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恋は七転び八起き (46)
2015.10.20 Tue
「まぁそれは…、そんな大したこ…」
――――ピンポーン!
無理だと思いつつ、槇村が適当に流そうとしたら、言い切る前に、板屋越が店員を呼ぶためのボタンを押した。
その絶妙なタイミング、正解は何とか製菓だと答えてしまいそうなポーズに、隣の逢坂がブフッと噴き出した。昔から逢坂は、板屋越のボケが好きなのだ。
「まぁまぁ、飲まなきゃ言えないんだろ? 何杯でも飲んだらええがな。店の酒、飲み尽くしたらええがな」
なぜか関西弁交じりの妙な口調でそう言って、槇村のビールだけを追加注文した板屋越は、確かに槇村の気持ちを分かっている。このくらいの酔いでは、なかなか言い出せないと、確かに今しがた思ったばかりだ。
しかしこの調子では、槇村が何か口籠ったり、ごまかそうとしたりするたびに、新たな酒を注文されかねない。いくら明日が土曜日で休みとはいえ、槇村は2日続けて深酒をするつもりはないのに。
「いやホントにバカすぎて…。いいかお前ら、聞いても引くなよ? 俺じゃなくて純平が言って来たことなんだから」
「今さら純平がどんなアホなこと言っても引かねぇよ」
「…………」
逢坂は男らしくそう言ったが、言っている内容は結構ヒドいものだ。純平を何だと思っているのだ。しかし、毎日純平を見ている者としては、そのくらいのセリフ、当たり前に出て来る。
「央に、俺がおっぱいが好きかどうか聞いて来いて頼まれたみたいで、いきなり、ボインのネエちゃんが好きかどうか聞かれたわ」
「――――ッ!」
「お、おぉ、お、せ、正解はっ…!」
槇村の忠告どおり、2人とも槇村の話に引きはしなかったものの、恐らく想像だにしていなかった言葉に、逢坂は飲んでいたビールを噴き出しそうになるし、板屋越は必死に早押しボタンを探したが見つけられず、しかも逢坂がビールで噎せ返っていたせいで突っ込んでももらえずにいた。
「何だよ、お前らが言え、て言ったんやぞ」
「いや、そうだけど、まさかそこまでとは…、ケホッ…」
おしぼりで口元を拭いながら、逢坂が涙目で弁解する。板屋越はあんぐりと口を開けているだけだった。
「それ…、あれだよな。聞いて来たのは純平だけど、もともとは央だよな? 央に頼まれたから、純平が聞いて来たんだよな?」
「そうだって」
珍しく慌てふためく逢坂がおかしくて、槇村は逆に冷静になる。
一昨日、純平から唐突にこの質問をぶつけられたとき、槇村もこのくらい動揺していたが、それと同じかそれ以上に純平も狼狽していて、そういえばあれは会社の廊下だったから、通りすがった者は、さぞ滑稽な光景を目撃しただろう。
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――――ピンポーン!
無理だと思いつつ、槇村が適当に流そうとしたら、言い切る前に、板屋越が店員を呼ぶためのボタンを押した。
その絶妙なタイミング、正解は何とか製菓だと答えてしまいそうなポーズに、隣の逢坂がブフッと噴き出した。昔から逢坂は、板屋越のボケが好きなのだ。
「まぁまぁ、飲まなきゃ言えないんだろ? 何杯でも飲んだらええがな。店の酒、飲み尽くしたらええがな」
なぜか関西弁交じりの妙な口調でそう言って、槇村のビールだけを追加注文した板屋越は、確かに槇村の気持ちを分かっている。このくらいの酔いでは、なかなか言い出せないと、確かに今しがた思ったばかりだ。
しかしこの調子では、槇村が何か口籠ったり、ごまかそうとしたりするたびに、新たな酒を注文されかねない。いくら明日が土曜日で休みとはいえ、槇村は2日続けて深酒をするつもりはないのに。
「いやホントにバカすぎて…。いいかお前ら、聞いても引くなよ? 俺じゃなくて純平が言って来たことなんだから」
「今さら純平がどんなアホなこと言っても引かねぇよ」
「…………」
逢坂は男らしくそう言ったが、言っている内容は結構ヒドいものだ。純平を何だと思っているのだ。しかし、毎日純平を見ている者としては、そのくらいのセリフ、当たり前に出て来る。
「央に、俺がおっぱいが好きかどうか聞いて来いて頼まれたみたいで、いきなり、ボインのネエちゃんが好きかどうか聞かれたわ」
「――――ッ!」
「お、おぉ、お、せ、正解はっ…!」
槇村の忠告どおり、2人とも槇村の話に引きはしなかったものの、恐らく想像だにしていなかった言葉に、逢坂は飲んでいたビールを噴き出しそうになるし、板屋越は必死に早押しボタンを探したが見つけられず、しかも逢坂がビールで噎せ返っていたせいで突っ込んでももらえずにいた。
「何だよ、お前らが言え、て言ったんやぞ」
「いや、そうだけど、まさかそこまでとは…、ケホッ…」
おしぼりで口元を拭いながら、逢坂が涙目で弁解する。板屋越はあんぐりと口を開けているだけだった。
「それ…、あれだよな。聞いて来たのは純平だけど、もともとは央だよな? 央に頼まれたから、純平が聞いて来たんだよな?」
「そうだって」
珍しく慌てふためく逢坂がおかしくて、槇村は逆に冷静になる。
一昨日、純平から唐突にこの質問をぶつけられたとき、槇村もこのくらい動揺していたが、それと同じかそれ以上に純平も狼狽していて、そういえばあれは会社の廊下だったから、通りすがった者は、さぞ滑稽な光景を目撃しただろう。
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