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恋は七転び八起き (95)
2015.12.12 Sat
『あのね、あの、純平くん……その、昨日、純平くんには言わない、て言ったじゃん? その…、あの…、俺らの………………うっさい、あっち行け!』
「? 央?」
『あ、ゴメン!』
要領を得ない話し方だったが、恐らく、2人が付き合うことになったのを、兄である純平に言うか言わないかの話だろう。央は、圭人や七海には話すと言ったが、純平に話すことだけは、なぜか拒んだのだ。
未だに2人の関係を口にすることが恥ずかしいのか。意識するからかえって恥ずかしいのではないか、と槇村は思ったが、それよりも気になることが1つ。
「誰かいるのか?」
央の、『うっさい、あっち行け!』は、明らかに槇村でなく、他の誰かに向けられたセリフだった。これから話そうとする内容で、そばにいて不思議ではないのは、2人の関係を知っている人物で、それは圭人か七海くらいだろう。予想どおり、月曜日を待ち切れずに、話しに行ったようだ。
『あ、うん…。今圭ちゃんちで…………もぉ~こっち来んなよっ!』
「…………」
央の声の他に、誰か別の声も聞こえて来るし、ドタバタと動き回る音もする。自分の家でなく圭人の家だというのに、随分と賑やかなものだ。
来るな、と言っている相手が圭人なのか七海なのかは分からないが、聞かれたくないなら、家に帰ってから電話すればいいのに…。
『ご…ゴメン、あの、話……えと、純平くんに、』
どこに逃げ込んだのか、ようやく電話の向こうが静かになる。ついでに央の声まで小さくなっている。純平に言うか言わないかだけの話のはずだが、本当に誰かに聞かれたくない話のようになっている。
「兄ちゃんに言ったのか? 俺らのこと」
『あ、うん…。何か純平くん、めっちゃ心配してて…。それにちょっといろいろあったというか……何もないんだけど、』
「どっちだよ」
『…分かんない。でも純平くんに話しちゃった。言わない、て言ってたのに、ゴメンなさい』
槇村としては、純平にも話したほうがいいと思っていたので、央が約束を反故にして、話してしまったとしても、別にそれを責めようとは思わない。それよりも、それを気にしてわざわざ連絡をくれるあたり、律儀だなぁと思う。
『あの…、電話、ゴメンなさい…』
「何で謝んだよ」
『何となく…。こんなの、メールとかでもよかったんだけど…………その、槇村くんの声、聞きたくて………………あわわわわそのっ、何て言うかっ…』
自分で言って慌てている央がおかしい。
しかし、央が槇村の声を聞きたかったというのは、本心だろう。自惚れでなく、それは分かる。
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「? 央?」
『あ、ゴメン!』
要領を得ない話し方だったが、恐らく、2人が付き合うことになったのを、兄である純平に言うか言わないかの話だろう。央は、圭人や七海には話すと言ったが、純平に話すことだけは、なぜか拒んだのだ。
未だに2人の関係を口にすることが恥ずかしいのか。意識するからかえって恥ずかしいのではないか、と槇村は思ったが、それよりも気になることが1つ。
「誰かいるのか?」
央の、『うっさい、あっち行け!』は、明らかに槇村でなく、他の誰かに向けられたセリフだった。これから話そうとする内容で、そばにいて不思議ではないのは、2人の関係を知っている人物で、それは圭人か七海くらいだろう。予想どおり、月曜日を待ち切れずに、話しに行ったようだ。
『あ、うん…。今圭ちゃんちで…………もぉ~こっち来んなよっ!』
「…………」
央の声の他に、誰か別の声も聞こえて来るし、ドタバタと動き回る音もする。自分の家でなく圭人の家だというのに、随分と賑やかなものだ。
来るな、と言っている相手が圭人なのか七海なのかは分からないが、聞かれたくないなら、家に帰ってから電話すればいいのに…。
『ご…ゴメン、あの、話……えと、純平くんに、』
どこに逃げ込んだのか、ようやく電話の向こうが静かになる。ついでに央の声まで小さくなっている。純平に言うか言わないかだけの話のはずだが、本当に誰かに聞かれたくない話のようになっている。
「兄ちゃんに言ったのか? 俺らのこと」
『あ、うん…。何か純平くん、めっちゃ心配してて…。それにちょっといろいろあったというか……何もないんだけど、』
「どっちだよ」
『…分かんない。でも純平くんに話しちゃった。言わない、て言ってたのに、ゴメンなさい』
槇村としては、純平にも話したほうがいいと思っていたので、央が約束を反故にして、話してしまったとしても、別にそれを責めようとは思わない。それよりも、それを気にしてわざわざ連絡をくれるあたり、律儀だなぁと思う。
『あの…、電話、ゴメンなさい…』
「何で謝んだよ」
『何となく…。こんなの、メールとかでもよかったんだけど…………その、槇村くんの声、聞きたくて………………あわわわわそのっ、何て言うかっ…』
自分で言って慌てている央がおかしい。
しかし、央が槇村の声を聞きたかったというのは、本心だろう。自惚れでなく、それは分かる。
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