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Midnight Butterfly R15
2008.09.28 Sun
*何となくモデル設定です。(趣味←私の)
*R15です。15歳未満のかた、苦手なかたはご遠慮ください。
*@MKさんへ素敵なイラストとともに出張中です。2009.7.4記事「Midnight Butterfly 出張中」
俺にとってはたった1人の愛しい人でも、アイツにとっての俺は、大勢いる中の1人でしかない。
分かってる、けど。
本日最後の撮影が終わって、帰り支度をしていると、先に支度を終えた天音(アマネ)が、通り過ぎ際、匡哉(マサヤ)の手をなぞるように触れていった。
視線は交わさない。
匡哉は適当に荷物をカバンに詰めると、挨拶をして、何事もないように控え室を出た―――――背後でドアが閉まると、慌てて先に出た天音の姿を探す。それほど時間を置かずに出たものの、すでに廊下に天音の姿はない。
匡哉は軽く舌打ちすると、駐車場に向かうべく、エレヴェータホールへと駆け出す。
―――――いたっ…!
本人は自覚していないが(というよりむしろ、目立たないように努力しているらしいが)、エレヴェータを待つ後ろ姿は、明らかに天音だとすぐに分かるそれだ。
匡哉は後ろから誰も付いてきていないことを確認すると、歩幅を緩めた。エレヴェータの扉が開くタイミングで、天音と同じ箱に乗り込む。
「……そんなに慌てて追い掛けて来なくても、駐車場で待ってたのに」
「天音、待つの嫌いでしょ?」
「天音とか、下の名前で呼ばないで」
「今は、2人きりじゃん」
返事はなかった。それより先に、エレヴェータが地階の駐車場に到着したのだ。コンクリートに囲まれたそこは、独特の、ひんやりとした空気に包まれている。
天音はおとなしく、匡哉の後を付いてきた。
別にそうすることを要求したことなんてないのに、天音のため、匡哉は甲斐甲斐しく助手席側のドアを開けてやった。悪い気はしないけど。
「何か、食って帰る?」
「面倒臭いな」
たあいのない会話。
静かに車が動き出す。駐車場を出たところで、天音がサングラスを外した。
「……それ、最近よく掛けてるね」
それほど目敏いというわけでもないが、今まで天音が持っていなかったブランドのものだったので、つい目が行ってしまった。サングラス1つだとしても、決して安い買い物ではない品。
「貰ったの。いいなぁ~って言ってたら、プレゼントされちゃった」
シャツの前にサングラスを引っ掛け、天音はチラリと匡哉を見た。
その視線に気付いたけれど、匡哉はあえて気付かないふりをする。"貢がせた、の間違いだろ?"という言葉も飲み込んで。
「匡哉は何もくれないよね」
「俺はお前のパトロンか」
「俺、欲しいリングがあったのに」
冗談とも本気とも取れる口調でそう言って、天音は口元を歪めた。
「やっぱ腹減った。パスタ食いたい。お前以外の人が作ったヤツ」
「素直にメシ食って帰りたいって言いなよ」
それでも匡哉は、最近行ったお気に入りのイタリア料理店へと、進行方向を変えた。
*****
食欲が満たされたところで、2人はそのまま、近くのホテルへと向かった。天音は絶対に自分の家に人を入れさせないし、匡哉の家には両親と弟がいるから。
今は、有人のフロントを通らなくても入れるところが多いから、何かと便利だ。
中は多少豪華な雰囲気を醸し出す部屋だったけれど、お互いそんなことには興味なく、ドアが閉まると、匡哉は少し乱暴に天音に口付けた。
「…ッ、匡哉、バカ、がっつき過ぎ…!」
匡哉の肩を押し返した天音は、肩で息をしながら、濡れた唇を拭った。
「いいじゃん、欲しいの、俺は」
「ぁ…」
もう1度深く口付けられて、天音は抵抗をやめた。
*****
「ねぇー」
「…ん、? ぁ、ん…」
何度もイカされて、気怠い体。
シャワーを浴びたいけれど動くのが面倒臭くて、匡哉が(抱っこしてでも何でもいいから)バスルームまで連れて行ってくれないかなぁ、なんて勝手なことを考えていたら、スルリと体のラインをなぞられる。
「なに…? お風呂ぉ…」
眠くなって来たせいで、天音の言葉の語尾が甘く伸びている。
日ごろ素っ気ない素振りを見せているくせに、こんなとき無意識に甘えてくるからタチが悪い。
それでも匡哉は心を動かされてしまって、すり寄せってくる天音を抱き締めてしまう。
「ここ、」
「んん、やぁ…」
太ももの付け根に指を這わされ、天音はビクリと体を跳ね上げた。
「やめてよぉ…」
キュウと眉を寄せて、匡哉を押し返そうとするが、力が入らずうまくいかない。
「ねぇ、ここさぁ、」
「ん、ふぅ…」
「俺も付けていーい?」
「な、に…?」
何のこと? と視線を向ければ、いたずらっぽい笑みを浮かべる匡哉と目が合って、天音はそれでもキッと睨み付けた。
「匡哉、ヤ、」
片足だけを胸に付くくらいグッと持ち上げられて、体勢的に苦しい。足をジタバタさせてみても、匡哉は離してくれない。
「何、も…や、あっ!」
足の付け根、先ほど舐められた敏感な場所に走る小さな痛み。何をされたのか分からない、初心な人間ではない。
抱えられていた足を下ろされて、自分からは確認できないその場所に付いたであろうキスマークに、天音は少し渋い顔をした。
「ざけんな…」
先ほどまでの甘い声ではもうなくて、少し苛付いたそれに、けれど匡哉は悪びれたふうも見せない。
「いいじゃん、どっかの誰かさんだって、付けたんでしょ? ここに。俺にだってさせてくれたっていいじゃん」
「、」
天音は何も言い返さない。
匡哉ではない誰かが付けた、所有印。そうしたからといって、天音が自分だけのものになるわけでもないのに。
「匡哉も、そういうの好きだね」
匡哉"も"。
けれど匡哉は、敢えてその言葉を聞き流した。
天音も分かっていて、それ以上は何も言わない。
束縛は、するのもされるのも嫌い。
愛されるのは、好き。
愛されてるって、実感するのが。
だから心は誰にもあげないけれど、体なら誰にでも差し出せる。ううん、みんなが欲しがってくれるから。
みんなが自分のことを、うんと欲しがって、愛してくれて。追われる恋がいい。
「天音…」
「ん…」
キレイに筋肉の付いた天音の体を組み敷いて、匡哉くは甘く唇を奪う。すんなりと受け入れる天音を嬉しく思いつつも、寂しさを隠し切れない。
誰のものにもならない天音。
その体も、ましてや心も。
消えかけた誰かのキスマークの上に記し直された、新たな印。
消えてなくなるまでは、せめて。
どうか、せめて今だけは。
*R15です。15歳未満のかた、苦手なかたはご遠慮ください。
*@MKさんへ素敵なイラストとともに出張中です。2009.7.4記事「Midnight Butterfly 出張中」
俺にとってはたった1人の愛しい人でも、アイツにとっての俺は、大勢いる中の1人でしかない。
分かってる、けど。
本日最後の撮影が終わって、帰り支度をしていると、先に支度を終えた天音(アマネ)が、通り過ぎ際、匡哉(マサヤ)の手をなぞるように触れていった。
視線は交わさない。
匡哉は適当に荷物をカバンに詰めると、挨拶をして、何事もないように控え室を出た―――――背後でドアが閉まると、慌てて先に出た天音の姿を探す。それほど時間を置かずに出たものの、すでに廊下に天音の姿はない。
匡哉は軽く舌打ちすると、駐車場に向かうべく、エレヴェータホールへと駆け出す。
―――――いたっ…!
本人は自覚していないが(というよりむしろ、目立たないように努力しているらしいが)、エレヴェータを待つ後ろ姿は、明らかに天音だとすぐに分かるそれだ。
匡哉は後ろから誰も付いてきていないことを確認すると、歩幅を緩めた。エレヴェータの扉が開くタイミングで、天音と同じ箱に乗り込む。
「……そんなに慌てて追い掛けて来なくても、駐車場で待ってたのに」
「天音、待つの嫌いでしょ?」
「天音とか、下の名前で呼ばないで」
「今は、2人きりじゃん」
返事はなかった。それより先に、エレヴェータが地階の駐車場に到着したのだ。コンクリートに囲まれたそこは、独特の、ひんやりとした空気に包まれている。
天音はおとなしく、匡哉の後を付いてきた。
別にそうすることを要求したことなんてないのに、天音のため、匡哉は甲斐甲斐しく助手席側のドアを開けてやった。悪い気はしないけど。
「何か、食って帰る?」
「面倒臭いな」
たあいのない会話。
静かに車が動き出す。駐車場を出たところで、天音がサングラスを外した。
「……それ、最近よく掛けてるね」
それほど目敏いというわけでもないが、今まで天音が持っていなかったブランドのものだったので、つい目が行ってしまった。サングラス1つだとしても、決して安い買い物ではない品。
「貰ったの。いいなぁ~って言ってたら、プレゼントされちゃった」
シャツの前にサングラスを引っ掛け、天音はチラリと匡哉を見た。
その視線に気付いたけれど、匡哉はあえて気付かないふりをする。"貢がせた、の間違いだろ?"という言葉も飲み込んで。
「匡哉は何もくれないよね」
「俺はお前のパトロンか」
「俺、欲しいリングがあったのに」
冗談とも本気とも取れる口調でそう言って、天音は口元を歪めた。
「やっぱ腹減った。パスタ食いたい。お前以外の人が作ったヤツ」
「素直にメシ食って帰りたいって言いなよ」
それでも匡哉は、最近行ったお気に入りのイタリア料理店へと、進行方向を変えた。
*****
食欲が満たされたところで、2人はそのまま、近くのホテルへと向かった。天音は絶対に自分の家に人を入れさせないし、匡哉の家には両親と弟がいるから。
今は、有人のフロントを通らなくても入れるところが多いから、何かと便利だ。
中は多少豪華な雰囲気を醸し出す部屋だったけれど、お互いそんなことには興味なく、ドアが閉まると、匡哉は少し乱暴に天音に口付けた。
「…ッ、匡哉、バカ、がっつき過ぎ…!」
匡哉の肩を押し返した天音は、肩で息をしながら、濡れた唇を拭った。
「いいじゃん、欲しいの、俺は」
「ぁ…」
もう1度深く口付けられて、天音は抵抗をやめた。
*****
「ねぇー」
「…ん、? ぁ、ん…」
何度もイカされて、気怠い体。
シャワーを浴びたいけれど動くのが面倒臭くて、匡哉が(抱っこしてでも何でもいいから)バスルームまで連れて行ってくれないかなぁ、なんて勝手なことを考えていたら、スルリと体のラインをなぞられる。
「なに…? お風呂ぉ…」
眠くなって来たせいで、天音の言葉の語尾が甘く伸びている。
日ごろ素っ気ない素振りを見せているくせに、こんなとき無意識に甘えてくるからタチが悪い。
それでも匡哉は心を動かされてしまって、すり寄せってくる天音を抱き締めてしまう。
「ここ、」
「んん、やぁ…」
太ももの付け根に指を這わされ、天音はビクリと体を跳ね上げた。
「やめてよぉ…」
キュウと眉を寄せて、匡哉を押し返そうとするが、力が入らずうまくいかない。
「ねぇ、ここさぁ、」
「ん、ふぅ…」
「俺も付けていーい?」
「な、に…?」
何のこと? と視線を向ければ、いたずらっぽい笑みを浮かべる匡哉と目が合って、天音はそれでもキッと睨み付けた。
「匡哉、ヤ、」
片足だけを胸に付くくらいグッと持ち上げられて、体勢的に苦しい。足をジタバタさせてみても、匡哉は離してくれない。
「何、も…や、あっ!」
足の付け根、先ほど舐められた敏感な場所に走る小さな痛み。何をされたのか分からない、初心な人間ではない。
抱えられていた足を下ろされて、自分からは確認できないその場所に付いたであろうキスマークに、天音は少し渋い顔をした。
「ざけんな…」
先ほどまでの甘い声ではもうなくて、少し苛付いたそれに、けれど匡哉は悪びれたふうも見せない。
「いいじゃん、どっかの誰かさんだって、付けたんでしょ? ここに。俺にだってさせてくれたっていいじゃん」
「、」
天音は何も言い返さない。
匡哉ではない誰かが付けた、所有印。そうしたからといって、天音が自分だけのものになるわけでもないのに。
「匡哉も、そういうの好きだね」
匡哉"も"。
けれど匡哉は、敢えてその言葉を聞き流した。
天音も分かっていて、それ以上は何も言わない。
束縛は、するのもされるのも嫌い。
愛されるのは、好き。
愛されてるって、実感するのが。
だから心は誰にもあげないけれど、体なら誰にでも差し出せる。ううん、みんなが欲しがってくれるから。
みんなが自分のことを、うんと欲しがって、愛してくれて。追われる恋がいい。
「天音…」
「ん…」
キレイに筋肉の付いた天音の体を組み敷いて、匡哉くは甘く唇を奪う。すんなりと受け入れる天音を嬉しく思いつつも、寂しさを隠し切れない。
誰のものにもならない天音。
その体も、ましてや心も。
消えかけた誰かのキスマークの上に記し直された、新たな印。
消えてなくなるまでは、せめて。
どうか、せめて今だけは。
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COMMENT-FORM
りり ⇒ モデル設定って…?!?!
どわ…今日は一転してアダルトなムードですね?!
誰のものにもならない天音。
モデルはっモデルは誰なの~~~~?!
いそうですよね、いわゆる魔性の。
マノン・レスコーみたいな…?
誰とでも寝てしまうのに
何にも誰にも縛られてない恬淡とした心
ならではの清らかさ。
ううう…如月さま恐るべし…。
誰のものにもならない天音。
モデルはっモデルは誰なの~~~~?!
いそうですよね、いわゆる魔性の。
マノン・レスコーみたいな…?
誰とでも寝てしまうのに
何にも誰にも縛られてない恬淡とした心
ならではの清らかさ。
ううう…如月さま恐るべし…。
如月久美子 ⇒ >りりさん
実はこんな話も好きなんです、私。
いろんな子と遊んでる、じゃないけど、誰のものにもならない、みたいな。
ころころと雰囲気の違う話ばっかり書いて、読むほうも大変だと思いますが、もうちょっと祭りは続きますんで、どうぞよろしくです~!
コメントありがとうございました!
いろんな子と遊んでる、じゃないけど、誰のものにもならない、みたいな。
ころころと雰囲気の違う話ばっかり書いて、読むほうも大変だと思いますが、もうちょっと祭りは続きますんで、どうぞよろしくです~!
コメントありがとうございました!