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恋は七転び八起き (108)
2015.12.26 Sat
「――――ッ…!!!」
席に戻った槇村は、テーブルの上の惨状に言葉をなくし、回れ右をしようとしたが、逢坂にガシッと腕を掴まれて、逃げることは出来なかった。
「なっ…何だ、これっ!」
「何が。早く座れ。そこにいたら邪魔になるから」
「お前は何を尤もらしいことを言ってんだ…!」
うろちょろする子どもを窘めるように言う逢坂に、槇村は突っ込みの言葉とともに手を振り解いて、自分の席に着いた。目の前には、飲み掛けのビールの横に、新しい生ビールの大ジョッキ…。
逢坂や板屋越の新しいビールが、今までと同じ中ジョッキなのにもかかわらず、なぜに槇村だけ大ジョッキ…!?
しかも、槇村がトイレに立つまではなかったし、注文もしていなかった料理が、山のように並んでいる。
「これは…」
どう考えても、アラサーの男3人で食べ切れる量ではない気がいする。しかも、3人のうち1人(板屋越)は、その見た目どおり、食が細いから何の戦力にもならないのに。
「お…お前ら…、俺がいない間に何を…」
「んー…、次の酒頼もうとして店員さん呼んだらぁ、なつめがこれとこれとこれとこれ食いたいて」
「なつめの仕業か…!」
酔ってトロトロとした口調になりながら逢坂が説明してくれるが、それを聞いた槇村は、あーもうっ、と頭を抱える。
一番食べられない人間が、何をこんなに注文しているのだ。いつもだったら逢坂が、アホかっ、と止めてくれるはずなのに、酒が回っているせいで、肝心なところで役に立っていない。
「しかも何で俺だけ大だ!」
「だって、めでたいんだから、デカいのにしとけー、てなつめが言うから…」
「なつめの言いなりかっ!」
こんなところで何を素直になっているのだ。酔っているからかもしれないが、逢坂だって決して酒が弱いわけではないのに、今日はやけに酔いが回るのが早い。前回は話の内容も重くて、そんなに飲んでいられなかったのかもしれないが、それにしたって。
それに対して、仕掛けた張本人の板屋越は、ゲラゲラ笑っているだけだ。子どもか。
「どうすんだ、ホント…。こんなに頼んで、全部食えるのか? 残すなんて、あり得ないぞ」
「食べられるに決まってるだろ! 食え! 飲め! 次を頼むぞっ」
「待たんかい!」
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席に戻った槇村は、テーブルの上の惨状に言葉をなくし、回れ右をしようとしたが、逢坂にガシッと腕を掴まれて、逃げることは出来なかった。
「なっ…何だ、これっ!」
「何が。早く座れ。そこにいたら邪魔になるから」
「お前は何を尤もらしいことを言ってんだ…!」
うろちょろする子どもを窘めるように言う逢坂に、槇村は突っ込みの言葉とともに手を振り解いて、自分の席に着いた。目の前には、飲み掛けのビールの横に、新しい生ビールの大ジョッキ…。
逢坂や板屋越の新しいビールが、今までと同じ中ジョッキなのにもかかわらず、なぜに槇村だけ大ジョッキ…!?
しかも、槇村がトイレに立つまではなかったし、注文もしていなかった料理が、山のように並んでいる。
「これは…」
どう考えても、アラサーの男3人で食べ切れる量ではない気がいする。しかも、3人のうち1人(板屋越)は、その見た目どおり、食が細いから何の戦力にもならないのに。
「お…お前ら…、俺がいない間に何を…」
「んー…、次の酒頼もうとして店員さん呼んだらぁ、なつめがこれとこれとこれとこれ食いたいて」
「なつめの仕業か…!」
酔ってトロトロとした口調になりながら逢坂が説明してくれるが、それを聞いた槇村は、あーもうっ、と頭を抱える。
一番食べられない人間が、何をこんなに注文しているのだ。いつもだったら逢坂が、アホかっ、と止めてくれるはずなのに、酒が回っているせいで、肝心なところで役に立っていない。
「しかも何で俺だけ大だ!」
「だって、めでたいんだから、デカいのにしとけー、てなつめが言うから…」
「なつめの言いなりかっ!」
こんなところで何を素直になっているのだ。酔っているからかもしれないが、逢坂だって決して酒が弱いわけではないのに、今日はやけに酔いが回るのが早い。前回は話の内容も重くて、そんなに飲んでいられなかったのかもしれないが、それにしたって。
それに対して、仕掛けた張本人の板屋越は、ゲラゲラ笑っているだけだ。子どもか。
「どうすんだ、ホント…。こんなに頼んで、全部食えるのか? 残すなんて、あり得ないぞ」
「食べられるに決まってるだろ! 食え! 飲め! 次を頼むぞっ」
「待たんかい!」
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