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恋は七転び八起き (42)
2015.10.16 Fri
今までに何度も槇村に告白しては振られた央は、そのたびに槇村に『俺のこと嫌いなの?』と質問しては、『そういうわけではない』という返事を貰っていた。それは、嫌いでないなら、どうして付き合ってくれないのか、と嘆く原因にはなっていたが、完全に望みを失ったわけではないから、心の支えにもなっていたはずだ。
それに、恋愛感情を抜きにしても、やはり人から嫌いだとはっきり言われるのはツラいものがあるわけで、それを、好きな相手からはっきりと言われたとあっては、央が眠れなくなるほど落ち込むのも無理はない。
「しかも、顔も見たくないし、話もしたくない、て言われた」
「ちょっ…、槇村さん、それ言い過ぎじゃない?」
「でも、そんくらいイライラしてた」
圭人は昨日の槇村の様子を思い出し、肩を竦めた。
「やっぱ家行き過ぎだったかな? 振られて3日でまた行く、て。央ちゃん、圭人にしか聞かないから、俺何も答えなかったけど、もっと止めたらよかったかな」
「それもだけど、あの、おっぱいがどうとか、て……兄ちゃんに頼んで聞いてもらったわけでしょ? あれ、気まずかったんじゃないかな、槇村さんにしたら」
「あれは…………俺が悪いんかな。余計なこと言っちゃって」
七海にしても、まさかそれを本気で槇村に質問するとは思っておらず、冗談だったのに。
「ななみんのせいじゃないって。聞くかどうかは央が自分で決めたことなんだし」
こんなときでも優しい圭人に、七海は柄にもなく泣きそうになった。
昨日は圭人のことを優しすぎると言ったけれど、今はその優しさが身にしみる。
「央ちゃん、ちゃんと寝てるかなぁ」
「さすがにあんだけになってたら、嫌でも寝るって。後でまた様子見に行こ?」
「うん」
教室を目前に、1時間目の始まるチャイムが鳴って、2人は教室へと駆け出した。
二日酔いのおかげで、昼食もろくに取れなかった槇村も、終業時間が近づくころには、ようやく復活した。このところ早く帰ってばかりなのに申し訳ないが、金曜日、みんなも早く帰ろうという雰囲気だから、それに合わせて、槇村もさっさと帰ることにする。
今日は早く寝て、土日はゆっくり休んで、月曜日からまたがんばろう――――そう思ったのに。
「まぁ待て、槇村。そんな急いで帰らなくても。一杯やってこうじゃないか」
席を立った槇村が1歩踏み出したところで、その肩を背後からガシッと掴まれた。
槇村はその手を振り払って、ダッシュで逃げ出したかったが、それは出来なかった。それが、昨日から世話になりっぱなしの、逢坂のものだったので。
槇村が恐る恐る振り返ると、笑顔の逢坂がそこにはいた。しかし、昔からの付き合いである槇村には分かる、その笑顔が、苛立ちの上に貼り付けられたものだと。
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それに、恋愛感情を抜きにしても、やはり人から嫌いだとはっきり言われるのはツラいものがあるわけで、それを、好きな相手からはっきりと言われたとあっては、央が眠れなくなるほど落ち込むのも無理はない。
「しかも、顔も見たくないし、話もしたくない、て言われた」
「ちょっ…、槇村さん、それ言い過ぎじゃない?」
「でも、そんくらいイライラしてた」
圭人は昨日の槇村の様子を思い出し、肩を竦めた。
「やっぱ家行き過ぎだったかな? 振られて3日でまた行く、て。央ちゃん、圭人にしか聞かないから、俺何も答えなかったけど、もっと止めたらよかったかな」
「それもだけど、あの、おっぱいがどうとか、て……兄ちゃんに頼んで聞いてもらったわけでしょ? あれ、気まずかったんじゃないかな、槇村さんにしたら」
「あれは…………俺が悪いんかな。余計なこと言っちゃって」
七海にしても、まさかそれを本気で槇村に質問するとは思っておらず、冗談だったのに。
「ななみんのせいじゃないって。聞くかどうかは央が自分で決めたことなんだし」
こんなときでも優しい圭人に、七海は柄にもなく泣きそうになった。
昨日は圭人のことを優しすぎると言ったけれど、今はその優しさが身にしみる。
「央ちゃん、ちゃんと寝てるかなぁ」
「さすがにあんだけになってたら、嫌でも寝るって。後でまた様子見に行こ?」
「うん」
教室を目前に、1時間目の始まるチャイムが鳴って、2人は教室へと駆け出した。
槇村・逢坂・板屋越
二日酔いのおかげで、昼食もろくに取れなかった槇村も、終業時間が近づくころには、ようやく復活した。このところ早く帰ってばかりなのに申し訳ないが、金曜日、みんなも早く帰ろうという雰囲気だから、それに合わせて、槇村もさっさと帰ることにする。
今日は早く寝て、土日はゆっくり休んで、月曜日からまたがんばろう――――そう思ったのに。
「まぁ待て、槇村。そんな急いで帰らなくても。一杯やってこうじゃないか」
席を立った槇村が1歩踏み出したところで、その肩を背後からガシッと掴まれた。
槇村はその手を振り払って、ダッシュで逃げ出したかったが、それは出来なかった。それが、昨日から世話になりっぱなしの、逢坂のものだったので。
槇村が恐る恐る振り返ると、笑顔の逢坂がそこにはいた。しかし、昔からの付き合いである槇村には分かる、その笑顔が、苛立ちの上に貼り付けられたものだと。
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