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恋は七転び八起き (48)
2015.10.22 Thu
「あれ、でも槇村、え? 確か央、月曜に告白しに来た、て…」
「あぁ」
「で、純平がそれ、その乳が…て聞いて来たのが一昨日だよな? てことは、月曜に告って振られて、次の日に乳のこと思い付いて純平に頼んだ、てことか? そんで、純平がその次の日、槇村に乳の…」
指を折って曜日と日付を数えながら、一昨日までに起こった出来事を槇村に確認して来る。
会社の廊下で、素面でおっぱいだのボインだのと話していた槇村と純平も気持ち悪かったが、金曜日の居酒屋で、『乳』という単語を連呼するアラサー男も、十分気持ち悪い。言わないが。
「いや、おかしいだろ! それだったら央、振られた翌日にはもう、槇村に乳のこと聞かなきゃ、て思ったわけだろ? 次の日めっちゃ凹んでたって、さっきなつめが言ってたのに。それなのに、」
「朝な。火曜の朝」
「朝…」
頭の中で時系列を組み立てていた逢坂は、その矛盾に気付いて声を上げたが、隣の板屋越が、まだ呆然としつつも、言葉を付け加えた。
槇村と板屋越の話を纏めると、月曜日に槇村に告白して振られた央は、火曜日の朝、大層凹んでいたようだが、その日の夜には、槇村におっぱいが好きかどうかを聞かなければ! と思い立ち、純平に頼んだということだ。
確かにそれならば、流れとしての間違いはどこにもないけれど、その立ち直りの速さは…。これが、何度も同じ相手に告白しては振られている男ゆえのポジティブさなのか。あまり見習いたくはない。
「…そんで? これ、一昨日までの話だろ? 昨日お前が疲れてたのは、まぁ純平のせいかなとは思ってたけど、別に昨日は純平と何もなかったじゃん。なのに何なんだ、今日の。純平もめっちゃ凹んでたし」
とうとう話が核心に近づいて来る。槇村が一番逃げたかったところ。でも、逃げられない。
「…昨日の夜、央がまた家に来た」
「うぇっ!?」
「、」
別に、板屋越に追加のビールを頼まれるのを恐れたからではない。しかし槇村はもうとうに観念していて、静かに2人にそう告げた。すると2人は、もうこれ以上驚くことは何もないと油断していたに違いない、新たな衝撃に目を見開いた。
「え、ちょっ、ちょ、待って!」
「おう、いくらでも待つわ」
「昨日また来たぁ? え、昨日また来た?」
「そうだ、て言ってるだろ。何回同じこと聞くんだよ」
驚きのあまり同じことを2回続けた逢坂は、槇村に冷静に突っ込まれた。
「おい、なつめ。ホントに大丈夫なのか、央。何かこう、ストー…」
「…言うな。みなまで言うな、逢坂」
これまでに板屋越も、央の行動をストーカーのようだと思ったことは何度かあるが、それは飽くまで冗談の範疇だった。しかし、ここまで来ると、ちょっと冗談では済まされない気がしてくる。いや、冗談だとしても、まったく笑えない。
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「あぁ」
「で、純平がそれ、その乳が…て聞いて来たのが一昨日だよな? てことは、月曜に告って振られて、次の日に乳のこと思い付いて純平に頼んだ、てことか? そんで、純平がその次の日、槇村に乳の…」
指を折って曜日と日付を数えながら、一昨日までに起こった出来事を槇村に確認して来る。
会社の廊下で、素面でおっぱいだのボインだのと話していた槇村と純平も気持ち悪かったが、金曜日の居酒屋で、『乳』という単語を連呼するアラサー男も、十分気持ち悪い。言わないが。
「いや、おかしいだろ! それだったら央、振られた翌日にはもう、槇村に乳のこと聞かなきゃ、て思ったわけだろ? 次の日めっちゃ凹んでたって、さっきなつめが言ってたのに。それなのに、」
「朝な。火曜の朝」
「朝…」
頭の中で時系列を組み立てていた逢坂は、その矛盾に気付いて声を上げたが、隣の板屋越が、まだ呆然としつつも、言葉を付け加えた。
槇村と板屋越の話を纏めると、月曜日に槇村に告白して振られた央は、火曜日の朝、大層凹んでいたようだが、その日の夜には、槇村におっぱいが好きかどうかを聞かなければ! と思い立ち、純平に頼んだということだ。
確かにそれならば、流れとしての間違いはどこにもないけれど、その立ち直りの速さは…。これが、何度も同じ相手に告白しては振られている男ゆえのポジティブさなのか。あまり見習いたくはない。
「…そんで? これ、一昨日までの話だろ? 昨日お前が疲れてたのは、まぁ純平のせいかなとは思ってたけど、別に昨日は純平と何もなかったじゃん。なのに何なんだ、今日の。純平もめっちゃ凹んでたし」
とうとう話が核心に近づいて来る。槇村が一番逃げたかったところ。でも、逃げられない。
「…昨日の夜、央がまた家に来た」
「うぇっ!?」
「、」
別に、板屋越に追加のビールを頼まれるのを恐れたからではない。しかし槇村はもうとうに観念していて、静かに2人にそう告げた。すると2人は、もうこれ以上驚くことは何もないと油断していたに違いない、新たな衝撃に目を見開いた。
「え、ちょっ、ちょ、待って!」
「おう、いくらでも待つわ」
「昨日また来たぁ? え、昨日また来た?」
「そうだ、て言ってるだろ。何回同じこと聞くんだよ」
驚きのあまり同じことを2回続けた逢坂は、槇村に冷静に突っ込まれた。
「おい、なつめ。ホントに大丈夫なのか、央。何かこう、ストー…」
「…言うな。みなまで言うな、逢坂」
これまでに板屋越も、央の行動をストーカーのようだと思ったことは何度かあるが、それは飽くまで冗談の範疇だった。しかし、ここまで来ると、ちょっと冗談では済まされない気がしてくる。いや、冗談だとしても、まったく笑えない。
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