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恋は七転び八起き (113)
2016.01.08 Fri
*****
週末のお出掛け先は央の好きなところでいいと言ったのだが、未だに央からどこがいいかの話がなく、槇村は困っていた。
行き先なんて槇村が決めてもいいのだが、高校生の好きそうなところなど思い付きもせず、文明の利器に頼ってネット検索してみれば、カラオケやボーリング、ゲームセンターと若者らしいところから、公園やショッピングセンターをブラブラする、といったものまで載っていて、結局のところ何がいいのかはよく分からなかった。
はっきり言って槇村は、央がどういうものが好きなのか、よく分からない。
そういうことを一番知っていそうなのは兄である純平で、彼は槇村のこんなに身近にいるのだが、何となく相談したくはなくて、槇村が声を掛けたのは逢坂だった。
いや、逢坂にだって、週末に央と出掛けるんだけど、どこがいいと思う? なんて話はしたくないのだが、頼る相手が他にいないのだ。案の定、逢坂は非常に嫌そうな顔で槇村を見た。
「…何で俺が、お前のデートの行き先を決めてやらないといけないんだ」
「いや、別に決めてくれとは言ってない。どんなところがいいのかな、知ってたら教えてくれないかな、て思っただけだろ」
「知るか、アホッ!」
別にそこまで罪深いことをしたとは思わないのだが、逢坂からは思い切り引っ叩かれた。
「だけどお前、高校生だぞ? 高校生とどこ行ったらいいわけ!?」
「勢い余ってホテルにでも連れ込まなかったら、どこでもいいんじゃね?」
「…………」
やはり逢坂に相談したのは、間違いだったかもしれない。叩かれ損だ。
板屋越は高校教師だから、逢坂より高校生の気持ちが分かりそうな気もしたが、職場で嫌でも顔を合わせる逢坂と違って、板屋越に会うためにはそれなりに時間を作らなければならないと思い、手っ取り早く逢坂に聞いたのが失敗だった。
もちろん、電話やメールという手段もあるが、それはそれで十分に気持ち悪いし、無視されたときの恥ずかしさといったらないし、物的証拠が残るのも嫌だ。
「そんなの俺じゃなくて、央に相談しろよ」
槇村の視線に耐えられなくなったのか、逢坂は仕方なくといった素振りで、尤もなことを口にした。しかしそれは、槇村の期待したものではなかった。
「いや、央にはもう言ってあるだよ。どこ行きたい? て。アイツ、考えとく、て言ったけど、どこがいいか全然言わないんだよ」
「アイツはアイツで、悩んでんじゃねぇの? 大人がデートで行きたい場所てどこ!? て」
「あー…」
それは確かに、想像が出来る。
悩みすぎて、今ごろ圭人や七海に鬱陶しがられたり、からかわれたりしているんだろうか。
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週末のお出掛け先は央の好きなところでいいと言ったのだが、未だに央からどこがいいかの話がなく、槇村は困っていた。
行き先なんて槇村が決めてもいいのだが、高校生の好きそうなところなど思い付きもせず、文明の利器に頼ってネット検索してみれば、カラオケやボーリング、ゲームセンターと若者らしいところから、公園やショッピングセンターをブラブラする、といったものまで載っていて、結局のところ何がいいのかはよく分からなかった。
はっきり言って槇村は、央がどういうものが好きなのか、よく分からない。
そういうことを一番知っていそうなのは兄である純平で、彼は槇村のこんなに身近にいるのだが、何となく相談したくはなくて、槇村が声を掛けたのは逢坂だった。
いや、逢坂にだって、週末に央と出掛けるんだけど、どこがいいと思う? なんて話はしたくないのだが、頼る相手が他にいないのだ。案の定、逢坂は非常に嫌そうな顔で槇村を見た。
「…何で俺が、お前のデートの行き先を決めてやらないといけないんだ」
「いや、別に決めてくれとは言ってない。どんなところがいいのかな、知ってたら教えてくれないかな、て思っただけだろ」
「知るか、アホッ!」
別にそこまで罪深いことをしたとは思わないのだが、逢坂からは思い切り引っ叩かれた。
「だけどお前、高校生だぞ? 高校生とどこ行ったらいいわけ!?」
「勢い余ってホテルにでも連れ込まなかったら、どこでもいいんじゃね?」
「…………」
やはり逢坂に相談したのは、間違いだったかもしれない。叩かれ損だ。
板屋越は高校教師だから、逢坂より高校生の気持ちが分かりそうな気もしたが、職場で嫌でも顔を合わせる逢坂と違って、板屋越に会うためにはそれなりに時間を作らなければならないと思い、手っ取り早く逢坂に聞いたのが失敗だった。
もちろん、電話やメールという手段もあるが、それはそれで十分に気持ち悪いし、無視されたときの恥ずかしさといったらないし、物的証拠が残るのも嫌だ。
「そんなの俺じゃなくて、央に相談しろよ」
槇村の視線に耐えられなくなったのか、逢坂は仕方なくといった素振りで、尤もなことを口にした。しかしそれは、槇村の期待したものではなかった。
「いや、央にはもう言ってあるだよ。どこ行きたい? て。アイツ、考えとく、て言ったけど、どこがいいか全然言わないんだよ」
「アイツはアイツで、悩んでんじゃねぇの? 大人がデートで行きたい場所てどこ!? て」
「あー…」
それは確かに、想像が出来る。
悩みすぎて、今ごろ圭人や七海に鬱陶しがられたり、からかわれたりしているんだろうか。
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