゃないど…。いっつもね、お出掛けするときね、祐介が決めてくれるからね、今回はね、俺が星見たい! て思ったから、俺がしっかり決めて、祐介を誘いたかったの」
「いっつも祐介くんが決めてんの? カズちゃん、自分が行きたいとことか、祐介くんに言わないの?」
「言わなくはないけど、何か全然決めらんなくてね、結局、最終的に祐介が決める」
「なるほど…」
『どうやって祐介のこと誘ったらいいかな!?』と本気で悩んでいる和衣が、先ほど蒼一郎に見せたような姿を祐介の前で晒すとは思えないが、行き先を決められなくて唸っている姿なら、想像に難くない。
そういえば睦月が時々、和衣の優柔不断さについてぼやいていて、それを聞くたびに、大袈裟な…と思っていたのだが、存外そうでもないようだと、蒼一郎は今回、身を以てそれを知った。
1人で何も決められないくせに、人の意見にすんなり従うかといえば、『それもいいけど、こっちも捨てがたい』みたいな感じで、延々と悩み続けるタイプだ。
あの気の短い睦月が、よく付き合ってやっているものだ。
「まぁ、カズちゃんが自分で決めて祐介くんを誘おう、てのを止めるつもりはないけど、だったら、お願いだから自分1人で決めてね」
「あぅ…」
和衣の優柔不断ぶりに嫌気が差して、一緒に探すのを拒んだわけではない(…わけでもない)が、もし蒼一郎が一緒に探してくれるとなったら、結局和衣は最終的な決断を蒼一郎に委ねるような気がするのだ。
別に選んでやってもいいけれど、それを和衣と祐介が見に行くというのは、やはり違う気がして。蒼一郎が自分で体験したことがすごくよくて、2人に勧めるのとは違うし。
しかも、蒼一郎が選んだのが2人の好みでなかったら…、それこそ2人とも優しいから、そのことで何か言うことはないだろうけど、蒼一郎の気持ち的にもやっぱり嫌だ。
「や…やっぱ祐介に言おっかな、ぷらねたりゅーむ見たい、て…」
「そのほうがいいんじゃない? そのほうが、祐介くんの好みも反映できるじゃん」
やはり1人で決められる自信はないようで、和衣は眉を下げてそう言った。
もしかしたら、結局いつもどおり、最後は祐介が決めることになるかもしれないけれど、それが2人の自然な姿なのなら、それを無理に変える必要なんてない。
蒼一郎が思うに、和衣が気にするほど、祐介は和衣の優柔不断に付き合わされるのを嫌がってはいないだろう。
(何ていうか…、そういうところも含めて好きになった的な?)
何か俺、今うまいこと言った! と蒼一郎が1人満足気な顔をしているのに気付かず、和衣は「師匠、ありがとう!」と言いながら、部屋を飛び出していった。
蒼一郎と和衣は、最後まであまりうまく噛み合わないままだったのかもしれない。
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「そうじゃないど…。いっつもね、お出掛けするときね、祐介が決めてくれるからね、今回はね、俺が星見たい! て思ったから、俺がしっかり決めて、祐介を誘いたかったの」
「いっつも祐介くんが決めてんの? カズちゃん、自分が行きたいとことか、祐介くんに言わないの?」
「言わなくはないけど、何か全然決めらんなくてね、結局、最終的に祐介が決める」
「なるほど…」
『どうやって祐介のこと誘ったらいいかな!?』と本気で悩んでいる和衣が、先ほど蒼一郎に見せたような姿を祐介の前で晒すとは思えないが、行き先を決められなくて唸っている姿なら、想像に難くない。
そういえば睦月が時々、和衣の優柔不断さについてぼやいていて、それを聞くたびに、大袈裟な…と思っていたのだが、存外そうでもないようだと、蒼一郎は今回、身を以てそれを知った。
1人で何も決められないくせに、人の意見にすんなり従うかといえば、『それもいいけど、こっちも捨てがたい』みたいな感じで、延々と悩み続けるタイプだ。
あの気の短い睦月が、よく付き合ってやっているものだ。
「まぁ、カズちゃんが自分で決めて祐介くんを誘おう、てのを止めるつもりはないけど、だったら、お願いだから自分1人で決めてね」
「あぅ…」
和衣の優柔不断ぶりに嫌気が差して、一緒に探すのを拒んだわけではない(…わけでもない)が、もし蒼一郎が一緒に探してくれるとなったら、結局和衣は最終的な決断を蒼一郎に委ねるような気がするのだ。
別に選んでやってもいいけれど、それを和衣と祐介が見に行くというのは、やはり違う気がして。蒼一郎が自分で体験したことがすごくよくて、2人に勧めるのとは違うし。
しかも、蒼一郎が選んだのが2人の好みでなかったら…、それこそ2人とも優しいから、そのことで何か言うことはないだろうけど、蒼一郎の気持ち的にもやっぱり嫌だ。
「や…やっぱ祐介に言おっかな、ぷらねたりゅーむ見たい、て…」
「そのほうがいいんじゃない? そのほうが、祐介くんの好みも反映できるじゃん」
やはり1人で決められる自信はないようで、和衣は眉を下げてそう言った。
もしかしたら、結局いつもどおり、最後は祐介が決めることになるかもしれないけれど、それが2人の自然な姿なのなら、それを無理に変える必要なんてない。
蒼一郎が思うに、和衣が気にするほど、祐介は和衣の優柔不断に付き合わされるのを嫌がってはいないだろう。
(何ていうか…、そういうところも含めて好きになった的な?)
何か俺、今うまいこと言った! と蒼一郎が1人満足気な顔をしているのに気付かず、和衣は「師匠、ありがとう!」と言いながら、部屋を飛び出していった。
蒼一郎と和衣は、最後まであまりうまく噛み合わないままだったのかもしれない。
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