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彼の愛情表現は分かりづらい (18)
2016.07.09 Sat
まだ付き合う前、千尋が大和の鍛え上げられた筋肉に抱き締められ、気を失ってしまった事件が何度かあり、そのときに大和に抱き上げられたことならある。
だから、大和からまったくお姫様抱っこをされたことがないとは言わないが、だからと言って、そんなにしょっちゅうされているわけではない。大和がお姫様抱っこ慣れするほどには、されていない。
…と主張する千尋を、大和は、やっぱりな…という思いで見つめた。
「ちょっ、何! 何で俺が悪いみたいな顔してんの、大和くん!」
「別に、ちーちゃんが悪いとは思ってないし、そんな顔もしてないよ。いや、やっぱ覚えてるわけないよねぇ、と思って」
「何それ! 何が!? お覚えてないとか、何!?」
千尋のほうが機嫌を悪くして怒っていたはずなのに、どうやら自分に思い出せない何かがあると感じ取った瞬間、千尋はあたふたし出した。形勢が逆転しそうなことを悟ったに違いない。
「いや、そういうとき、大体ちーちゃん寝てるから…、酔っ払って」
「……ぁ……」
かつて、大和の筋肉のせいで(…と言われても、大和にしたら言いがかりだが)気を失った千尋をお姫様抱っこしたことはあるけれど、それ以降は、酔い潰れた千尋をベッドに運ぶときだ。
もちろん、肩を貸すなりおんぶするなり、方法は他にもあるのだが、寝ている千尋に肩を貸しても自力で歩かないし、おんぶも、1度その最中に千尋が背中で身じろいで落っこちそうになってから、怖くてやめた。
「あ…ぅ…」
言われて千尋は、口を半開きにしたまま固まっていた。
まぁ、それはそうだろう。一体誰にそんなに慣れるほどしょっちゅうお姫様抱っこをしているのだと詰め寄ったら、酔っ払った自分をベッドに運んでいたからだと知ったのだから。
「あの…、その…、ありがとうございます…」
大和から目を逸らし、千尋がボソボソと謝る。
ただ、気まずさを紛らわしたかっただけなのかもしれないが、謝ったそばからシャンパンのグラスに口を付けているあたり…。
「お願いだから、今日はちゃんと自分でベッドまで行ってよ?」
「い…行くしっ」
また性懲りもなくシャンパンを飲み始めたことに自分でも気が付いたのか、千尋はサッとグラスを置いて、豆腐を食べ始めた。
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だから、大和からまったくお姫様抱っこをされたことがないとは言わないが、だからと言って、そんなにしょっちゅうされているわけではない。大和がお姫様抱っこ慣れするほどには、されていない。
…と主張する千尋を、大和は、やっぱりな…という思いで見つめた。
「ちょっ、何! 何で俺が悪いみたいな顔してんの、大和くん!」
「別に、ちーちゃんが悪いとは思ってないし、そんな顔もしてないよ。いや、やっぱ覚えてるわけないよねぇ、と思って」
「何それ! 何が!? お覚えてないとか、何!?」
千尋のほうが機嫌を悪くして怒っていたはずなのに、どうやら自分に思い出せない何かがあると感じ取った瞬間、千尋はあたふたし出した。形勢が逆転しそうなことを悟ったに違いない。
「いや、そういうとき、大体ちーちゃん寝てるから…、酔っ払って」
「……ぁ……」
かつて、大和の筋肉のせいで(…と言われても、大和にしたら言いがかりだが)気を失った千尋をお姫様抱っこしたことはあるけれど、それ以降は、酔い潰れた千尋をベッドに運ぶときだ。
もちろん、肩を貸すなりおんぶするなり、方法は他にもあるのだが、寝ている千尋に肩を貸しても自力で歩かないし、おんぶも、1度その最中に千尋が背中で身じろいで落っこちそうになってから、怖くてやめた。
「あ…ぅ…」
言われて千尋は、口を半開きにしたまま固まっていた。
まぁ、それはそうだろう。一体誰にそんなに慣れるほどしょっちゅうお姫様抱っこをしているのだと詰め寄ったら、酔っ払った自分をベッドに運んでいたからだと知ったのだから。
「あの…、その…、ありがとうございます…」
大和から目を逸らし、千尋がボソボソと謝る。
ただ、気まずさを紛らわしたかっただけなのかもしれないが、謝ったそばからシャンパンのグラスに口を付けているあたり…。
「お願いだから、今日はちゃんと自分でベッドまで行ってよ?」
「い…行くしっ」
また性懲りもなくシャンパンを飲み始めたことに自分でも気が付いたのか、千尋はサッとグラスを置いて、豆腐を食べ始めた。
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