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くだらない明日にドロップキック (13)
2016.03.14 Mon
「純平?」
「あ…、いや、あのっ…」
板屋越に名前を呼ばれた純平は、そこでハッとした。俄かには信じがたいが、どうやら自分は今、板屋越に見惚れていたらしい。
「何だよ」
「何でもないですっ…」
「何でもないことないだろ」
焦って両手を顔の前で振ったら、掛けていたふとんがずり落ちて、今度は慌ててそれを引っ張る。1人でバタバタしている純平に、板屋越は薄く笑ってタバコに火を点けた。たったそれだけのことだ。それだけのことで、目が覚めてから散々ぐじぐじと考えて来たことが、急に1つの答えとなって、ストンと純平の頭の中に落ちて来た。
(あぁ…)
好きなのだ、この人が。
昨日一緒に飲んで楽しかったことも、理由は分からないがセックスをしたことも、無様に慌てる様を笑われたことも、自分とは正反対だと感じたことも、みんな含めて。
「好きです、板屋越さん」
そして気が付けば、そんな言葉が口から零れ落ちていた。目の前の板屋越が、キョトンと瞬きを2, 3度したのを見て、しまった、と気が付いた。何言うてんねん俺! と思った。だが、遅かった。言ってしまった。その想いに偽りはなかったが、こんな状況下で、少なくとも素っ裸で言うセリフではなかった。けれど。
「なら、付き合うか――――純平」
純平が、自分の発したセリフに慌てふためくよりも早く、口の端をニヤリと上げた板屋越がそう答えたものだから、純平の心臓は、それこそ乙女のように音を立てた。あ、と思ったときにはもう、より深いところまで堕ちていた。タバコの煙が、昇っては消えていく。
*END*
back
タイトルは明日から。自給自足。
「あ…、いや、あのっ…」
板屋越に名前を呼ばれた純平は、そこでハッとした。俄かには信じがたいが、どうやら自分は今、板屋越に見惚れていたらしい。
「何だよ」
「何でもないですっ…」
「何でもないことないだろ」
焦って両手を顔の前で振ったら、掛けていたふとんがずり落ちて、今度は慌ててそれを引っ張る。1人でバタバタしている純平に、板屋越は薄く笑ってタバコに火を点けた。たったそれだけのことだ。それだけのことで、目が覚めてから散々ぐじぐじと考えて来たことが、急に1つの答えとなって、ストンと純平の頭の中に落ちて来た。
(あぁ…)
好きなのだ、この人が。
昨日一緒に飲んで楽しかったことも、理由は分からないがセックスをしたことも、無様に慌てる様を笑われたことも、自分とは正反対だと感じたことも、みんな含めて。
「好きです、板屋越さん」
そして気が付けば、そんな言葉が口から零れ落ちていた。目の前の板屋越が、キョトンと瞬きを2, 3度したのを見て、しまった、と気が付いた。何言うてんねん俺! と思った。だが、遅かった。言ってしまった。その想いに偽りはなかったが、こんな状況下で、少なくとも素っ裸で言うセリフではなかった。けれど。
「なら、付き合うか――――純平」
純平が、自分の発したセリフに慌てふためくよりも早く、口の端をニヤリと上げた板屋越がそう答えたものだから、純平の心臓は、それこそ乙女のように音を立てた。あ、と思ったときにはもう、より深いところまで堕ちていた。タバコの煙が、昇っては消えていく。
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