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いつも傍にいたい
2008.09.27 Sat
…………ヤバイ。
そう思ったときには、もう遅くて。
「悠有(ユウ)!?」
どこか遠くで、ゼミ仲間たちの声が、聞こえた気がする。
*****
―――――あー…………頭が冷たくて気持ちいー……。
「―――…………え……?」
開けた視界には、よく見知った顔が。
「じゅ、ん…?」
何で? 何で淳がいるの?
だって俺、ゼミのみんなと一緒にいたじゃん――――そうだよ、俺、学校…!
「うっ…」
慌てて起き上がろうとしたら、目の前がグラグラして、そのままベッドへと倒れた。
「おい、無理すんなって! 熱まだ引いてねぇんだから!」
淳が布団を掛け直してくれる。
「熱…?」
「そうだよ、お前、熱出してぶっ倒れたんだろ?」
「ウソ…」
熱で倒れたって……学校? 信じられない…………ってか、俺ってマジ最悪。
「でも……何で淳…」
学校で倒れちゃったとして、でも一緒にいたのはゼミの仲間だろ? もし側にいるとしたら、家族か医者か、少なくともゼミ仲間の誰かなんじゃないの?
「ダチから、お前が倒れたって聞いたの!」
「そう……なんだ…」
「冷えピタ貼り替える? おかゆとか食べれる? あ、薬、」
…………ゴメン淳。
ただでさえ熱で頭がボーっとしてるんだ。
そんなに一遍に言われても、分かんない…。
「悠有?」
「……食欲ない…」
「でも何か食べなきゃ、薬飲めないっしょ? 大丈夫、おかゆは悠有のお母さんが作ったヤツだから、おいしいよ。今あっためてくるね!」
「じゅ…」
淳は俺の返事を待たずに、部屋を出て行ってしまった。
「ふぅ…」
何で?
淳だって仕事、忙しいんでしょ? たまたま時間あったの? だったらゆっくり休みたいんじゃないの? それか、遊びに行くとか。
なのに何で、こんな病人の看病になんか来てんの?
ぼやけた頭の中。
いろんなことがグルグル回る。
グルグル、ぐるぐる……。
*****
「悠有、お待たせ」
「ぁ…」
「また熱上がった? 起きれそう?」
まだ頭はグラグラするけど、淳の言うとおり、何か食べなきゃ薬は飲めないから、何とか体を起こす。
ベッドヘッドに体を凭れ掛け、淳からおかゆの乗ったお盆を受け取ろうとするが、どういうわけか、淳はそれを寄越そうとしない。
「淳?」
「いいから、」
は?
いいから、って、何が? なんて思ってたら、淳はレンゲでおかゆを掬って、俺の口元に差し出してきた。
「はい、アーン」
はぁ~~~??
「アーン、して? 食べさせてあげるから」
「い、いいよ! 自分で食えるし!」
「何で? アーンしてあげんのが、看病の醍醐味でしょ?」
…………アホだ。
本物のアホがここにいる…。
「ほら、悠有! 早く!」
どうあっても淳は、俺にアーンてしておかゆを食べさせたいみたいで、一歩も引く様子がない。
体起こしてるだけでグラグラしてる俺としては、こんなことにいつまでも時間を費やしていたくないわけで。
「…………」
仕方なく、あー……と、口を開けると、淳が嬉しそうにおかゆを俺の口に運んでくれた。
あ、おいしい。
そりゃそうか、お母さんが作ったんだし。
「悠有、おいしい? おいしい?」
なのに淳は、まるで自分で作ったみたいにそう聞いてくるから、「おいしいよ」って答えれば、満面の笑みを見せて、2口目を運んでくる。
「これ食ったら、薬飲んで寝ようなぁ? あ、冷えピタの替え持ってこないと!」
ふふ、何かこんな甲斐甲斐しい淳、新鮮でいいなぁ。
「淳、優しいんだね」
おかゆを食べ終えた俺に、風邪薬と水の入ったグラスを手渡す淳にそう言うと、淳は困ったような顔で視線を逸らした。
「悠有? 早く飲めって。ホラ、冷えピタ!」
「淳、貼ってよ」
薬を飲んで、ちょこっとだけ淳に甘えてみると、淳はますます困ったような顔をする。
もしかして、照れてるの?
さっきまで、「アーン」とか、もっとずっと恥ずかしいことを平気でしてたくせに?
「淳?」
「分かったよ! ホラ、頭出せ!!」
照れ隠しなのか、声が大きくなってる。
結構、頭に響くんですが…。
ベリッて、全然優しさの感じられない剥がされ方で、温くなった冷えピタを剥がされ、スースーするおでこに、新しい冷えピタを貼ってもらう。
「完了。ほら悠有、寝て!」
「……ん」
もぞもぞフトンに潜り込めば、淳がフトンの襟を直してくれる。
あったかい…。
「ねぇ、淳…」
「ん?」
「んーん…」
「もう寝ろよ。そんで早く治せ」
「……ん、」
でも。
でもさ、淳がこんなに優しくしてくれるんだったら、たまには熱を出すのも悪くはないかなって、ちょっと思ったんだよ。
ちょっとだけね。
そう思ったときには、もう遅くて。
「悠有(ユウ)!?」
どこか遠くで、ゼミ仲間たちの声が、聞こえた気がする。
*****
―――――あー…………頭が冷たくて気持ちいー……。
「―――…………え……?」
開けた視界には、よく見知った顔が。
「じゅ、ん…?」
何で? 何で淳がいるの?
だって俺、ゼミのみんなと一緒にいたじゃん――――そうだよ、俺、学校…!
「うっ…」
慌てて起き上がろうとしたら、目の前がグラグラして、そのままベッドへと倒れた。
「おい、無理すんなって! 熱まだ引いてねぇんだから!」
淳が布団を掛け直してくれる。
「熱…?」
「そうだよ、お前、熱出してぶっ倒れたんだろ?」
「ウソ…」
熱で倒れたって……学校? 信じられない…………ってか、俺ってマジ最悪。
「でも……何で淳…」
学校で倒れちゃったとして、でも一緒にいたのはゼミの仲間だろ? もし側にいるとしたら、家族か医者か、少なくともゼミ仲間の誰かなんじゃないの?
「ダチから、お前が倒れたって聞いたの!」
「そう……なんだ…」
「冷えピタ貼り替える? おかゆとか食べれる? あ、薬、」
…………ゴメン淳。
ただでさえ熱で頭がボーっとしてるんだ。
そんなに一遍に言われても、分かんない…。
「悠有?」
「……食欲ない…」
「でも何か食べなきゃ、薬飲めないっしょ? 大丈夫、おかゆは悠有のお母さんが作ったヤツだから、おいしいよ。今あっためてくるね!」
「じゅ…」
淳は俺の返事を待たずに、部屋を出て行ってしまった。
「ふぅ…」
何で?
淳だって仕事、忙しいんでしょ? たまたま時間あったの? だったらゆっくり休みたいんじゃないの? それか、遊びに行くとか。
なのに何で、こんな病人の看病になんか来てんの?
ぼやけた頭の中。
いろんなことがグルグル回る。
グルグル、ぐるぐる……。
*****
「悠有、お待たせ」
「ぁ…」
「また熱上がった? 起きれそう?」
まだ頭はグラグラするけど、淳の言うとおり、何か食べなきゃ薬は飲めないから、何とか体を起こす。
ベッドヘッドに体を凭れ掛け、淳からおかゆの乗ったお盆を受け取ろうとするが、どういうわけか、淳はそれを寄越そうとしない。
「淳?」
「いいから、」
は?
いいから、って、何が? なんて思ってたら、淳はレンゲでおかゆを掬って、俺の口元に差し出してきた。
「はい、アーン」
はぁ~~~??
「アーン、して? 食べさせてあげるから」
「い、いいよ! 自分で食えるし!」
「何で? アーンしてあげんのが、看病の醍醐味でしょ?」
…………アホだ。
本物のアホがここにいる…。
「ほら、悠有! 早く!」
どうあっても淳は、俺にアーンてしておかゆを食べさせたいみたいで、一歩も引く様子がない。
体起こしてるだけでグラグラしてる俺としては、こんなことにいつまでも時間を費やしていたくないわけで。
「…………」
仕方なく、あー……と、口を開けると、淳が嬉しそうにおかゆを俺の口に運んでくれた。
あ、おいしい。
そりゃそうか、お母さんが作ったんだし。
「悠有、おいしい? おいしい?」
なのに淳は、まるで自分で作ったみたいにそう聞いてくるから、「おいしいよ」って答えれば、満面の笑みを見せて、2口目を運んでくる。
「これ食ったら、薬飲んで寝ようなぁ? あ、冷えピタの替え持ってこないと!」
ふふ、何かこんな甲斐甲斐しい淳、新鮮でいいなぁ。
「淳、優しいんだね」
おかゆを食べ終えた俺に、風邪薬と水の入ったグラスを手渡す淳にそう言うと、淳は困ったような顔で視線を逸らした。
「悠有? 早く飲めって。ホラ、冷えピタ!」
「淳、貼ってよ」
薬を飲んで、ちょこっとだけ淳に甘えてみると、淳はますます困ったような顔をする。
もしかして、照れてるの?
さっきまで、「アーン」とか、もっとずっと恥ずかしいことを平気でしてたくせに?
「淳?」
「分かったよ! ホラ、頭出せ!!」
照れ隠しなのか、声が大きくなってる。
結構、頭に響くんですが…。
ベリッて、全然優しさの感じられない剥がされ方で、温くなった冷えピタを剥がされ、スースーするおでこに、新しい冷えピタを貼ってもらう。
「完了。ほら悠有、寝て!」
「……ん」
もぞもぞフトンに潜り込めば、淳がフトンの襟を直してくれる。
あったかい…。
「ねぇ、淳…」
「ん?」
「んーん…」
「もう寝ろよ。そんで早く治せ」
「……ん、」
でも。
でもさ、淳がこんなに優しくしてくれるんだったら、たまには熱を出すのも悪くはないかなって、ちょっと思ったんだよ。
ちょっとだけね。
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COMMENT-FORM
りり ⇒ 如月さまったら!!
はぁ~~~~~…。
もう、如月さま…。どんだけ萌えカード持ってんすか…。
こっちも熱が出そうですよ…。
萌えすぎて。
今朝はアーンて!!!!!
まったどんだけ可愛い~?!て
暴れてしまうのでした。
弱ったときに好きな人がかいがいしくしてくれる。
これに勝る幸せはないような気がする。
もう、如月さま…。どんだけ萌えカード持ってんすか…。
こっちも熱が出そうですよ…。
萌えすぎて。
今朝はアーンて!!!!!
まったどんだけ可愛い~?!て
暴れてしまうのでした。
弱ったときに好きな人がかいがいしくしてくれる。
これに勝る幸せはないような気がする。
柚子季 杏 ⇒ たまらない・・・・
最後の甘えた具合がもう。。。。。。。
ハウゥ~~なのかくぅぅ~~なのかんぎゃ~~なのか・・・・・
言葉が思いつかないくらい悶えてます(え
あ~~んも・・・やられましたよ、あぁ、今日も幸せ゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
ハウゥ~~なのかくぅぅ~~なのかんぎゃ~~なのか・・・・・
言葉が思いつかないくらい悶えてます(え
あ~~んも・・・やられましたよ、あぁ、今日も幸せ゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
如月久美子 ⇒ >りりさん
意外とベタなネタが好きだってことが、もうバレバレです。
アーン、とかね。。。
実際は具合悪いときに、こんなにバタバタされたら、しんどいでしょうけど(苦笑)
でも好きな人が側にいてくれれば、それだけで幸せですよね。
コメントありがとうございました!
アーン、とかね。。。
実際は具合悪いときに、こんなにバタバタされたら、しんどいでしょうけど(苦笑)
でも好きな人が側にいてくれれば、それだけで幸せですよね。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
言葉が思い付かないくらいの萌え……あ~ん、こっちこそやられましたよ~!!
なぜかやたら甘えん坊ばかりが登場する私のお話……アーンて!
超ベタなネタでしたが、悶えてもらえて嬉しいです~!!
コメントありがとうございました!
なぜかやたら甘えん坊ばかりが登場する私のお話……アーンて!
超ベタなネタでしたが、悶えてもらえて嬉しいです~!!
コメントありがとうございました!