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恋は七転び八起き (103)
2015.12.20 Sun
「なら、何だよ」
「たまたま電車で会った」
「たまたまぁ~? 待ち伏せたんじゃなくて?」
「違うわっ、何でだよっ!」
一昔前なら、待ち伏せも1つのテクニックだったかもしれないが、このご時世、言葉の響きだけで怪しさが漂ってくるうえに、ちょっとした恐怖感さえある。
それこそ央の学校に行くのも家に行くのも、結局は待ち伏せすることになるわけで…………ますます行かなくてよかったと思う一方で、そういえば央が槇村の家の前で槇村の帰りを待っていたのって、正しく待ち合わせだよなぁ…と余計なことに気付いてしまった。
「そんなの、同じ路線の電車使ってんだから、会うことだってあるだろ」
電車は日に何本も通っているから、同じ電車の同じ車両にたまたま乗り合わせる確率は高くはないだろうが、2人とも毎日乗っているのだから、あり得ないことではない。それなのに、槇村の待ち伏せ説を押そうとする逢坂を、槇村は面倒くさそうに睨んだ。
「じゃあ、たまたま電車で会ったから、そんで告ったってことか。こんなとこで会うなんて運命の出会い! …みたいな感じか?」
「アホか」
「何でだよ、央はそう思って、お前に告ったんだろ?」
確かに電車の中で央を見掛けたとき、まだ央にどうやって謝ったらいいのかと悩んでいたときだったから、こんなところで出くわしてしまうなんて、と運命を感じたが、それは決していい意味ではなかった。
しかし、央が槇村のことを想うようになったのは、電車の中で槇村のことを見掛けたのがきっかけなわけで、逢坂の言うとおり、央は運命の出会いとでも思ったかもしれない。
「しかし、槇村さんよぉ。いくら央のことが好きでも、駅とか……そんな人前で告白とかするなよ、いい大人が」
「駅じゃないわ! 電車の中でもないし!」
逢坂の勝手な話の展開と乙女的な思考にも参るが、板屋越の勝手な呆れ返りも困る。
央とはたまたま電車で会ったが、その出会いにいくら槇村が動揺したとしても、駅だの電車だの、そんな場所で告白などするわけがない。槇村の性格を知る板屋越が、それに気付かないはずがないから、分かっていてボケたのだろうが、今は疲れるだけなのでやめてもらいたい。
「それなら、どこだ。央の家にも行ってないんだろ? …………え、まさかお前んちか? 自分ちに連れ込んだのか?」
「ちょ、その言い方やめて!」
どんな言い方をしようと…とは、先ほど板屋越に言われたところだが、34歳の男が高校生を自分の家に連れ込んだ、という表現は、どう考えてもよろしくない。事実はそうかもしれないが、お願いだから、もっと別の言い方をしてください。
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「たまたま電車で会った」
「たまたまぁ~? 待ち伏せたんじゃなくて?」
「違うわっ、何でだよっ!」
一昔前なら、待ち伏せも1つのテクニックだったかもしれないが、このご時世、言葉の響きだけで怪しさが漂ってくるうえに、ちょっとした恐怖感さえある。
それこそ央の学校に行くのも家に行くのも、結局は待ち伏せすることになるわけで…………ますます行かなくてよかったと思う一方で、そういえば央が槇村の家の前で槇村の帰りを待っていたのって、正しく待ち合わせだよなぁ…と余計なことに気付いてしまった。
「そんなの、同じ路線の電車使ってんだから、会うことだってあるだろ」
電車は日に何本も通っているから、同じ電車の同じ車両にたまたま乗り合わせる確率は高くはないだろうが、2人とも毎日乗っているのだから、あり得ないことではない。それなのに、槇村の待ち伏せ説を押そうとする逢坂を、槇村は面倒くさそうに睨んだ。
「じゃあ、たまたま電車で会ったから、そんで告ったってことか。こんなとこで会うなんて運命の出会い! …みたいな感じか?」
「アホか」
「何でだよ、央はそう思って、お前に告ったんだろ?」
確かに電車の中で央を見掛けたとき、まだ央にどうやって謝ったらいいのかと悩んでいたときだったから、こんなところで出くわしてしまうなんて、と運命を感じたが、それは決していい意味ではなかった。
しかし、央が槇村のことを想うようになったのは、電車の中で槇村のことを見掛けたのがきっかけなわけで、逢坂の言うとおり、央は運命の出会いとでも思ったかもしれない。
「しかし、槇村さんよぉ。いくら央のことが好きでも、駅とか……そんな人前で告白とかするなよ、いい大人が」
「駅じゃないわ! 電車の中でもないし!」
逢坂の勝手な話の展開と乙女的な思考にも参るが、板屋越の勝手な呆れ返りも困る。
央とはたまたま電車で会ったが、その出会いにいくら槇村が動揺したとしても、駅だの電車だの、そんな場所で告白などするわけがない。槇村の性格を知る板屋越が、それに気付かないはずがないから、分かっていてボケたのだろうが、今は疲れるだけなのでやめてもらいたい。
「それなら、どこだ。央の家にも行ってないんだろ? …………え、まさかお前んちか? 自分ちに連れ込んだのか?」
「ちょ、その言い方やめて!」
どんな言い方をしようと…とは、先ほど板屋越に言われたところだが、34歳の男が高校生を自分の家に連れ込んだ、という表現は、どう考えてもよろしくない。事実はそうかもしれないが、お願いだから、もっと別の言い方をしてください。
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