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恋は七転び八起き (44)
2015.10.18 Sun
昨日、二日酔いするほど飲んだ身としては、出来ることならアルコールは控えたいところなのに、逢坂はそれを許さない。素面でも話せるのならそれでもいいが、と一応の選択肢を与えてくれているようだが、話さなくてもいいというカードが、そこにはない。
仕方なく槇村が生ビールに決めると、板屋越が若い店員に『生ビール、大で』と注文しようとするので、慌てて止めた。疲れているときに、そういうボケは勘弁してほしい。
「それなら、事情聴取、始めようか」
「事情聴取て…」
ビールとお通しが届いたところで、乾杯よりも先に逢坂がそう言った。まぁ、乾杯などしたい気分でもないから、それでもいいんだけれど。
というか、事情聴取とは言葉が悪いが、最初に槇村が思ったとおり、この座席の配置では、完全に取り調べ状態だ。黙秘を続けられる自信がない。
「で、何があったんだ? 昨日も一昨日も。別に純平と遊んでたわけじゃないんだろ? 央と何があったんだ」
「何、て…」
いきなり核心に触れて来る逢坂に、槇村は言葉が続かない。何をどこから話せばいいのか分からないのもあるが、出来ることなら話したくないし、昨日のことを思い出したくないとも思ってしまって。
しかし、問い詰めて来る逢坂だけでなく、その隣でジョッキを傾ける板屋越の鋭い眼光を前にすると、とても無言を貫き通せそうにない。
「えと…、どこから話せば…」
「最初からだ」
言い淀む槇村に、逢坂はそう告げる。
確かにそれは当たり前のことで、最初からなのは槇村も言われなくても分かっていたのだが、一昨日からの槇村と純平のやりとりは、同じ部署で働く逢坂は知っているから説明するまでもないけれど、板屋越は逢坂から聞いていない限り知らないわけで、それも含めて話した方がいいかどうかを聞きたかったのだ。
しかし、今槇村は、何かを質問する立場にないようなので、板屋越に会社でのことを知っているのかと尋ねるのはやめて、すべて洗いざらい白状することにする。それはもう知っていると言われたら、そのときはそのときだ。
「えっと…、何日前だったかな、央が告白しに来て、」
「月曜だ」
ここ数日の間に、あまりにもいろいろなことがあったため、何がいつの出来事か、槇村自身もあやふやになっていたのだが、しばらく黙っていた板屋越が思い掛けずきっぱりと言い切ったので、槇村だけでなく逢坂も驚いて板屋越を見た。
「何でお前が知ってんの?」
「火曜の朝、央がめっちゃ凹んでた」
板屋越は、央のクラス担任だ。直接槇村から話を聞かなくとも、何かあったことは分かるし、凹んでいる様子からして、いい出来事ではなかったことは推測くらい出来るのだ。
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仕方なく槇村が生ビールに決めると、板屋越が若い店員に『生ビール、大で』と注文しようとするので、慌てて止めた。疲れているときに、そういうボケは勘弁してほしい。
「それなら、事情聴取、始めようか」
「事情聴取て…」
ビールとお通しが届いたところで、乾杯よりも先に逢坂がそう言った。まぁ、乾杯などしたい気分でもないから、それでもいいんだけれど。
というか、事情聴取とは言葉が悪いが、最初に槇村が思ったとおり、この座席の配置では、完全に取り調べ状態だ。黙秘を続けられる自信がない。
「で、何があったんだ? 昨日も一昨日も。別に純平と遊んでたわけじゃないんだろ? 央と何があったんだ」
「何、て…」
いきなり核心に触れて来る逢坂に、槇村は言葉が続かない。何をどこから話せばいいのか分からないのもあるが、出来ることなら話したくないし、昨日のことを思い出したくないとも思ってしまって。
しかし、問い詰めて来る逢坂だけでなく、その隣でジョッキを傾ける板屋越の鋭い眼光を前にすると、とても無言を貫き通せそうにない。
「えと…、どこから話せば…」
「最初からだ」
言い淀む槇村に、逢坂はそう告げる。
確かにそれは当たり前のことで、最初からなのは槇村も言われなくても分かっていたのだが、一昨日からの槇村と純平のやりとりは、同じ部署で働く逢坂は知っているから説明するまでもないけれど、板屋越は逢坂から聞いていない限り知らないわけで、それも含めて話した方がいいかどうかを聞きたかったのだ。
しかし、今槇村は、何かを質問する立場にないようなので、板屋越に会社でのことを知っているのかと尋ねるのはやめて、すべて洗いざらい白状することにする。それはもう知っていると言われたら、そのときはそのときだ。
「えっと…、何日前だったかな、央が告白しに来て、」
「月曜だ」
ここ数日の間に、あまりにもいろいろなことがあったため、何がいつの出来事か、槇村自身もあやふやになっていたのだが、しばらく黙っていた板屋越が思い掛けずきっぱりと言い切ったので、槇村だけでなく逢坂も驚いて板屋越を見た。
「何でお前が知ってんの?」
「火曜の朝、央がめっちゃ凹んでた」
板屋越は、央のクラス担任だ。直接槇村から話を聞かなくとも、何かあったことは分かるし、凹んでいる様子からして、いい出来事ではなかったことは推測くらい出来るのだ。
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