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恋は七転び八起き (72)
2015.11.16 Mon
「ひ…」
「ッ…、なっ、なっ、なな何言ってんのっ!! はぁっ!? 何言ってんのっ!!」
大丈夫か、と槇村が声を掛けようとするより一瞬早く口を開いた央が、一気に捲し立てる。どうやら、先ほど槇村が告げた言葉が、今になってやっと脳の肝心な部分に行き渡ったようだ。しかし、すっかり動揺した央は、壊れたロボットのように、同じセリフを繰り返すだけだ。
「央、ちょっと落ち着け、て」
央をこんな状態にさせた張本人が何を言うか、しかしそう言うしかないくらい、央はパニックを起こしている。
「は…? 何言って……………………何…………」
「ちょっ、央!」
それこそ機械だったら、ちょうど電池切れか燃料切れを起こしたところだろう。央は力なく最後の一言を発して、ふらりと後ろに引っ繰り返りそうになったが、槇村が腕にその体を抱いたままだったから、倒れることは免れた。
「央…、大丈夫か?」
「………………大丈夫、じゃないわ…………バカ、アホ…」
槇村の腕の中で、茫然としたまま、それでも央は何とか反論して来た。それにしても、そのくらい罵られてもまだ足りないくらいのことを槇村はしたけれど、よく一回りも年の離れた相手に向かって、『バカ』だの『アホ』だのと言えたものだ。
「……どんだけ俺の気持ち引っ掻き回せば気が済むの…………」
「…ゴメン」
消え入りそうな央の言葉に、槇村は素直に謝った。責めるような言葉だったが、央は槇村の腕から逃げ出そうとはしなかった。腕の中で大人しく、槇村のことを見つめていた。
「……やっと、今になってやっと、自分の気持ちが分かって…………でも、そんなの今さらだろ?」
「…今さらだな。てか、今て? いつの今? たった今?」
「……たった今。お前に好きだって言うた直前」
「ホントにたった今だな…。バッカじゃね?」
央のひどい言い様に、さすがに突っ込んでやろうかと思ったが、言葉とは対照的に、央は今にも泣き出しそうな表情だった。
「…………もっと早くに気が付いて、素直にお前に伝えられてたら、こんなにお前のこと傷付けたり、苦しめたりしなかったのに、て思って…」
「……だから、さっき謝ったの?」
「…うん」
「…勝手だね」
「…ゴメン」
央は槇村の腕に預けていた体を起こして、しっかりと槇村と向き合った。
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「ッ…、なっ、なっ、なな何言ってんのっ!! はぁっ!? 何言ってんのっ!!」
大丈夫か、と槇村が声を掛けようとするより一瞬早く口を開いた央が、一気に捲し立てる。どうやら、先ほど槇村が告げた言葉が、今になってやっと脳の肝心な部分に行き渡ったようだ。しかし、すっかり動揺した央は、壊れたロボットのように、同じセリフを繰り返すだけだ。
「央、ちょっと落ち着け、て」
央をこんな状態にさせた張本人が何を言うか、しかしそう言うしかないくらい、央はパニックを起こしている。
「は…? 何言って……………………何…………」
「ちょっ、央!」
それこそ機械だったら、ちょうど電池切れか燃料切れを起こしたところだろう。央は力なく最後の一言を発して、ふらりと後ろに引っ繰り返りそうになったが、槇村が腕にその体を抱いたままだったから、倒れることは免れた。
「央…、大丈夫か?」
「………………大丈夫、じゃないわ…………バカ、アホ…」
槇村の腕の中で、茫然としたまま、それでも央は何とか反論して来た。それにしても、そのくらい罵られてもまだ足りないくらいのことを槇村はしたけれど、よく一回りも年の離れた相手に向かって、『バカ』だの『アホ』だのと言えたものだ。
「……どんだけ俺の気持ち引っ掻き回せば気が済むの…………」
「…ゴメン」
消え入りそうな央の言葉に、槇村は素直に謝った。責めるような言葉だったが、央は槇村の腕から逃げ出そうとはしなかった。腕の中で大人しく、槇村のことを見つめていた。
「……やっと、今になってやっと、自分の気持ちが分かって…………でも、そんなの今さらだろ?」
「…今さらだな。てか、今て? いつの今? たった今?」
「……たった今。お前に好きだって言うた直前」
「ホントにたった今だな…。バッカじゃね?」
央のひどい言い様に、さすがに突っ込んでやろうかと思ったが、言葉とは対照的に、央は今にも泣き出しそうな表情だった。
「…………もっと早くに気が付いて、素直にお前に伝えられてたら、こんなにお前のこと傷付けたり、苦しめたりしなかったのに、て思って…」
「……だから、さっき謝ったの?」
「…うん」
「…勝手だね」
「…ゴメン」
央は槇村の腕に預けていた体を起こして、しっかりと槇村と向き合った。
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