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恋は七転び八起き (87)
2015.12.02 Wed
央・圭人・七海
「…何でお前がいんだよ」
日曜日の朝、圭人の家に来た央は、通された圭人の部屋に、なぜかすでに七海がいるのを見つけて、露骨に嫌な顔をしたが、七海はまったく以て平然とした顔で、「おはよう、央ちゃん」なんて言っている。
「いや、俺が呼んだんだけど…」
「圭ちゃん…」
「だって、昨日の電話、あれホントなん? あれ聞いたら、ななみんも呼ばなきゃ! て思うし…。一応メッセージ送ったんだけど…………見てない?」
「えっ、あ、見てない…」
昨日の央からの電話といえば、『俺、槇村くんと付き合うことになったから! 明日、圭ちゃんち行って話するね!』と、一方的に央が喋るだけのもので、圭人が何か口を挟む前に、お母さんにご飯だと呼ばれたと言って一方的に切れたのだ。その後、何度掛け直しても繋がらないとなれば、圭人1人ではとても抱え切れないと思って当然だ。
「そーそー、央ちゃん。何で俺のことはぶろうとすの。人でなしだぁ」
「うっさい、アホ! 俺は圭ちゃんに一番に話したかったの!」
「でも昨日電話で圭人に言ったんでしょ? 槇村くんと付き合うことになった、て。一番に言ってんじゃん。なら、2番目は七海にしてよぉ」
「かわい子ぶんな、キモイ」
七海も呼ぼうと判断したのは圭人だけれど、こうして、のん気な七海と苛立って毒突く央を見ていると、七海を呼んだのは間違いだったかなぁ…と少しばかり思う。話が進まない。
別に央は七海のことが嫌いというわけではなく、時には気持ち悪いくらいベッタリしていることもあるのに、今みたいに恐ろしいくらい邪険に扱うこともある。その切り替えのスイッチはどこなのか圭人には分かりかねるが、どちらにしても、七海は全然堪えておらず、むしろ楽しんでいるくらいだ。
「でも、ホントに槇村さんと付き合うことになったの? すごいじゃん! おめでとう、央ちゃん」
「お、おぅ、ありがとう…」
からかうのではなく、真面目な顔で七海が言うと、まっすぐなその言葉に、央は照れてもじもじしながら視線を落とした。
(央…、ツンデレスキルの発動のしどころ、間違ってる…)
圭人は2人のやり取りに、溜め息を漏らす。ただの友人である七海にやって何になる。槇村がそういう属性を喜ぶかどうかは知らないが、ここでやるなら槇村の前でやってやれ。
しかも、央の七海に対するツンデレは、どう見ても七海のコントロールによるものとしか思えず、乗せられている央は、完全に無自覚、無意識だ。だから圭人は溜め息をつきたくなるのだ。
「それよりも央! ちゃんと話聞かせてよ! そのために来たんでしょ!?」
少しも進まない話に焦れて、圭人は話を軌道修正する。槇村と付き合うことになったのを、確かに圭人は七海よりも先に教えてもらったかもしれないが、その一言しか聞いていないのだ。状況がまったく分からないという点では、七海と同じだ。
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