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彼の愛情表現は分かりづらい (19)
2016.07.12 Tue
「てっ…ていうか! だったら今日は、俺が大和くんのこと連れてく!」
「は? 何が?」
「俺が大和くんのことお姫様抱っこして、連れてく!」
「え、ちょっ、それは…」
何をどうしたらそういう発想になるのか、突然の千尋の宣言に、大和は戸惑いを隠せない。
千尋だってすごく鍛えているから、大和をお姫様抱っこできないとは思わないけれど、今は酔っ払って、普通に歩くのだって、足元がちょっと覚束ないくらいなんだから、絶対にやめてもらいたい。
しかし、それをどうやって千尋に伝えたらいいものか…。
「何? 大和くんは、俺には出来ないと思ってんのっ?」
大和の困惑した表情を、そういうふうに解釈したのか、千尋が思い切りむくれた。
まずい、千尋の負けず嫌いに火を点けたかもしれない…。
「いや、ちーちゃん、あのね、別にちーちゃんがお姫様抱っこできないとは思ってないけど、でもホラ、俺別に潰れたわけじゃないし…、自分で歩いていけるから…」
「ホラ~、やっぱ出来ないと思ってるんだぁ~!」
「違う違う、思ってないって」
「じゃあやるっ!」
千尋はグラスに残っていたシャンパンを呷ると(半分は入っていた…)、乱暴にグラスを置いて、椅子を鳴らして立ち上がった…………まではよかった。
「ふわっ…」
勢いよく立ち上がったせいで酒が一気に回ったのか、いやそれ以前に、飲み過ぎていたというのも十分にあるが、千尋の体がクラリと傾いた。
「ちょっ!!」
目の前の出来事に大和は瞬時に反応し、持っていた箸を投げ出して、千尋に駆け寄った。
千尋の体は、床に倒れ込む前に、大和に無事抱き留められたのだった。
「ちーちゃんっ!」
「ふに…、何れぇ…?」
とりあえず千尋にケガもなさそうで大和はホッとするが、千尋は自分が何でこんなことになったのかさっぱり分かっていないようで、ポワンとしながら大和を見ていた。
「何でじゃないよ、めっちゃ飲んだんだから、当たり前でしょ」
「れも、豆腐も食ったし…」
「いや…」
もはや豆腐が何の免罪符にもならないほど飲んでいる自覚がないところが怖い。
それでも千尋は、自宅か遥希の家以外で飲むとき、南條がいなければ泥酔することがないので、それだけが救いなのだが、逆を言えば、気を抜ける状況であれば、いくらでも飲んでしまうということなのだ。
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「は? 何が?」
「俺が大和くんのことお姫様抱っこして、連れてく!」
「え、ちょっ、それは…」
何をどうしたらそういう発想になるのか、突然の千尋の宣言に、大和は戸惑いを隠せない。
千尋だってすごく鍛えているから、大和をお姫様抱っこできないとは思わないけれど、今は酔っ払って、普通に歩くのだって、足元がちょっと覚束ないくらいなんだから、絶対にやめてもらいたい。
しかし、それをどうやって千尋に伝えたらいいものか…。
「何? 大和くんは、俺には出来ないと思ってんのっ?」
大和の困惑した表情を、そういうふうに解釈したのか、千尋が思い切りむくれた。
まずい、千尋の負けず嫌いに火を点けたかもしれない…。
「いや、ちーちゃん、あのね、別にちーちゃんがお姫様抱っこできないとは思ってないけど、でもホラ、俺別に潰れたわけじゃないし…、自分で歩いていけるから…」
「ホラ~、やっぱ出来ないと思ってるんだぁ~!」
「違う違う、思ってないって」
「じゃあやるっ!」
千尋はグラスに残っていたシャンパンを呷ると(半分は入っていた…)、乱暴にグラスを置いて、椅子を鳴らして立ち上がった…………まではよかった。
「ふわっ…」
勢いよく立ち上がったせいで酒が一気に回ったのか、いやそれ以前に、飲み過ぎていたというのも十分にあるが、千尋の体がクラリと傾いた。
「ちょっ!!」
目の前の出来事に大和は瞬時に反応し、持っていた箸を投げ出して、千尋に駆け寄った。
千尋の体は、床に倒れ込む前に、大和に無事抱き留められたのだった。
「ちーちゃんっ!」
「ふに…、何れぇ…?」
とりあえず千尋にケガもなさそうで大和はホッとするが、千尋は自分が何でこんなことになったのかさっぱり分かっていないようで、ポワンとしながら大和を見ていた。
「何でじゃないよ、めっちゃ飲んだんだから、当たり前でしょ」
「れも、豆腐も食ったし…」
「いや…」
もはや豆腐が何の免罪符にもならないほど飲んでいる自覚がないところが怖い。
それでも千尋は、自宅か遥希の家以外で飲むとき、南條がいなければ泥酔することがないので、それだけが救いなのだが、逆を言えば、気を抜ける状況であれば、いくらでも飲んでしまうということなのだ。
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