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恋は七転び八起き (86)
2015.12.01 Tue
「いや、央ちゃん、ちゃんと槇村くんに言ってよ。お兄ちゃんに言った、て。後でばれたとき、気まずいじゃん!」
「そぉ? 純平くんがばれないようにしてたら、ばれないんじゃない?」
今し方、純平への隠し事への後ろめたさからすべてを明かしたというのに、性懲りもなく央はあっさりとそんなこと言う。しかしそれは、純平が許さなかった。
「ダメだよ、央ちゃん。ちゃんと槇村くんに言わないと、嘘つきさんになるよ?」
「う…。分かった、ちゃんと言っとく…」
嘘つきだと言われると、それは確かにそうに違いなく、居心地が悪い。央は観念して頷いた。そもそも槇村は、純平には話したほうがいいというようなことを言っていたから、言っても問題はないだろう。
「絶対だからね、央ちゃん。電話番号聞いたんだったら、月曜日までに言っといてよ? 月曜に会社行って、槇村くん、俺が知らないと思って、ばれないように必死で隠そうとしてたら、何かこっちまで悪いことしてる気分になるから」
「分かった分かった。電話かー…。あ、でも槇村くんて、毎日電話とかそんなんしたらウザいとか思う人かな?」
「どうだろうなぁ」
「純平くん、知らないの?」
「知らないよぉ。俺、そもそも槇村くんの番号も知らないんだから」
「むー…」
「でも槇村くん、会社でも殆どスマホ弄ってないから、あんましないんじゃないかな? 分かんないけど」
槇村くんとそんな話したことないから…と純平はすまなそうに眉を下げる。
今どきの若者は、いつでもどこでも誰かと繋がっていたいと思う気持ちが強いように言われるけれど、槇村は、そういう感情を持つには少し年がいっているから、頻繁な電話やメールは面倒くさがりそうな気はする。もちろん年齢に関係なく、SNSの類を好きな人はいるけれど、純平の話を聞く限り、槇村はそういうタイプではなさそうだ。
「なぁ、純平くーん」
「何ですか」
「俺、槇村くんと付き合うことになったんだよー?」
「え、うん。それは聞いたよ」
「…………夢かなぁ?」
「ええぇっ!? まさかの夢オチ!? いや、俺は今央ちゃんから聞いただけだから、ホントのところは知らないけど…………違うでしょ? 電話番号とか教えてもらったんでしょ?」
「うん。でも何か、すごすぎて、夢みたいで…」
央はポテッと隣の純平に体を預けた。
昨日の夜、電車の中で槇村に会ってから、まだ24時間も経っていない。それなのに、央はもう諦めなければ…と思っていた槇村への想いを実らせ、槇村と付き合うことになり、キスをして、槇村の家に泊まって来たのだ。頭が付いて行かない。
「純平くん…、俺、槇村くんと付き合うことになったんだよ…?」
「分かった分かった。夢じゃないんでしょ? おめでとう、央ちゃん」
「…うん。だから、純平くんも、あれだよ?」
「ん?」
「お休みの日に、1人でお家に引き籠ってないで、彼女作らないとダメだよ?」
「辛辣!!」
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「そぉ? 純平くんがばれないようにしてたら、ばれないんじゃない?」
今し方、純平への隠し事への後ろめたさからすべてを明かしたというのに、性懲りもなく央はあっさりとそんなこと言う。しかしそれは、純平が許さなかった。
「ダメだよ、央ちゃん。ちゃんと槇村くんに言わないと、嘘つきさんになるよ?」
「う…。分かった、ちゃんと言っとく…」
嘘つきだと言われると、それは確かにそうに違いなく、居心地が悪い。央は観念して頷いた。そもそも槇村は、純平には話したほうがいいというようなことを言っていたから、言っても問題はないだろう。
「絶対だからね、央ちゃん。電話番号聞いたんだったら、月曜日までに言っといてよ? 月曜に会社行って、槇村くん、俺が知らないと思って、ばれないように必死で隠そうとしてたら、何かこっちまで悪いことしてる気分になるから」
「分かった分かった。電話かー…。あ、でも槇村くんて、毎日電話とかそんなんしたらウザいとか思う人かな?」
「どうだろうなぁ」
「純平くん、知らないの?」
「知らないよぉ。俺、そもそも槇村くんの番号も知らないんだから」
「むー…」
「でも槇村くん、会社でも殆どスマホ弄ってないから、あんましないんじゃないかな? 分かんないけど」
槇村くんとそんな話したことないから…と純平はすまなそうに眉を下げる。
今どきの若者は、いつでもどこでも誰かと繋がっていたいと思う気持ちが強いように言われるけれど、槇村は、そういう感情を持つには少し年がいっているから、頻繁な電話やメールは面倒くさがりそうな気はする。もちろん年齢に関係なく、SNSの類を好きな人はいるけれど、純平の話を聞く限り、槇村はそういうタイプではなさそうだ。
「なぁ、純平くーん」
「何ですか」
「俺、槇村くんと付き合うことになったんだよー?」
「え、うん。それは聞いたよ」
「…………夢かなぁ?」
「ええぇっ!? まさかの夢オチ!? いや、俺は今央ちゃんから聞いただけだから、ホントのところは知らないけど…………違うでしょ? 電話番号とか教えてもらったんでしょ?」
「うん。でも何か、すごすぎて、夢みたいで…」
央はポテッと隣の純平に体を預けた。
昨日の夜、電車の中で槇村に会ってから、まだ24時間も経っていない。それなのに、央はもう諦めなければ…と思っていた槇村への想いを実らせ、槇村と付き合うことになり、キスをして、槇村の家に泊まって来たのだ。頭が付いて行かない。
「純平くん…、俺、槇村くんと付き合うことになったんだよ…?」
「分かった分かった。夢じゃないんでしょ? おめでとう、央ちゃん」
「…うん。だから、純平くんも、あれだよ?」
「ん?」
「お休みの日に、1人でお家に引き籠ってないで、彼女作らないとダメだよ?」
「辛辣!!」
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