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恋は七転び八起き (107)
2015.12.25 Fri
しかし、央からこんなふうに電話やメッセージが届いて、それを嬉しいと思って、返信をする日が来るとは。
初めて央に会ったとき、動揺のあまり(と槇村自身は思っているが、逢坂や板屋越曰く『迂闊だから』)央に自宅場所を知られてしまい、押し掛けられるようになり、絶対に連絡先だけは教えられないと思っていたのに。
「ん? 早っ」
槇村は、いつ既読マークが付くか、それからどのくらい早く返信が来るかなんて、そこに1分1秒を争う性格ではないし、むしろスマホをその辺に置きっ放しにしてしまうタイプだから、どちらかというと返信は決して早いほうではない。
だから今も、央からの返信を待たずに席に戻ろうとしたのに、槇村がスマホをしまう前に返信が来たので、非常に驚いた。
『大丈夫だよ』
『ちゃんと1人で帰って来た』
『2人とも心配しすぎなんだよ』
立て続けに入って来たメッセージは、しかしそこで終わっている。槇村が画面を開いているから、既読になっているのは央にも分かるはずで、だから槇村の返事を待っているのだろうか。
槇村としては、央が大丈夫だという確認はもちろんのこと、央が槇村に聞きたかったことが何なのかを知りたいのだが。
しかし、しばらく待ってみても、状況は変化しない。もしかして触れられたくないことだったのだろうか。そういえばあのときも、七海が聞けと唆しているだけで、央はそれほど積極的に尋ねようと言う態度ではなかった気がする。
央にとって、あまり触れられたくないことなのであれば、再度促すこともあるまい。槇村は、央が大丈夫ならよかった、という返信の内容を打ち始めたが、送信する前に央からメッセージが送られて来た。
『俺、毎日でも電話とかメールしたい人だけど、槇村くんはそういうのウザいとか思う人なのかと思って。純平くんに聞いても知らないて言うし、圭ちゃんたちに相談したら、直接聞けば、て言われて。でもそんなの直接聞くのおかしいじゃん? おかしくない? 昨日電話したとき、七海が聞けって言ってたのもそれで』
先ほどまでとは打って変わっての長文。この文章を作成するのに時間が掛かったから、なかなか次のメッセージが来なかったようだ。
なるほど、槇村の予想どおり、央はやはり電話やメールの類が好きらしい。だが一方で、それを槇村にぶつけていいものか悩んでいたらしい――――お付き合いするに至るまで、懲りずに何度も槇村の家に押し掛けていた央が。
(なぜ今悩む…!)
付き合い出したからこそ、考えるようになってしまったことなのかもしれないが。むしろ槇村のほうこそ、電話に出られなかったり、返信が遅かったりして、央に不満に思われないかと心配なのに。
電話もメールも好きなときにしていいけれど、返事が遅くても許してほしいと返信すると、槇村はスマホをしまってトイレを出た。
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初めて央に会ったとき、動揺のあまり(と槇村自身は思っているが、逢坂や板屋越曰く『迂闊だから』)央に自宅場所を知られてしまい、押し掛けられるようになり、絶対に連絡先だけは教えられないと思っていたのに。
「ん? 早っ」
槇村は、いつ既読マークが付くか、それからどのくらい早く返信が来るかなんて、そこに1分1秒を争う性格ではないし、むしろスマホをその辺に置きっ放しにしてしまうタイプだから、どちらかというと返信は決して早いほうではない。
だから今も、央からの返信を待たずに席に戻ろうとしたのに、槇村がスマホをしまう前に返信が来たので、非常に驚いた。
『大丈夫だよ』
『ちゃんと1人で帰って来た』
『2人とも心配しすぎなんだよ』
立て続けに入って来たメッセージは、しかしそこで終わっている。槇村が画面を開いているから、既読になっているのは央にも分かるはずで、だから槇村の返事を待っているのだろうか。
槇村としては、央が大丈夫だという確認はもちろんのこと、央が槇村に聞きたかったことが何なのかを知りたいのだが。
しかし、しばらく待ってみても、状況は変化しない。もしかして触れられたくないことだったのだろうか。そういえばあのときも、七海が聞けと唆しているだけで、央はそれほど積極的に尋ねようと言う態度ではなかった気がする。
央にとって、あまり触れられたくないことなのであれば、再度促すこともあるまい。槇村は、央が大丈夫ならよかった、という返信の内容を打ち始めたが、送信する前に央からメッセージが送られて来た。
『俺、毎日でも電話とかメールしたい人だけど、槇村くんはそういうのウザいとか思う人なのかと思って。純平くんに聞いても知らないて言うし、圭ちゃんたちに相談したら、直接聞けば、て言われて。でもそんなの直接聞くのおかしいじゃん? おかしくない? 昨日電話したとき、七海が聞けって言ってたのもそれで』
先ほどまでとは打って変わっての長文。この文章を作成するのに時間が掛かったから、なかなか次のメッセージが来なかったようだ。
なるほど、槇村の予想どおり、央はやはり電話やメールの類が好きらしい。だが一方で、それを槇村にぶつけていいものか悩んでいたらしい――――お付き合いするに至るまで、懲りずに何度も槇村の家に押し掛けていた央が。
(なぜ今悩む…!)
付き合い出したからこそ、考えるようになってしまったことなのかもしれないが。むしろ槇村のほうこそ、電話に出られなかったり、返信が遅かったりして、央に不満に思われないかと心配なのに。
電話もメールも好きなときにしていいけれど、返事が遅くても許してほしいと返信すると、槇村はスマホをしまってトイレを出た。
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