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恋は七転び八起き (88)
2015.12.03 Thu
「…ん、あのね、一昨日の帰りさ、槇村くんに会ったじゃんか」
「いや、知らないけど…………会ったの? え、会いに行ったの!?」
「央ちゃん、正気!?」
央の話は時々、相手が自分と同じことを知っているという体で始まることがあるが、一昨日の金曜日、央と一緒に帰ったわけではない圭人も七海も、央が槇村と会ったという事実をもちろん知らない。央はサラッと話し始めたが、2人が会うとなると、当然央がまた槇村に会いに行ったという発想に辿り着くわけで、圭人も七海もギョッとして央に詰め寄った。
「正気に決まってんだろ! お前とは違うわ!」
「俺のほうが絶対に正気だし!」
驚愕している2人のうち、央が七海のほうにだけ突っ込みを入れるから、七海は心外だとばかりに声を荒げた。七海の言い方もひどかったが、しかし圭人は央のことを庇ってやることが出来ない。そのくらい圭人も驚いている。
だって央は、最後に槇村に会ったとき、かなり悲惨な振られ方をしている。今まで8回も失恋し、七海曰く失恋のプロである央が、もう一生立ち直れないかというくらい凹んで、さすがにもう槇村には会えない、諦めるしかない、という言葉を初めて口にしたのに、それから1週間で、もう槇村に会いに行ったのか。舌の根の乾かぬうちに…とはよく言ったものだ。
しかし、槇村と付き合うことになったというからには、前提として、あの日以降、央と槇村がどうにかして顔を合わせているわけで、央の頭が正気かどうかはともかく、2人が会ったのは事実なのだろう。
「央、ホントに槇村さんち行ったの? 槇村さん、怒らなかった?」
「んー…、槇村くんちに行ったのは、槇村くんが、来る? て言ったからだよ?」
「はぁっ!?」
央が全然順序立てて話さないものだから、意味の分からない圭人と七海は、央の一言にいちいち驚かなければならない。圭人は、やはり七海を呼んでよかった、と心から思った。自分1人だったら、とても神経が持たない。
「ちょっと待って、央。お願いだから順番に話して? どこで槇村さんと会ったって? 何で槇村さんち行くことに……や、槇村さんが何で央に、来る? て言ってくれたわけ? だってこの前…、や、ちょっと待って、もしかして俺が電話したとき、槇村さんちだったとか?」
聞きたいことがたくさんありすぎて、一体何から聞いていいか分からなくなり、圭人の質問もだいぶ的を射ないものになっている。しかし、わけが分からないのだから仕方がない。最後に槇村に会ったとき、槇村は、央の顔など見たくないとまで言ったのだ。それなのに、どうして槇村のほうから央を誘うようなこと…。
「んとね、金曜日な、帰るとき、俺、電車で痴漢に遭って」
「「はぁ~~~~!!!???」」
央が槇村と付き合うことになったとか、央が槇村の家に行ったのが、槇村のほうから誘ったものだったとか、いろいろと衝撃的な事実が浮かび上がって来るが、またしてもあっさりと爆弾が落とされて、圭人と七海は揃って大きな声を出してしまった。いやこれは、出さざるを得ないだろう。
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「いや、知らないけど…………会ったの? え、会いに行ったの!?」
「央ちゃん、正気!?」
央の話は時々、相手が自分と同じことを知っているという体で始まることがあるが、一昨日の金曜日、央と一緒に帰ったわけではない圭人も七海も、央が槇村と会ったという事実をもちろん知らない。央はサラッと話し始めたが、2人が会うとなると、当然央がまた槇村に会いに行ったという発想に辿り着くわけで、圭人も七海もギョッとして央に詰め寄った。
「正気に決まってんだろ! お前とは違うわ!」
「俺のほうが絶対に正気だし!」
驚愕している2人のうち、央が七海のほうにだけ突っ込みを入れるから、七海は心外だとばかりに声を荒げた。七海の言い方もひどかったが、しかし圭人は央のことを庇ってやることが出来ない。そのくらい圭人も驚いている。
だって央は、最後に槇村に会ったとき、かなり悲惨な振られ方をしている。今まで8回も失恋し、七海曰く失恋のプロである央が、もう一生立ち直れないかというくらい凹んで、さすがにもう槇村には会えない、諦めるしかない、という言葉を初めて口にしたのに、それから1週間で、もう槇村に会いに行ったのか。舌の根の乾かぬうちに…とはよく言ったものだ。
しかし、槇村と付き合うことになったというからには、前提として、あの日以降、央と槇村がどうにかして顔を合わせているわけで、央の頭が正気かどうかはともかく、2人が会ったのは事実なのだろう。
「央、ホントに槇村さんち行ったの? 槇村さん、怒らなかった?」
「んー…、槇村くんちに行ったのは、槇村くんが、来る? て言ったからだよ?」
「はぁっ!?」
央が全然順序立てて話さないものだから、意味の分からない圭人と七海は、央の一言にいちいち驚かなければならない。圭人は、やはり七海を呼んでよかった、と心から思った。自分1人だったら、とても神経が持たない。
「ちょっと待って、央。お願いだから順番に話して? どこで槇村さんと会ったって? 何で槇村さんち行くことに……や、槇村さんが何で央に、来る? て言ってくれたわけ? だってこの前…、や、ちょっと待って、もしかして俺が電話したとき、槇村さんちだったとか?」
聞きたいことがたくさんありすぎて、一体何から聞いていいか分からなくなり、圭人の質問もだいぶ的を射ないものになっている。しかし、わけが分からないのだから仕方がない。最後に槇村に会ったとき、槇村は、央の顔など見たくないとまで言ったのだ。それなのに、どうして槇村のほうから央を誘うようなこと…。
「んとね、金曜日な、帰るとき、俺、電車で痴漢に遭って」
「「はぁ~~~~!!!???」」
央が槇村と付き合うことになったとか、央が槇村の家に行ったのが、槇村のほうから誘ったものだったとか、いろいろと衝撃的な事実が浮かび上がって来るが、またしてもあっさりと爆弾が落とされて、圭人と七海は揃って大きな声を出してしまった。いやこれは、出さざるを得ないだろう。
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