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彼の愛情表現は分かりづらい (20)
2016.07.13 Wed
「大丈夫? 気持ち悪くない?」
「ない…」
「え、ちょ、ちーちゃん?」
千尋が無事ならそれでいいけれど、もうこのままベッドに連れて行こうと思ったのに、なぜか千尋が自力で立ち上がろうとしているから、大和は慌てた。
まさか、まだ大和をお姫様抱っこするという野望を捨てていないわけじゃないよね?
「ちーちゃ…、あの、だからね、ちーちゃんがお姫様抱っこできないとか思ってな…」
「らいじょーぶだから、俺、もーベッド行く…」
「え? うん、いや…、え?」
モタモタとジタバタしながら大和の腕を抜け出した千尋が、何とか進もうとしたのはベッドルームの方向で、大和は、そこでようやく先ほどの自分のセリフを思い出した。
千尋が大和のことをお姫様抱っこできるとかどうとか言う直前、『お願いだから、今日はちゃんと自分でベッドまで行ってよ?』と千尋のことを窘めたのだ。
あーもう、何でこんなときに、そんなこと思い出すかな。
「ちーちゃん、ちーちゃん、今日は俺が連れてくから。自力で行くの、また今度にしよ? ね?」
ベッドルームまでは大した距離ではないが、立った拍子に、先ほどのように倒れそうになったのでは、大和のほうが冷や冷やして心臓に悪い。
千尋が大和にお姫様抱っこされたくないと言うなら肩を貸すから、とにかく1人で行こうとしないで。
「らってぇ~…」
「ね? 今日は俺にさせて? 今度のとき、ちーちゃんが俺のことお姫様抱っこしてよ。ね? いいでしょ?」
たとえ相手が千尋とはいえ、自分がお姫様抱っこされている状況というのはドン引きなのだが、こうでも言わないと千尋が聞き入れてくれなそうなので、大和は仕方なく提案した。
「ね?」
「…ん、」
千尋も意地になって歩こうとしていたようだけれど、もう全然足に力が入らないことは自分でも分かっているのだろう、素直に頷いた。
大和は、クタンとなっている千尋を抱き上げると、腕の中で大人しくしている千尋を連れて、ベッドルームへ向かった。
お姫様抱っこは、するほうにももちろんコツがあるが、実はされる側にもコツがあって、抱き上げるときにタイミングを合わせてくれたり、体の力を抜かずにいてくれたりすると、だいぶやりやすい。
あとは、変な意味でなく、お姫様抱っこする側の首に腕を回すとかしてしがみ付いてくれると、そこそこ体重が重くても、抱き上げられる。
たとえ赤ん坊でも、眠って体の力が抜けると、その全体重が抱っこしている人にすべて掛かってしまうので、非常に重たいものなのだ。
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「ない…」
「え、ちょ、ちーちゃん?」
千尋が無事ならそれでいいけれど、もうこのままベッドに連れて行こうと思ったのに、なぜか千尋が自力で立ち上がろうとしているから、大和は慌てた。
まさか、まだ大和をお姫様抱っこするという野望を捨てていないわけじゃないよね?
「ちーちゃ…、あの、だからね、ちーちゃんがお姫様抱っこできないとか思ってな…」
「らいじょーぶだから、俺、もーベッド行く…」
「え? うん、いや…、え?」
モタモタとジタバタしながら大和の腕を抜け出した千尋が、何とか進もうとしたのはベッドルームの方向で、大和は、そこでようやく先ほどの自分のセリフを思い出した。
千尋が大和のことをお姫様抱っこできるとかどうとか言う直前、『お願いだから、今日はちゃんと自分でベッドまで行ってよ?』と千尋のことを窘めたのだ。
あーもう、何でこんなときに、そんなこと思い出すかな。
「ちーちゃん、ちーちゃん、今日は俺が連れてくから。自力で行くの、また今度にしよ? ね?」
ベッドルームまでは大した距離ではないが、立った拍子に、先ほどのように倒れそうになったのでは、大和のほうが冷や冷やして心臓に悪い。
千尋が大和にお姫様抱っこされたくないと言うなら肩を貸すから、とにかく1人で行こうとしないで。
「らってぇ~…」
「ね? 今日は俺にさせて? 今度のとき、ちーちゃんが俺のことお姫様抱っこしてよ。ね? いいでしょ?」
たとえ相手が千尋とはいえ、自分がお姫様抱っこされている状況というのはドン引きなのだが、こうでも言わないと千尋が聞き入れてくれなそうなので、大和は仕方なく提案した。
「ね?」
「…ん、」
千尋も意地になって歩こうとしていたようだけれど、もう全然足に力が入らないことは自分でも分かっているのだろう、素直に頷いた。
大和は、クタンとなっている千尋を抱き上げると、腕の中で大人しくしている千尋を連れて、ベッドルームへ向かった。
お姫様抱っこは、するほうにももちろんコツがあるが、実はされる側にもコツがあって、抱き上げるときにタイミングを合わせてくれたり、体の力を抜かずにいてくれたりすると、だいぶやりやすい。
あとは、変な意味でなく、お姫様抱っこする側の首に腕を回すとかしてしがみ付いてくれると、そこそこ体重が重くても、抱き上げられる。
たとえ赤ん坊でも、眠って体の力が抜けると、その全体重が抱っこしている人にすべて掛かってしまうので、非常に重たいものなのだ。
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