スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
恋は七転び八起き (49)
2015.10.23 Fri
「何だよ、また告って来たのか? お前が乳は関係ないとか言ったから。あぁもう、そんなだったら、嘘でもボインのネエちゃんが好きだって言っておけよ、アホ!」
「つーか、こんな何遍も告られる前に、何とかしろよ!」
動揺しすぎて、逢坂も板屋越もはむちゃくちゃな要求をして来る。何とかしろと言われたって、槇村は出来る限りのことはして来たわけで、どうにか出来るものなら、とっくにどうにかしていた。
「俺だって何遍も断ってるわ。央、まだ17だぞ? 付き合えるか。何遍も付き合えない、て言ったわ」
「…………でも、また来た、と。月曜に振られたのに、昨日…だから木曜か、火、水、木……3日だな。3日でまた告白しに…」
「…分からん」
「え?」
「告白…………しに来たんだと思うけど、ホントのところは分からん。話、聞かなかったし」
昨晩の光景が蘇り、槇村は顔を顰めた。
央は話があると言ったか、お願いがあると言ったか、しかし槇村は何も聞きたくなかったし、央の顔を見たくもないと思った、そのときは。まさしくそう思って、それを言葉にした。
「槇村、大丈夫か?」
昨日のことを思い出すと、吐き気がする。決して今飲み過ぎているせいではない。ズルズルとテーブルに突っ伏せば、向かいから逢坂が心配そうに声を掛けて来た。バカな男だ、大丈夫なわけがない。
「話聞かないで追っ払ったか、央のこと」
「……」
そう言ったのは、板屋越だった。見て来たようなことを言うものだと思ったが、今日逢坂が会社で、槇村から何も聞かずとも事情を察したように、板屋越も央の様子からいろいろと分かったのだろう。
「…央、どんなだった?」
槇村は顔を上げられないまま、板屋越に尋ねた。
「死にそうだった。つーか死んでたな。1日中、保健室で寝てたわ」
「いつもは、そこまでじゃない?」
「逢坂、お前、月曜日の話、忘れたのか?」
「あー…、そうだな」
槇村と同じように、逢坂も、学校での央の様子を知らないので、板屋越に尋ねるしかないのだが、返って来たのはご尤もなセリフで、逢坂は、確かに、と頷いた。
月曜日、槇村に8回目の失恋をした央は、しかしその日のうちに、例のバカげた質問を思い付き、純平に頼んだのだ。そのくらいの図太さを持っている央が、保健室で1日寝ることになったのなら、それは重症だ。
「で、央の話聞かないで、槇村は央に何か言ったのか?」
逢坂は、伏せている槇村の頭をポンポンとしながら尋ねて来る。いい年をした男同士で、何なんだこの図は。気持ち悪い以外の何でもない。
back next
「つーか、こんな何遍も告られる前に、何とかしろよ!」
動揺しすぎて、逢坂も板屋越もはむちゃくちゃな要求をして来る。何とかしろと言われたって、槇村は出来る限りのことはして来たわけで、どうにか出来るものなら、とっくにどうにかしていた。
「俺だって何遍も断ってるわ。央、まだ17だぞ? 付き合えるか。何遍も付き合えない、て言ったわ」
「…………でも、また来た、と。月曜に振られたのに、昨日…だから木曜か、火、水、木……3日だな。3日でまた告白しに…」
「…分からん」
「え?」
「告白…………しに来たんだと思うけど、ホントのところは分からん。話、聞かなかったし」
昨晩の光景が蘇り、槇村は顔を顰めた。
央は話があると言ったか、お願いがあると言ったか、しかし槇村は何も聞きたくなかったし、央の顔を見たくもないと思った、そのときは。まさしくそう思って、それを言葉にした。
「槇村、大丈夫か?」
昨日のことを思い出すと、吐き気がする。決して今飲み過ぎているせいではない。ズルズルとテーブルに突っ伏せば、向かいから逢坂が心配そうに声を掛けて来た。バカな男だ、大丈夫なわけがない。
「話聞かないで追っ払ったか、央のこと」
「……」
そう言ったのは、板屋越だった。見て来たようなことを言うものだと思ったが、今日逢坂が会社で、槇村から何も聞かずとも事情を察したように、板屋越も央の様子からいろいろと分かったのだろう。
「…央、どんなだった?」
槇村は顔を上げられないまま、板屋越に尋ねた。
「死にそうだった。つーか死んでたな。1日中、保健室で寝てたわ」
「いつもは、そこまでじゃない?」
「逢坂、お前、月曜日の話、忘れたのか?」
「あー…、そうだな」
槇村と同じように、逢坂も、学校での央の様子を知らないので、板屋越に尋ねるしかないのだが、返って来たのはご尤もなセリフで、逢坂は、確かに、と頷いた。
月曜日、槇村に8回目の失恋をした央は、しかしその日のうちに、例のバカげた質問を思い付き、純平に頼んだのだ。そのくらいの図太さを持っている央が、保健室で1日寝ることになったのなら、それは重症だ。
「で、央の話聞かないで、槇村は央に何か言ったのか?」
逢坂は、伏せている槇村の頭をポンポンとしながら尋ねて来る。いい年をした男同士で、何なんだこの図は。気持ち悪い以外の何でもない。
back next
- 関連記事
-
- 恋は七転び八起き (50) (2015/10/24)
- 恋は七転び八起き (49) (2015/10/23)
- 恋は七転び八起き (48) (2015/10/22)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:恋は七転び八起き