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恋は七転び八起き (73)
2015.11.17 Tue
「…俺、もう槇村くんのこと、好きじゃないよ? だって槇村くん、俺のこと嫌いだって言ったじゃんか。だから…、だから俺、槇村くんのこと諦めようとし…………」
央が言葉を詰まらせたのと同時に、その目に浮かんだ涙がボロリと零れ落ちた。槇村は、今度は躊躇いなく、その涙を拭った。央は抵抗しなかった。拭っても拭っても、涙は零れた。
「俺っ…、槇村くんのこと、もう好きじゃないっ。今さらっ、そんなの今さら言ったって、もう遅いっ…!」
「…うん」
槇村の告白が今さらだということは、槇村自身が一番分かっていることだった。しかし、改めて央にその言葉を突き付けられて、胸が痛む。でもこんなの、央の心の傷に比べたら。そのくらい、槇村は央のことを傷付けた。
「もう、おそぃ………………ッ、槇村くん…、」
「…ん?」
「…………好きっ……」
央は、言葉とともに槇村に抱き付いた。槇村の胸に顔をうずめたまま、好きだと何度も繰り返す。槇村は央の薄い背中に腕を回した。
「…俺も好き」
伝えれば、央はまた、肩を震わせた。槇村は、あやすように背中を叩いてやる。……槇村は、この背中を何度見て来たことだろう。槇村に告白を断られて、寂しげに駅へと戻る央の後ろ姿。
「央、好きだ」
「…ん、好き」
「央と付き合いたい」
「…ぅん」
「央と恋人になりたい」
「う、んっ、俺もなりたいッ…」
槇村は背中に回したその腕に、力を込めた。
*****
互いに想いを伝えあった後、照れ臭いような、面映ゆいような雰囲気が漂って、央は何も言えずに膝を抱えて恥ずかしそうにしているし、槇村も空気に飲まれてモジモジしている始末。これじゃあまるで思春期の恋心だ。央はまだ高校生だからともかく、槇村にいたってはもう34なのだから、これではまずい。
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央が言葉を詰まらせたのと同時に、その目に浮かんだ涙がボロリと零れ落ちた。槇村は、今度は躊躇いなく、その涙を拭った。央は抵抗しなかった。拭っても拭っても、涙は零れた。
「俺っ…、槇村くんのこと、もう好きじゃないっ。今さらっ、そんなの今さら言ったって、もう遅いっ…!」
「…うん」
槇村の告白が今さらだということは、槇村自身が一番分かっていることだった。しかし、改めて央にその言葉を突き付けられて、胸が痛む。でもこんなの、央の心の傷に比べたら。そのくらい、槇村は央のことを傷付けた。
「もう、おそぃ………………ッ、槇村くん…、」
「…ん?」
「…………好きっ……」
央は、言葉とともに槇村に抱き付いた。槇村の胸に顔をうずめたまま、好きだと何度も繰り返す。槇村は央の薄い背中に腕を回した。
「…俺も好き」
伝えれば、央はまた、肩を震わせた。槇村は、あやすように背中を叩いてやる。……槇村は、この背中を何度見て来たことだろう。槇村に告白を断られて、寂しげに駅へと戻る央の後ろ姿。
「央、好きだ」
「…ん、好き」
「央と付き合いたい」
「…ぅん」
「央と恋人になりたい」
「う、んっ、俺もなりたいッ…」
槇村は背中に回したその腕に、力を込めた。
*****
互いに想いを伝えあった後、照れ臭いような、面映ゆいような雰囲気が漂って、央は何も言えずに膝を抱えて恥ずかしそうにしているし、槇村も空気に飲まれてモジモジしている始末。これじゃあまるで思春期の恋心だ。央はまだ高校生だからともかく、槇村にいたってはもう34なのだから、これではまずい。
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