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恋は七転び八起き (85)
2015.11.30 Mon
「えー……っと、…………央ちゃん?」
「これ、槇村くんの」
「それは聞いた。槇村くんて…………あの槇村くん?」
「他にどの槇村くんがいるの」
「まぁそうだけど…………えっと…、槇村くんと仲直りした、てこと? いや、仲直りていうか、まさか…」
先週の槇村とのことは、純平に詳しく話したわけではなく、『槇村くんと何かあった?』と聞かれて、『ちょっと…』と答えたくらいだったから、純平は、央の凹み具合と合わせて、激しくケンカをしたとでも思っていただろうが、純平にすら明かしていない連絡先を槇村が央に教えたとなると、仲直りどころではない進展があったと察したに違いない。
「槇村くんがね、俺のこと好きだって言ってくれたんだよー!」
「おおぉ~マジですか! おめでとう央ちゃん!」
それこそ槇村ではないが、どうやって純平に話そうかと思ったのも一瞬のこと、央は嬉しさをそのままに、ストレートにその事実を純平に明かした。
高校生の弟が、自分の職場の先輩(男)と付き合うとなれば、普通はいろいろな意味でショックを受け、何を考えているんだと怒るか、やめておけと忠告するところだが、これまでの央の行動を知っている純平は、素直に喜んでくれた。そこには、弟の願いが叶って喜ばしい気持ちと、弟がストーカーにならなくてよかったという安堵の気持ちの両方が混じっているのだが、それは央の知らないところだ。
「ありがとう、純平くん! 純平くんのおかげ……かどうかは分かんないけど、ありがとう純平くん!」
「いやいや、俺のおかげだって、ちょっとはあるでしょう、央ちゃん! お兄ちゃん、結構がんばったよ?」
「そうだったっけ?」
例のボイン騒動の際は、純平に多大なる迷惑を掛けて世話になったというのに、そんなことはきれいさっぱり忘れて、央はそんな冷たいことを言っている。これが央だ。
「え、でも、じゃあ央ちゃんが昨日お泊りしたのって、まさか、槇村くんち…?」
「………………」
純平が急に真面目な顔になって尋ねて来たので、央はちょっと考えたが、正直に頷いた。
槇村には、キスしたことは内緒だと言われたが、槇村の家に泊まったことについては、何も言われていない。普通に考えれば、それも言わないほうがいいのだろうが、しかし昨日央がどこかしらに泊まったという事実を知っている純平には隠せないので、仕方がない。
「あ、でも純平くん。俺が槇村くんと付き合うことになったの、内緒だからね?」
「そりゃまぁ、誰にも言いませんけど」
「槇村くんにも内緒にしてね? 俺、槇村くんに、純平くんには言わない、て言っちゃったから。槇村くんの中で、純平くんは俺と槇村くんが付き合ってるのを知らない、てことになってんの」
「そ…そうなの…? 俺には言わないことにしてたのに、言ってもいいの? いや、全部聞いてから言うのも何だけど…」
いきなり央が部屋にやって来て、槇村と付き合うことになったのを純平に打ち明けたのであって、決して純平は自分から央に何も尋ねていないのだが、それがまさかそんな秘密の共有になろうとはゆめゆめ思っていなかったようで、唖然としている。
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「これ、槇村くんの」
「それは聞いた。槇村くんて…………あの槇村くん?」
「他にどの槇村くんがいるの」
「まぁそうだけど…………えっと…、槇村くんと仲直りした、てこと? いや、仲直りていうか、まさか…」
先週の槇村とのことは、純平に詳しく話したわけではなく、『槇村くんと何かあった?』と聞かれて、『ちょっと…』と答えたくらいだったから、純平は、央の凹み具合と合わせて、激しくケンカをしたとでも思っていただろうが、純平にすら明かしていない連絡先を槇村が央に教えたとなると、仲直りどころではない進展があったと察したに違いない。
「槇村くんがね、俺のこと好きだって言ってくれたんだよー!」
「おおぉ~マジですか! おめでとう央ちゃん!」
それこそ槇村ではないが、どうやって純平に話そうかと思ったのも一瞬のこと、央は嬉しさをそのままに、ストレートにその事実を純平に明かした。
高校生の弟が、自分の職場の先輩(男)と付き合うとなれば、普通はいろいろな意味でショックを受け、何を考えているんだと怒るか、やめておけと忠告するところだが、これまでの央の行動を知っている純平は、素直に喜んでくれた。そこには、弟の願いが叶って喜ばしい気持ちと、弟がストーカーにならなくてよかったという安堵の気持ちの両方が混じっているのだが、それは央の知らないところだ。
「ありがとう、純平くん! 純平くんのおかげ……かどうかは分かんないけど、ありがとう純平くん!」
「いやいや、俺のおかげだって、ちょっとはあるでしょう、央ちゃん! お兄ちゃん、結構がんばったよ?」
「そうだったっけ?」
例のボイン騒動の際は、純平に多大なる迷惑を掛けて世話になったというのに、そんなことはきれいさっぱり忘れて、央はそんな冷たいことを言っている。これが央だ。
「え、でも、じゃあ央ちゃんが昨日お泊りしたのって、まさか、槇村くんち…?」
「………………」
純平が急に真面目な顔になって尋ねて来たので、央はちょっと考えたが、正直に頷いた。
槇村には、キスしたことは内緒だと言われたが、槇村の家に泊まったことについては、何も言われていない。普通に考えれば、それも言わないほうがいいのだろうが、しかし昨日央がどこかしらに泊まったという事実を知っている純平には隠せないので、仕方がない。
「あ、でも純平くん。俺が槇村くんと付き合うことになったの、内緒だからね?」
「そりゃまぁ、誰にも言いませんけど」
「槇村くんにも内緒にしてね? 俺、槇村くんに、純平くんには言わない、て言っちゃったから。槇村くんの中で、純平くんは俺と槇村くんが付き合ってるのを知らない、てことになってんの」
「そ…そうなの…? 俺には言わないことにしてたのに、言ってもいいの? いや、全部聞いてから言うのも何だけど…」
いきなり央が部屋にやって来て、槇村と付き合うことになったのを純平に打ち明けたのであって、決して純平は自分から央に何も尋ねていないのだが、それがまさかそんな秘密の共有になろうとはゆめゆめ思っていなかったようで、唖然としている。
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