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くだらない明日にドロップキック (6)
2016.03.05 Sat
コントのようなお手本の千鳥足で店を出ると、逢坂がタクシーを捕まえて、槇村を押し込んだ。そしてちゃっかり自分もそれに乗り込んで帰って行ったことなら、純平の記憶にも残っている。純平と板屋越が残されて、同じようにタクシーを拾ったことも、朧げながら覚えている。だが、その後が分からない。
家の方向が同じなら、1つのタクシーに乗る意味もあるが、そうでないなら――――実際がそうであったとしても、互いの家の場所を知らないのなら、別々のタクシーに乗るのが普通だろう。だから本来ならば、純平と板屋越は店の前で別れて、それぞれの場所に帰っているはずだった。
しかし、ベロベロに酔っ払った人間の思考回路などまったく使い物にならないわけで、何を思ったのか、純平と板屋越も、槇村たちと同様に同じタクシーに乗ってしまったのだ。いや、そうした覚えはないが、結果から推測するに、そうとしか考えられなかった。でなければ、純平が板屋越の家になどいるはずがない。
どちらが運転手に行き先を告げたのか分からないが、最終的に行き着いた場所が板屋越の家だった以上、板屋越なのだろう。板屋越が家に来いと言ったのか、純平が行きたいと言ったのかは分からない。2人で飲み直そうという話にでもなったのかもしれないが、それも分からない。
純平の記憶は、4人で居酒屋を出た後、槇村と逢坂を見送り、タクシーを拾ったところまでしかないのだ。
次に気付いたときにはもう、熱い吐息を零しながら喘ぐ板屋越が下にいて、2人はセックスをしていたのである。そこに至るまでの記憶は、驚くほどきれいさっぱりと抜け落ちている。
純平は今までに男とセックスをしたいと思ったことはないし、どれほど酔って正体をなくそうとも、酔いに任せて女の子を抱いたこともないから、自分から板屋越を誘ったとは思えないのだが、かといって、板屋越に誘われて、それに乗ったとも思えない。いや、思いたくない。
しかし、どちらが誘ったにしろ、相手がそれを受け入れたのでなければこの状況はあり得ないのだから、願いとは裏腹に、純平の望んでいない現実がそこにはあったのだろう。
酔った勢いで――――なんてことはドラマやマンガでは聞くけれど、現実にも起こり得るのだなんて思ってもみなかったし、それを自分自身で経験するはめになるとも思っていなかった。
「純平ッ…!」
切羽詰った声を上げて板屋越は純平にしがみ付き、互いの腹の間で熱を弾けさせた。そのキツイ締め付けに、純平も奥歯を噛み締め、薄い皮膜越しに板屋越の最奥に精を放ったのだった。
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家の方向が同じなら、1つのタクシーに乗る意味もあるが、そうでないなら――――実際がそうであったとしても、互いの家の場所を知らないのなら、別々のタクシーに乗るのが普通だろう。だから本来ならば、純平と板屋越は店の前で別れて、それぞれの場所に帰っているはずだった。
しかし、ベロベロに酔っ払った人間の思考回路などまったく使い物にならないわけで、何を思ったのか、純平と板屋越も、槇村たちと同様に同じタクシーに乗ってしまったのだ。いや、そうした覚えはないが、結果から推測するに、そうとしか考えられなかった。でなければ、純平が板屋越の家になどいるはずがない。
どちらが運転手に行き先を告げたのか分からないが、最終的に行き着いた場所が板屋越の家だった以上、板屋越なのだろう。板屋越が家に来いと言ったのか、純平が行きたいと言ったのかは分からない。2人で飲み直そうという話にでもなったのかもしれないが、それも分からない。
純平の記憶は、4人で居酒屋を出た後、槇村と逢坂を見送り、タクシーを拾ったところまでしかないのだ。
次に気付いたときにはもう、熱い吐息を零しながら喘ぐ板屋越が下にいて、2人はセックスをしていたのである。そこに至るまでの記憶は、驚くほどきれいさっぱりと抜け落ちている。
純平は今までに男とセックスをしたいと思ったことはないし、どれほど酔って正体をなくそうとも、酔いに任せて女の子を抱いたこともないから、自分から板屋越を誘ったとは思えないのだが、かといって、板屋越に誘われて、それに乗ったとも思えない。いや、思いたくない。
しかし、どちらが誘ったにしろ、相手がそれを受け入れたのでなければこの状況はあり得ないのだから、願いとは裏腹に、純平の望んでいない現実がそこにはあったのだろう。
酔った勢いで――――なんてことはドラマやマンガでは聞くけれど、現実にも起こり得るのだなんて思ってもみなかったし、それを自分自身で経験するはめになるとも思っていなかった。
「純平ッ…!」
切羽詰った声を上げて板屋越は純平にしがみ付き、互いの腹の間で熱を弾けさせた。そのキツイ締め付けに、純平も奥歯を噛み締め、薄い皮膜越しに板屋越の最奥に精を放ったのだった。
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