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くだらない明日にドロップキック (3)
2016.03.02 Wed
「あの…、別にいいんですけど、何で僕の話を…? というか、そもそもどちら様…?」
いくら相手が自分のことを知り合いだと思い込んでいたとしても、実際にはそうでなかったのだから、一体誰なのかを聞いても差し支えはないだろう。そして、なぜ自分の話で盛り上がったのか(盛り上がったとは言っていないが、その後、板屋越に知り合いだと思われたくらいなのだから、盛り上がったに違いない)、その部分に触れてもいいはずだ。
「何で、て……何か央の話から広がったんじゃなかったか?」
「えぇっ!?」
央といえば、純平の弟である央のことに違いないが、単純に槇村と逢坂の知り合いに純平がいるから、3人の中で純平のことが話題になっていたのかと思いきや、央のことから派生して純平の話になったとは、思っていたのと話の順番が違った。
槇村も、央と付き合うまでには散々悩んで、逢坂にも相談していたが、それと同じように板屋越にも話していたというのか。しかし、そもそも純平のことを知っている逢坂と違って、板屋越は純平も央も知らないのだから、話したところで…という気がするし、そこまで純平の話題で盛り上がれるだろうか、とも思う。まさかいろいろ話しているうちに、板屋越は央のことすら知り合いだと思い込んでいるのではなかろうか。
「えと、あの、…………」
ウチの央ちゃんとも知り合いで? それとも知り合いだと思い込んでいるのですか? と尋ねようとして、純平は未だに板屋越の名前を知り得ていなかったことに気付く。相手はやたらと自分の――――自分たち兄弟のことを知っているようだが、こちらは全然知らないというのは、何だか変な気分だ。
「えとー……おたくさんは、」
「板屋越」
「え?」
「板屋越なつめ」
「あ、あぁ…」
唐突に言うものだから、一瞬何のことか分からなかったが、どうやら彼は自己紹介――――というにはまだ言葉が足りなかったが、ひとまず名乗ってはくれたようだ。何となく言い淀んだ純平の心を察してくれたのか、ただ単に『おたくさんは』と言われたのが嫌だったのかは分からない。
「板屋越さんは、ウチの央ちゃんのことを知って……いや、話を聞いてとかでなく、その、」
「ん? あぁお前知らんのか」
「え?」
「俺、アレですけど。お前の央ちゃんの、担任の先生ですけど」
「うえぇぇ!!??」
純平が『ウチの央ちゃん』と言ったのは、弟という意味で言ったのであって、別に自分のものだと主張したかったわけではないのだが、そこに突っ込むよりももっと重大なことをサラリと言われ、突っ込みそびれた上に変な声を出してしまった。おかげで、隣の逢坂から、「うるさい」とど突かれるはめになった。
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いくら相手が自分のことを知り合いだと思い込んでいたとしても、実際にはそうでなかったのだから、一体誰なのかを聞いても差し支えはないだろう。そして、なぜ自分の話で盛り上がったのか(盛り上がったとは言っていないが、その後、板屋越に知り合いだと思われたくらいなのだから、盛り上がったに違いない)、その部分に触れてもいいはずだ。
「何で、て……何か央の話から広がったんじゃなかったか?」
「えぇっ!?」
央といえば、純平の弟である央のことに違いないが、単純に槇村と逢坂の知り合いに純平がいるから、3人の中で純平のことが話題になっていたのかと思いきや、央のことから派生して純平の話になったとは、思っていたのと話の順番が違った。
槇村も、央と付き合うまでには散々悩んで、逢坂にも相談していたが、それと同じように板屋越にも話していたというのか。しかし、そもそも純平のことを知っている逢坂と違って、板屋越は純平も央も知らないのだから、話したところで…という気がするし、そこまで純平の話題で盛り上がれるだろうか、とも思う。まさかいろいろ話しているうちに、板屋越は央のことすら知り合いだと思い込んでいるのではなかろうか。
「えと、あの、…………」
ウチの央ちゃんとも知り合いで? それとも知り合いだと思い込んでいるのですか? と尋ねようとして、純平は未だに板屋越の名前を知り得ていなかったことに気付く。相手はやたらと自分の――――自分たち兄弟のことを知っているようだが、こちらは全然知らないというのは、何だか変な気分だ。
「えとー……おたくさんは、」
「板屋越」
「え?」
「板屋越なつめ」
「あ、あぁ…」
唐突に言うものだから、一瞬何のことか分からなかったが、どうやら彼は自己紹介――――というにはまだ言葉が足りなかったが、ひとまず名乗ってはくれたようだ。何となく言い淀んだ純平の心を察してくれたのか、ただ単に『おたくさんは』と言われたのが嫌だったのかは分からない。
「板屋越さんは、ウチの央ちゃんのことを知って……いや、話を聞いてとかでなく、その、」
「ん? あぁお前知らんのか」
「え?」
「俺、アレですけど。お前の央ちゃんの、担任の先生ですけど」
「うえぇぇ!!??」
純平が『ウチの央ちゃん』と言ったのは、弟という意味で言ったのであって、別に自分のものだと主張したかったわけではないのだが、そこに突っ込むよりももっと重大なことをサラリと言われ、突っ込みそびれた上に変な声を出してしまった。おかげで、隣の逢坂から、「うるさい」とど突かれるはめになった。
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