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叶わないと知っている (だから、だからきっと)
2008.09.30 Tue
別にそれほど深い愛情があるってわけじゃないんだけど。
その後に続くのは、いつも決まって同じセリフ。
でも、離れらんないの。
これってやっぱ、好きってことなんだろうなぁ。
…………あぁ、神様。
叶 わ な い と 知 っ て い る
( だ か ら 、 だ か ら き っ と )
タケルに思いを告げたときは、玉砕覚悟だった。
だってタケルは男で、俺も男。そればかりじゃない。タケルには、ずっと付き合ってる彼女がいたのだ。
もしかしたら俺は、こっ酷く振られることを望んでいたのかもしれない。
『男同士で何言ってんだ』とか、『キモイこと言うな』とか、何でもいい。とにかくこの想いを断ち切れるような、そんな状況を作り出したかったに違いない。
けれどタケルは優しくて、そしてとても残酷な男だったから。
『俺、彼女いるけど、それで良ければ』
きっと、そう言えば俺が諦めると思ったからに違いない。
―――――でも。
そんな、期待を持たせるようなことを言うから。
もしかしたら、なんて、そんな気を起こさせるから。
…………堕ちた。
*****
「…ん、分かったって。今度、付き合ってやるから」
じゃあな、そう言ってタケルが電話を切る―――――ベッドの中。
隣には裸の俺がいて。タケルも裸。男同士とはいっても、ヤることはヤッた、いわゆる"情事"の後。
よくこんな状況で、彼女と電話なんか出来るもんだと思う。
(失礼だと思わんのかな)
俺はいいとしても、彼女に対して。
面倒臭いとか思われたくないから、別にそんなことは言わないけど。
もう少しタケルのぬくもりが欲しくて、モゾモゾと体を寄せれば、何の躊躇もなく抱き寄せてくれるタケル。
何て男だ。
「……彼女と、出掛けんの?」
別に、問い詰めるとか、そんなんじゃない。
こんな思いっきり近くで電話してたんだから、その内容だって、嫌でも聞こえてくる。それについて問うたって、悪くはないだろう。
「あぁ、今度な」
「ラブラブじゃん」
「んー? もうそんな雰囲気じゃないけど。腐れ縁っていうか…………別にそれほど深い愛情があるってわけじゃないんだけど、」
そこでタケルはいったん言葉を切って。
俺の髪を、混ぜるように撫でて。
「でも、離れらんないの。これってやっぱ、好きってことなんだろうなぁ」
いつもと同じセリフを続ける。
ホント、ひどい男。
俺が勝手にタケルのことが好きなだけで。
彼女がいてもいいと言って始めた、体だけの関係だけど。
そんなに優しく俺のことを抱き締めながら、愛おしそうに彼女のことなんか語らないでよ。
「なぁタケル」
「ん?」
「もっかいしよ?」
背中に回るタケルの腕を解いて、その体をベッドに押し倒すと、タケルの腹を跨いだ。
ニヤリ、いやらしくタケルが笑う。
「シンが上になってくれんの?」
支えるように俺の腰を掴むタケルの手が、やらしく体中を撫で回す。
「ん…いいよ……」
俺は煽るように、腰をタケルに押し付けて。
分かってる。
この生産性のない、不毛なセックス。
愛情すらも生まれない。
タケルの心は、きっとすぐにでも、彼女のもとへと行ってしまうだろうけど。
けれど俺は離れられなくて。
それでも、あなたのことが一番好きなのです。
← 愛すことよりずっとカンタン (突き放してしまえば楽なのに)
その後に続くのは、いつも決まって同じセリフ。
でも、離れらんないの。
これってやっぱ、好きってことなんだろうなぁ。
…………あぁ、神様。
叶 わ な い と 知 っ て い る
( だ か ら 、 だ か ら き っ と )
タケルに思いを告げたときは、玉砕覚悟だった。
だってタケルは男で、俺も男。そればかりじゃない。タケルには、ずっと付き合ってる彼女がいたのだ。
もしかしたら俺は、こっ酷く振られることを望んでいたのかもしれない。
『男同士で何言ってんだ』とか、『キモイこと言うな』とか、何でもいい。とにかくこの想いを断ち切れるような、そんな状況を作り出したかったに違いない。
けれどタケルは優しくて、そしてとても残酷な男だったから。
『俺、彼女いるけど、それで良ければ』
きっと、そう言えば俺が諦めると思ったからに違いない。
―――――でも。
そんな、期待を持たせるようなことを言うから。
もしかしたら、なんて、そんな気を起こさせるから。
…………堕ちた。
*****
「…ん、分かったって。今度、付き合ってやるから」
じゃあな、そう言ってタケルが電話を切る―――――ベッドの中。
隣には裸の俺がいて。タケルも裸。男同士とはいっても、ヤることはヤッた、いわゆる"情事"の後。
よくこんな状況で、彼女と電話なんか出来るもんだと思う。
(失礼だと思わんのかな)
俺はいいとしても、彼女に対して。
面倒臭いとか思われたくないから、別にそんなことは言わないけど。
もう少しタケルのぬくもりが欲しくて、モゾモゾと体を寄せれば、何の躊躇もなく抱き寄せてくれるタケル。
何て男だ。
「……彼女と、出掛けんの?」
別に、問い詰めるとか、そんなんじゃない。
こんな思いっきり近くで電話してたんだから、その内容だって、嫌でも聞こえてくる。それについて問うたって、悪くはないだろう。
「あぁ、今度な」
「ラブラブじゃん」
「んー? もうそんな雰囲気じゃないけど。腐れ縁っていうか…………別にそれほど深い愛情があるってわけじゃないんだけど、」
そこでタケルはいったん言葉を切って。
俺の髪を、混ぜるように撫でて。
「でも、離れらんないの。これってやっぱ、好きってことなんだろうなぁ」
いつもと同じセリフを続ける。
ホント、ひどい男。
俺が勝手にタケルのことが好きなだけで。
彼女がいてもいいと言って始めた、体だけの関係だけど。
そんなに優しく俺のことを抱き締めながら、愛おしそうに彼女のことなんか語らないでよ。
「なぁタケル」
「ん?」
「もっかいしよ?」
背中に回るタケルの腕を解いて、その体をベッドに押し倒すと、タケルの腹を跨いだ。
ニヤリ、いやらしくタケルが笑う。
「シンが上になってくれんの?」
支えるように俺の腰を掴むタケルの手が、やらしく体中を撫で回す。
「ん…いいよ……」
俺は煽るように、腰をタケルに押し付けて。
分かってる。
この生産性のない、不毛なセックス。
愛情すらも生まれない。
タケルの心は、きっとすぐにでも、彼女のもとへと行ってしまうだろうけど。
けれど俺は離れられなくて。
それでも、あなたのことが一番好きなのです。
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柚子季 杏 ⇒ うわ・・・・
こういうの、メッチャ弱いんです゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
きゅんきゅん来ちゃう・・・。
実は次作のプロット、こんなんに近かったり(え
きゅんきゅん来ちゃう・・・。
実は次作のプロット、こんなんに近かったり(え
りり ⇒ 胸が痛い
あぁ泣きそうになっちゃう…。
わたしにはけっこう痛いのですが、それでもやっぱりこういうお話読まずにいられない感じです。(自虐?
あああ…。
シン~~~~~~~
どこにもたどりつけない恋情が辛いのです。
横レスですが、
柚子季さまの次回作(@_@)
朋様にぎゅんぎゅん絞られた涙
あああまたも痛いかも…。
わたしにはけっこう痛いのですが、それでもやっぱりこういうお話読まずにいられない感じです。(自虐?
あああ…。
シン~~~~~~~
どこにもたどりつけない恋情が辛いのです。
横レスですが、
柚子季さまの次回作(@_@)
朋様にぎゅんぎゅん絞られた涙
あああまたも痛いかも…。
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
ハピエンが好きなのに、つい主人公につらい思いをさせたくなってしまう私…。
柚子季さんも、きゅんきゅん来ちゃいました!?
あぁ~柚子季さんの次回作も楽しみです!
でも途中の切なさがぁ~。
コメントありがとうございました!
柚子季さんも、きゅんきゅん来ちゃいました!?
あぁ~柚子季さんの次回作も楽しみです!
でも途中の切なさがぁ~。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
書いてて切ないのに、つい書きたくなっちゃう……私も自虐的??
こんなに一途に好きだなんて、うぅぅ…て感じです。
柚子季さんの次回作も、また切ない感じみたいなんで……一緒に涙しましょう!
コメントありがとうございました!
こんなに一途に好きだなんて、うぅぅ…て感じです。
柚子季さんの次回作も、また切ない感じみたいなんで……一緒に涙しましょう!
コメントありがとうございました!