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恋は七転び八起き (106)
2015.12.24 Thu
「話を聞く機会なら、これから先、いくらでもあるからな。事あるごとに。各種イベントごとに。それぞれにじっくり聞いてやろう」
「ッ…!」
板屋越のセリフに、酔いの回り掛けている逢坂は、「そうだなぁ!」とケラケラ笑っているだけだが、板屋越がニヤリと浮かべた人の悪そうな笑みに気付いた槇村は、突っ込むことすら出来ず、コブシを握った。
言い返せば、2倍にも3倍にもなって返って来ることは分かっているが、それでもやっぱり癪に障るから突っ込むべきか、無駄な精神力の消耗はやめておこうか、悩みどころではある。
「…トイレ」
結局、言い返すのはやめて、槇村は席を立った。トイレに行きたかったのは本当だが、ポケットの中でスマホが震えたので、それを確認したかったのだ。
短く震えたそれは、電話ではなくメールかメッセージだろうから、仕事関係の急ぎの用事ではなさそうだが、着信に気付いて無視するのも何なので。
「…ふぅ」
以前から2人には央のことを相談していたし、特に板屋越は央のクラス担任ということもあるから、今回のことは言わなければならないと思ったけれど、まさかこんな感じで盛り上がるとは思いもしなかった。
単純に、央と付き合うことになった事実だけを話して終わるとは思っていなかったけれど、どんなふうに告白したのかまで白状させられそうになるとは。酔っ払った逢坂の思考回路は侮れない。
「央…」
用を足してからスマホを確認すると、央からのメッセージが届いていた。槇村はこういうことにあまりまめではないが、央はどう見ても、どう考えても好きそうだ。
央に限らず、彼くらいの年代はみんなそうなのだろうか、槇村が学生だったころは、まだそこまで携帯電話もサービスも普及していなかったから、自分と照らし合わせて考えることは出来ない。
央からのメッセージには、今朝、いつも自分より遅い電車で出勤する兄の純平が一緒の電車で行ったことや、帰りに、圭人と七海が央の家の最寄駅まで付いて来ようとしたことが書かれていて、槇村が思っている以上に、央はみんなから愛されているようだ。
先日、央が圭人のことを『圭ちゃん』と呼んだのを真似して同じように言ってみたら、央はちょっと拗ねた様子になっていたけれど、それよりも槇村のほうが央の周囲に妬いたほうがよさそうだ。
ひとまず、央が大丈夫そうなことが分かってホッとしたが、それでも槇村は央に、大丈夫か、と心配する返信をしてしまう。電車通学のこともそうだが、恐らく昨日、圭人と七海(…というより、ほぼ七海1人)に散々からかわれただろうから。
それから、昨日の電話で槇村に何か聞きたそうにしていたが、それは何だったのかと尋ねておく。
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「ッ…!」
板屋越のセリフに、酔いの回り掛けている逢坂は、「そうだなぁ!」とケラケラ笑っているだけだが、板屋越がニヤリと浮かべた人の悪そうな笑みに気付いた槇村は、突っ込むことすら出来ず、コブシを握った。
言い返せば、2倍にも3倍にもなって返って来ることは分かっているが、それでもやっぱり癪に障るから突っ込むべきか、無駄な精神力の消耗はやめておこうか、悩みどころではある。
「…トイレ」
結局、言い返すのはやめて、槇村は席を立った。トイレに行きたかったのは本当だが、ポケットの中でスマホが震えたので、それを確認したかったのだ。
短く震えたそれは、電話ではなくメールかメッセージだろうから、仕事関係の急ぎの用事ではなさそうだが、着信に気付いて無視するのも何なので。
「…ふぅ」
以前から2人には央のことを相談していたし、特に板屋越は央のクラス担任ということもあるから、今回のことは言わなければならないと思ったけれど、まさかこんな感じで盛り上がるとは思いもしなかった。
単純に、央と付き合うことになった事実だけを話して終わるとは思っていなかったけれど、どんなふうに告白したのかまで白状させられそうになるとは。酔っ払った逢坂の思考回路は侮れない。
「央…」
用を足してからスマホを確認すると、央からのメッセージが届いていた。槇村はこういうことにあまりまめではないが、央はどう見ても、どう考えても好きそうだ。
央に限らず、彼くらいの年代はみんなそうなのだろうか、槇村が学生だったころは、まだそこまで携帯電話もサービスも普及していなかったから、自分と照らし合わせて考えることは出来ない。
央からのメッセージには、今朝、いつも自分より遅い電車で出勤する兄の純平が一緒の電車で行ったことや、帰りに、圭人と七海が央の家の最寄駅まで付いて来ようとしたことが書かれていて、槇村が思っている以上に、央はみんなから愛されているようだ。
先日、央が圭人のことを『圭ちゃん』と呼んだのを真似して同じように言ってみたら、央はちょっと拗ねた様子になっていたけれど、それよりも槇村のほうが央の周囲に妬いたほうがよさそうだ。
ひとまず、央が大丈夫そうなことが分かってホッとしたが、それでも槇村は央に、大丈夫か、と心配する返信をしてしまう。電車通学のこともそうだが、恐らく昨日、圭人と七海(…というより、ほぼ七海1人)に散々からかわれただろうから。
それから、昨日の電話で槇村に何か聞きたそうにしていたが、それは何だったのかと尋ねておく。
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