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恋は七転び八起き (93)
2015.12.10 Thu
「そしたら、その後、好きだって言われた…」
「ホントに!? じゃあ、槇村さんから言われたんだ!」
「言われた」
「でも何で? ホント、何で? 央ちゃんのこと、そんなに嫌いじゃなかったんだとして、言い過ぎたのを謝ったのは分かるけど、そっから何で告白に繋がんの?」
「そんなの俺が知りたいわ!」
槇村が、そこまで央のことを嫌いではなかったのに言い過ぎてしまって、どう謝ろうかと1週間考えていたとすれば、謝罪の言葉はすんなり出て来るだろうけれど、そこから告白までの流れは、央にだって分からない。槇村に聞いても、好きだと口にした直前に、その気持ちに気が付いた、なんて言う始末だし。
つまりは、央を家に連れて来た時点では、嫌いではないけれど、特別に好きだという気持ちを持っていなかった――――もしくは、持っていたけれど自覚していなかったわけで、何が槇村にその感情を気付かせるきっかけになったのかは分からないが、場合によっては、槇村は央への想いに気付かないまま終わっていたかもしれないのだ。
「好きだって言う直前に気付いた、て…、好きだって思ってすぐに告ったってこと? 槇村さん、何かすごいな…」
「でも、てことは槇村さん、謝ったときもまだ、央のことを好きだと思ってたわけじゃなくて、ホントに、言い過ぎたのを謝っただけで…………でも央、それで槇村さんにバカだって言ったんでしょ? なのに、何で槇村さん、央のこと、好きだって思ったんだろ」
いくら考えても、何が槇村の心の引き金を引いたのか、さっぱり分からない。結果オーライだから、これでよしとしていいんだろうけど…………大人って難しい。
「あっ、そういえば槇村くん、圭ちゃんにも謝らなきゃ、て言ってたよ?」
「え、俺に? 何で?」
「圭ちゃんが電話くれたじゃんか? 俺のことめっちゃ心配してくれてたから、何か」
「そうなんだ」
確かに、圭人が央に電話をしたのは、あれ以来、央がひどく落ち込んでいるのが心配だったからで、本を正せば槇村が原因ということにはなるが、そこまで気に掛けるなんて、律儀な人だ。そんな人なら、たとえ好きだという気持ちをずっと持っていたとしても、17歳の高校生男子と付き合うことに躊躇するに決まっている。
「央、槇村さんと付き合えて、よかったな」
央のどの行動が槇村の心を動かしたのかは知らないが、単に槇村が央のことを好きだという気持ちに気付いただけでは、きっと告白までには至らなかっただろうから、付き合えることになって本当によかったと圭人は思う。けれど同時に、槇村の性格からして、当分の間――――少なくとも央が高校を卒業するまでは、央が思うほど先へは進めないだろうとも思う。そして圭人や七海は、そのたびに央から愚痴を聞かされるはめになるのだろう。
「あ、でも聞いてよ。俺さ、槇村くんから電話番号とか聞いたんだけど、やっぱり毎日電話とかしたらウザがられるの? 俺、めっちゃ電話したいんだけど! 純平くんに聞いても、よく分かんないて言われるし」
「いや、それ、俺らのほうが、もっと分かんないんだけど…」
さっそく央の恋愛相談に巻き込まれ、圭人と七海は、顔を見合わせて苦笑した。
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「ホントに!? じゃあ、槇村さんから言われたんだ!」
「言われた」
「でも何で? ホント、何で? 央ちゃんのこと、そんなに嫌いじゃなかったんだとして、言い過ぎたのを謝ったのは分かるけど、そっから何で告白に繋がんの?」
「そんなの俺が知りたいわ!」
槇村が、そこまで央のことを嫌いではなかったのに言い過ぎてしまって、どう謝ろうかと1週間考えていたとすれば、謝罪の言葉はすんなり出て来るだろうけれど、そこから告白までの流れは、央にだって分からない。槇村に聞いても、好きだと口にした直前に、その気持ちに気が付いた、なんて言う始末だし。
つまりは、央を家に連れて来た時点では、嫌いではないけれど、特別に好きだという気持ちを持っていなかった――――もしくは、持っていたけれど自覚していなかったわけで、何が槇村にその感情を気付かせるきっかけになったのかは分からないが、場合によっては、槇村は央への想いに気付かないまま終わっていたかもしれないのだ。
「好きだって言う直前に気付いた、て…、好きだって思ってすぐに告ったってこと? 槇村さん、何かすごいな…」
「でも、てことは槇村さん、謝ったときもまだ、央のことを好きだと思ってたわけじゃなくて、ホントに、言い過ぎたのを謝っただけで…………でも央、それで槇村さんにバカだって言ったんでしょ? なのに、何で槇村さん、央のこと、好きだって思ったんだろ」
いくら考えても、何が槇村の心の引き金を引いたのか、さっぱり分からない。結果オーライだから、これでよしとしていいんだろうけど…………大人って難しい。
「あっ、そういえば槇村くん、圭ちゃんにも謝らなきゃ、て言ってたよ?」
「え、俺に? 何で?」
「圭ちゃんが電話くれたじゃんか? 俺のことめっちゃ心配してくれてたから、何か」
「そうなんだ」
確かに、圭人が央に電話をしたのは、あれ以来、央がひどく落ち込んでいるのが心配だったからで、本を正せば槇村が原因ということにはなるが、そこまで気に掛けるなんて、律儀な人だ。そんな人なら、たとえ好きだという気持ちをずっと持っていたとしても、17歳の高校生男子と付き合うことに躊躇するに決まっている。
「央、槇村さんと付き合えて、よかったな」
央のどの行動が槇村の心を動かしたのかは知らないが、単に槇村が央のことを好きだという気持ちに気付いただけでは、きっと告白までには至らなかっただろうから、付き合えることになって本当によかったと圭人は思う。けれど同時に、槇村の性格からして、当分の間――――少なくとも央が高校を卒業するまでは、央が思うほど先へは進めないだろうとも思う。そして圭人や七海は、そのたびに央から愚痴を聞かされるはめになるのだろう。
「あ、でも聞いてよ。俺さ、槇村くんから電話番号とか聞いたんだけど、やっぱり毎日電話とかしたらウザがられるの? 俺、めっちゃ電話したいんだけど! 純平くんに聞いても、よく分かんないて言われるし」
「いや、それ、俺らのほうが、もっと分かんないんだけど…」
さっそく央の恋愛相談に巻き込まれ、圭人と七海は、顔を見合わせて苦笑した。
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