スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
恋は七転び八起き (68)
2015.11.12 Thu
「べ別に嫌いとかじゃないしっ…」
でも央は焦ってそんなことを言ってしまい、それを見た槇村に笑われた。
「知らなかったから。ゴメンな、入れなかったらよかったな」
「別に…」
「無理しなくていいから」
意地を張る央に余計なことは言わず、槇村は央から玉ねぎの残った皿を受け取った。
無理して食べることにならずに済んでよかったけれど、だからどうして槇村はいちいち優しい素振りを見せるのかと、央はちょっと怒りたくなる。こんなの、嫌いな相手に対する態度ではない。さっき、優しくするなと言ったのに、ヒドい。
「槇村くんっ」
「そういえば、」
「、」
「…、」
そんなに優しくしないでくれと、もう1度言ってやろうと声を掛けたら、それと同時に、皿を片付けようとしていた槇村が振り返って口を開いたから、そのタイミングにお互い顔を見合わした。
「…何、槇村くん」
「央こそ…………何?」
「槇村くんから言って!」
こういう被り方をすると、何となく気まずいというか、譲り合ってしまうというか、変な感じになる。
どちらが先に言うかなんて、本当はそんな順番どうでもよかったが、央はつい意地を張って、槇村から先に言うように促した。しかも、槇村の態度に対してモヤモヤした気持ちが高まっていたせいか、口調も強くなってしまう。
槇村は一呼吸置いてから、徐に口を開いた。
「…いや、先週、悪かったな、て思って」
「…………え?」
「先週。お前のこと、嫌いだとか顔も見たくないとか言ったから…………ゴメンな」
「……………………え?」
先週は、2人の間にいろいろなことがあったけれど、槇村が言っているのが、木曜日に再び槇村に会いに行った央に対し、帰宅した槇村が話も聞かずに帰れと言ったときのことだと、央はすぐに分かった――――分かったけれど、どうして今槇村は謝ったのか、央は2度も聞き返したのに、まったく理解できなかった。
央は、槇村を怒らせるようなことをした覚えはあるが、謝られるようなことをされた覚えはない。いや、怒らせるようなことをした自覚もなかったが、それは圭人に散々説明されて何とか理解したのだ。しかし圭人は、央が謝られる可能性について、何も言っていなかった。
back next
でも央は焦ってそんなことを言ってしまい、それを見た槇村に笑われた。
「知らなかったから。ゴメンな、入れなかったらよかったな」
「別に…」
「無理しなくていいから」
意地を張る央に余計なことは言わず、槇村は央から玉ねぎの残った皿を受け取った。
無理して食べることにならずに済んでよかったけれど、だからどうして槇村はいちいち優しい素振りを見せるのかと、央はちょっと怒りたくなる。こんなの、嫌いな相手に対する態度ではない。さっき、優しくするなと言ったのに、ヒドい。
「槇村くんっ」
「そういえば、」
「、」
「…、」
そんなに優しくしないでくれと、もう1度言ってやろうと声を掛けたら、それと同時に、皿を片付けようとしていた槇村が振り返って口を開いたから、そのタイミングにお互い顔を見合わした。
「…何、槇村くん」
「央こそ…………何?」
「槇村くんから言って!」
こういう被り方をすると、何となく気まずいというか、譲り合ってしまうというか、変な感じになる。
どちらが先に言うかなんて、本当はそんな順番どうでもよかったが、央はつい意地を張って、槇村から先に言うように促した。しかも、槇村の態度に対してモヤモヤした気持ちが高まっていたせいか、口調も強くなってしまう。
槇村は一呼吸置いてから、徐に口を開いた。
「…いや、先週、悪かったな、て思って」
「…………え?」
「先週。お前のこと、嫌いだとか顔も見たくないとか言ったから…………ゴメンな」
「……………………え?」
先週は、2人の間にいろいろなことがあったけれど、槇村が言っているのが、木曜日に再び槇村に会いに行った央に対し、帰宅した槇村が話も聞かずに帰れと言ったときのことだと、央はすぐに分かった――――分かったけれど、どうして今槇村は謝ったのか、央は2度も聞き返したのに、まったく理解できなかった。
央は、槇村を怒らせるようなことをした覚えはあるが、謝られるようなことをされた覚えはない。いや、怒らせるようなことをした自覚もなかったが、それは圭人に散々説明されて何とか理解したのだ。しかし圭人は、央が謝られる可能性について、何も言っていなかった。
back next
- 関連記事
-
- 恋は七転び八起き (69) (2015/11/13)
- 恋は七転び八起き (68) (2015/11/12)
- 恋は七転び八起き (67) (2015/11/11)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:恋は七転び八起き