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恋は七転び八起き (112)
2016.01.07 Thu
槇村・純平・逢坂
今日も槇村が出勤すると、そこにはもう純平がいるというパターンだった。
それは構わないが、今ここにいるということは、相変わらず央と一緒の電車で来ているということで、兄として心配なのは分かるが、いつまで続けるつもりなのだろう。
単に早く出勤する習慣が付いたから、というだけならいいが、央が心配だから、電車に乗るときはいつでも付いて行く、となったら、それもある意味ストーカーだ。この兄弟には、若干……どころでなくその素質がある。
央から聞いた話だが、槇村の家から帰った翌日の日曜日、圭人の家に行く央を、わざわざその最寄駅まで送って行ったというから、筋金入りだ。
痴漢事件から間もないから仕方がないかもしれないが、今度の土曜日は央と出掛けるつもりなのに、その際にも純平が央のことを送って来たらどうしよう…と不安は募る。
央は、槇村と出掛けることを純平に話したのだろうか。こういうことはいちいち人に(それも身内に)言うものでもないが、内緒にしようと約束したわけでもないし、央の性格からして、相手が純平なら話している気もする(圭人と七海には、絶対に言っている)。
「おはよ~ございまっす!」
「…おはよう」
「あっれ~? 元気ないですねぇ!」
妙ちきりんなポーズで挨拶を迫って来た純平に、槇村は普段よりもうんとテンションを下げて挨拶を返す。元気がないわけではなく、冷めた目で見ているのだということに、なぜ気付かない。
「週末は央ちゃんとおデートなのでは、ないのですか? テンション低いぞ、こらっ」
「ッ!」
恐れていたことをあっさりと口にした純平は、何だろう…萌えでも狙ったのか、かわい子ぶったアイドルみたいなポーズで、槇村の額を人差し指でツンとつついた。
鬱陶しさこの上ない行為に、いつもの槇村だったら、ど突くか蹴り飛ばすか無視するか、何かしらのことをしただろうに、自分の願いとは裏腹に、純平に知られてしまっていたことがショックで、何も出来なかった。
「何で知って…」
央から聞く以外、理由などないのに、それでも槇村の口からは、そんな言葉が漏れてしまう。
そんな槇村に、純平は「ふっふ~ん」と漫画の中でしか使われないような言葉を、得意げに放った。
「央ちゃんが日に日に浮かれていく様を、毎日見ていますからねっ。この目で確とっ」
「ッ…!!」
「そうなんだ、ホントにデートなんだぁー」
今度はミュージカルか歌劇団か、大げさに両手を広げて種を明かした純平は、にっこりと微笑んだ。
要するに、鎌をかけたというわけだ。純平のくせに、生意気な。
「…ッター!!!」
先ほどの、おでこツン! の分も含めて、槇村は純平の頭を思い切りど突いておいた。
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